伊達康 先生が贈る人類反抗バトラブ活劇。第2巻は“サビト”と“メル”が価値観の相違
から新しく訪れた街で別々に過ごす日々を送る中で彼にとって重要な人物が登場します。
(イラスト:そりむらようじ 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1337 】
ということで同じウェイトレス仲間で“メル”の先輩として登場する“シノ”。彼女こそ
現在“サビト”と頭領になる競争を務める相手“アトリ”であることは読み手としてすぐ
分かりますが彼女は気づかない。更には“サビト”は出会う機会がなくて気づけない。
もどかしい中で進行していく物語と“シノ”と“アトリ”、二面性と清濁あわせ持つ彼女
と“サビト”や“メル”とのどこか真面目でそれでいてどこか抜けているやりとりが軽妙。
“メル”が新たに見せる弱点が艶やかで挿絵的にも大正解。でも、落ちやす過ぎ(苦笑)。
訪れた街“ナトゥア”が3年の間、竜公に襲われていないという理由が明らかとなった後、
いがみ合う関係がいつしか共闘へとつながっていく話運びがまた熱い。“メル”の言動が
いちいち健気で可愛いです。思わぬ結末と新たな敵登場の予感に続きが気になります。
2015年07月07日
2015年07月06日
『クズだけど異能バトルで覇権狙ってみた』
三門鉄狼 先生が贈る新作は残念系異能バトル。神と人が組んで戦う最終戦争で勝ち残れば
願いが叶うと聞き、友情も信頼も信じずに自分のことをクズと認める少年は何を願うのか。
(イラスト:ユメのオワリ 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1329 】
小学生の頃、“アスマ”少年は親友だった“宗也”と“マシロ”との突然の別離を契機に
性根を腐らせて今では死んだ魚のような目をする高校生に。恋愛の女神“アルテミス”と
共闘する中でかつての親友と再会し、最終戦争で仲間となる話を持ちかけられるが──。
世界の滅びを望む“アスマ”は勝つためにどんな手段を選ぶことにも迷いがない。そんな
彼を矯正したい能天気な“アルテミス”の明朗さとの対比、そして二人のやり取りが実に
面白い。“イシュタル”や“アイシャ”もクズという暗い雰囲気を払う位に明るいです。
当然の如く仲間となることを拒絶した“アスマ”が、能力的には圧倒的に上な“宗也”、
そして“マシロ”を前にどう対峙するのか。昔話すら利用して勝ちを狙い、数多の信念を
滅ぼす叛逆心をもって正義の味方を打ち滅ぼす展開にご注目。続きに期待したい物語です。
願いが叶うと聞き、友情も信頼も信じずに自分のことをクズと認める少年は何を願うのか。
(イラスト:ユメのオワリ 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1329 】
小学生の頃、“アスマ”少年は親友だった“宗也”と“マシロ”との突然の別離を契機に
性根を腐らせて今では死んだ魚のような目をする高校生に。恋愛の女神“アルテミス”と
共闘する中でかつての親友と再会し、最終戦争で仲間となる話を持ちかけられるが──。
世界の滅びを望む“アスマ”は勝つためにどんな手段を選ぶことにも迷いがない。そんな
彼を矯正したい能天気な“アルテミス”の明朗さとの対比、そして二人のやり取りが実に
面白い。“イシュタル”や“アイシャ”もクズという暗い雰囲気を払う位に明るいです。
当然の如く仲間となることを拒絶した“アスマ”が、能力的には圧倒的に上な“宗也”、
そして“マシロ”を前にどう対峙するのか。昔話すら利用して勝ちを狙い、数多の信念を
滅ぼす叛逆心をもって正義の味方を打ち滅ぼす展開にご注目。続きに期待したい物語です。
2015年07月05日
『シニガミライジング』
『ハロー、ジーニアス』の 優木カズヒロ 先生が贈る新作は「コトナリ」と称する異能を
持つ者たちの物語。鬼のコトナリと彼に救われたある少年が辿る数奇な運命を描きます。
(イラスト/南方純 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865113-4/ 】
一昔前のアイドルみたいな名前を持つ“伊佐美”は死なない異能を活かした仕事で糊口を
しのぐ身。女の子のような名前を持つ少年“凜”は住む屋敷を謎の襲撃者に襲われ孤独の
逃避行を強いられる中、“伊佐美”に助けられコトナリが無関係でない存在だと知り──。
助けられた恩を返そうと“伊佐美”の世話をする“凜”。コトナリの命運を左右する秘密が
隠されていたと知った両者もいつしか気を許せる仲となった頃、身の振り方を考える“凜”
の起点となった事件に思いも寄らぬ意思が介入していたことを知り、黒幕へと迫っていく。
運命の岐路に立たされた“凜”が決断した場面、そこに至るまでの経緯があったからこそ
強く印象に残るものがありました。“晴司”の損な役回りには同情を禁じえないところ。
話の落とし所として未来を感じさせる点も良かったです。続刊が出ることを期待します。
持つ者たちの物語。鬼のコトナリと彼に救われたある少年が辿る数奇な運命を描きます。
(イラスト/南方純 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865113-4/ 】
一昔前のアイドルみたいな名前を持つ“伊佐美”は死なない異能を活かした仕事で糊口を
しのぐ身。女の子のような名前を持つ少年“凜”は住む屋敷を謎の襲撃者に襲われ孤独の
逃避行を強いられる中、“伊佐美”に助けられコトナリが無関係でない存在だと知り──。
