2015年07月12日

『異世界居酒屋「のぶ」三杯目』

「ヤングエース」にて ヴァージニア二等兵 先生によるコミカライズがスタートしました
蝉川夏哉 先生が贈る「小説家になろう」発の大人気異色グルメ小説の第3巻を拝読です。
(イラスト:転 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02417401
http://ncode.syosetu.com/n9773bj/


まずは改めて「ノブカライズ」おめでとうございます。今巻に収録されている話がワリと
おめでたい話が続くこともあって、転 先生が描く表紙のイメージも既刊と比べて華やかに
仕上げてきている感じがまたステキです。酒と空腹のお供に適した内容なのは今巻も同様。

“リオンティーヌ”が従業員として「のぶ」を手伝い、更には料理人として「のぶ」で修行
を続ける“ハンス”がその腕を磨いていく過程を、小編を読み進めていくことで感じ取る
ことができる点にもぜひご注目を。それを見守る“しのぶ”さんの厳しさと優しさにも。

今巻は揚げ物とか天ぷらに関するエピソードが強く印象に残った感じがします。サクリとか
シャクリといって文章が続いていくあの感覚、思わず口内に物欲しそうな唾液があふれます。
購入特典掌編「懐かしのうどん」がこれまた食欲をそそるので丸亀製麺に行きたくなります。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年07月11日

『グラウスタンディア皇国物語6』

内堀優一 先生が贈るファンタジー戦記。第6巻は未だグラウスタンディアにとって脅威と
なるリジアの大軍を打破する策を立てるため、“クロム”が自身の身を危機へと晒します。
(イラスト/野崎つばた 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/607.html


敵と味方に分かれながらも信頼関係がある“ロスタム”と“クラヴィス”。かつて見せた
“クラヴィス”の騎士道精神に寄るもの、というこのエピソードが美談。だからこそ窮地
を凌いでからの悲しい結末には一層心に痛むものが。今巻は本当に人がよく死にます。

“シュルツ”と“エルヴ”の話は陰謀に巻き込まれてドロドロな感じですし、“シド”の
鬼神、奮闘ぶりと言ったらもう。“レイリン”に続き“ダカット”もまた神という存在を
知り、その力を借り受けましたがグラウスタンディアという国の未来へと繋がるのか否か。

今回は早々に“クロム”が命の危機を迎えたことでだいぶ出番がありませんでしたが、その
中で“リュリュ”の特異性に触れる場面も。クコノスの谷をこの大国間戦争における最大の
局面と位置づけたところで颯爽と現れた“クロム”たちはどう動くか。続きに注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年07月10日

『下読み男子と投稿女子 〜優しい空が見た、内気な海の話。』

下読みのプロ、と言っても過言ではない 野村美月 先生が贈る新作は青春創作ストーリー。
ライトノベル投稿作を書く孤高の少女と下読みアルバイトの少年が出会い、紡ぐ物語です。
(イラスト:えいひ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


最終選考の審査員を務めてもおかしくない実績を持つ 野村 先生が、受賞作品となる原稿を
30点以上も一次から二次へ送っていたというのだから驚かされます。というか、あとがき
から感じる命を削って作品を書かれている様子が心配です。くれぐれもご自愛ください。

さて、本編は“青”の元に送られてきた一次選考作品がクラスでとっつきにくい美少女
の“氷雪”が書いたものだと知り、更にそれを知られて驚かれるも選考突破のアドバイス
を求められて密会するうちに信頼関係も生まれてきて・・・と機微の変化を丁寧に描写します。

“氷雪”が自分を卑下する原因と、その対策に臨む“青”。下読みのプロとしてだけでなく
同年代の少年としても彼女を助ける“青”、そんな彼に自然と心惹かれていく“氷雪”、
そして遅ればせながら自分の気持ちを確固のものとした二人・・・もうキュンキュンします。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年07月09日

『覇剣の皇姫アルティーナIX』

むらさきゆきや 先生が贈る覇道戦記ファンタジー。第9巻は“ラトレイユ”の軍師として
ハイブリタニアを追撃する“レジス”と国に戻り決起を窺う“バスティアン”を描きます。
(イラスト:himesuz 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_05


“アルティーナ”への手紙を書く、と約束した“レジス”がその文面に悩むあたりはとても
微笑ましい情景。手紙を受け取った彼女、そして“エリック”の一喜一憂ぶりもまた同様に。
“ギルベルト”に関する一幕が今後、彼女たちと良い関係を築いていけると予感させます。

一方、里帰りして“フランツィスカ”のみを驚かせた“バスティアン”。他の方々は察しが
良いやら何とやら。“ベルジュラック”侯爵の苦労人ぶりに涙が出そうですけどそれすらも
皇子のらしさを印象づけてきます。自由主義の意思を継いでどこまで目指せるか見ものです。

「グレボヴァール」の要塞へ攻城戦を仕掛ける“ラトレイユ”が“レジス”に意見を求める
経緯を見るになかなか謙虚なところもある皇子のようで。その期待に沿えるよう策を提示
する“レジス”は“オズワルド”に読み勝つことができるのか。攻城戦はまだ続きます。

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2015年07月08日

『世界の終わりの世界録<アンコール>4 異端の覇王』

細音啓 先生が贈る王道ファンタジー。第4巻は覇都エルメキアへと場を移し精霊が怯える
謎を、王位七十二階位特務騎士団の真意を探る“レン”の前に世界最強の男が現れます