助けられた恩を返そうと“伊佐美”の世話をする“凜”。コトナリの命運を左右する秘密が
隠されていたと知った両者もいつしか気を許せる仲となった頃、身の振り方を考える“凜”
の起点となった事件に思いも寄らぬ意思が介入していたことを知り、黒幕へと迫っていく。
運命の岐路に立たされた“凜”が決断した場面、そこに至るまでの経緯があったからこそ
強く印象に残るものがありました。“晴司”の損な役回りには同情を禁じえないところ。
話の落とし所として未来を感じさせる点も良かったです。続刊が出ることを期待します。
2015年07月04日
『おと×まほ 16』
約3年の時を経て 白瀬修 先生が贈る魔法少女コメディ最終巻。負けを認めさせれば“彼方”
はアナタのもの! という母が仕掛けた一大イベントに大枝町全体が色めき、殺気立ちます。
(イラスト:ヤス 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797375282.html 】
15巻の発売が「2012/07/15」ということで時の流れの早さに愕然としつつ、こうして間が
空いても登場するキャラクターたちの雰囲気などを覚えている、思い出せるというのは
自分なりに相当の思い入れがある作品でもあった、ということを再認識させてくれます。
“此方”が仕掛けたイベントもとい魔法のおかげで“留真”や“依”、“いいんちょ”、
“エフェクト”、更には“モエル”の“彼方”に対する妄想が彼に対してダダ漏れとなる
あたりはいつも通りで安心して気兼ねなく読むことができます。ヤス 先生の絵もステキ。
そして張本人たる“此方”との直接対決に臨む“彼方”。あまりに規格外すぎる母親を前に
絶望と喜びを味わうことになる彼の機微にご注目。二人を傍らで見守る愛すべきキャラたち
の掛け合いも見どころです。先を予感させる前向きな終わり方にも好感が持てました。
はアナタのもの! という母が仕掛けた一大イベントに大枝町全体が色めき、殺気立ちます。
(イラスト:ヤス 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797375282.html 】
15巻の発売が「2012/07/15」ということで時の流れの早さに愕然としつつ、こうして間が
空いても登場するキャラクターたちの雰囲気などを覚えている、思い出せるというのは
自分なりに相当の思い入れがある作品でもあった、ということを再認識させてくれます。
“此方”が仕掛けたイベントもとい魔法のおかげで“留真”や“依”、“いいんちょ”、
“エフェクト”、更には“モエル”の“彼方”に対する妄想が彼に対してダダ漏れとなる
あたりはいつも通りで安心して気兼ねなく読むことができます。ヤス 先生の絵もステキ。
そして張本人たる“此方”との直接対決に臨む“彼方”。あまりに規格外すぎる母親を前に
絶望と喜びを味わうことになる彼の機微にご注目。二人を傍らで見守る愛すべきキャラたち
の掛け合いも見どころです。先を予感させる前向きな終わり方にも好感が持てました。
2015年07月03日
『乙女な王子と魔獣騎士』
「第20回電撃小説大賞」の拾い上げとなる、柊遊馬 先生が贈るファンタジー小説。亜人を
忌む風潮の国で復讐の道を歩む少年が騎士学校で眉目秀麗な王子と運命の出会いを迎えます。
(イラスト/久杉トク 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865128-8/ 】
スロガーヴ。呪われし不死身の魔獣を、黄金の一族レギメンスが世界から一掃して10年。
騎士学校の生徒となった“ジュダ”は仮面の騎士として王都内で暗躍を続けている。母を
処刑台に送った“ヴァーレンラント”王の首を狙うため、その身の秘密を隠しつつ──。
“ラウディ”が転校してきて、彼が「彼女」だと知っても無関心な“ジュダ”が少しずつ
気心知れた仲となっていく間に発生する亜人への迫害事件、亜人解放戦線なる組織の暗躍。
正体を知られる恐れが出て計画の前倒しを迫られる彼の脳裏にちらつく王子たちとの生活。
復讐を遂げる気持ちと“ラウディ”の想いに板挟みとなる“ジュダ”がどちらを選ぶのか
という話運びが見どころ。彼の養父が見せるあなどれない言動にも注目。彼を気にかける
“ジャクリーン”の立ち位置が好きだったり。シリーズ化しないかな、と思える作品です。
忌む風潮の国で復讐の道を歩む少年が騎士学校で眉目秀麗な王子と運命の出会いを迎えます。
(イラスト/久杉トク 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-865128-8/ 】
スロガーヴ。呪われし不死身の魔獣を、黄金の一族レギメンスが世界から一掃して10年。
騎士学校の生徒となった“ジュダ”は仮面の騎士として王都内で暗躍を続けている。母を
処刑台に送った“ヴァーレンラント”王の首を狙うため、その身の秘密を隠しつつ──。
“ラウディ”が転校してきて、彼が「彼女」だと知っても無関心な“ジュダ”が少しずつ
気心知れた仲となっていく間に発生する亜人への迫害事件、亜人解放戦線なる組織の暗躍。
正体を知られる恐れが出て計画の前倒しを迫られる彼の脳裏にちらつく王子たちとの生活。
復讐を遂げる気持ちと“ラウディ”の想いに板挟みとなる“ジュダ”がどちらを選ぶのか
という話運びが見どころ。彼の養父が見せるあなどれない言動にも注目。彼を気にかける
“ジャクリーン”の立ち位置が好きだったり。シリーズ化しないかな、と思える作品です。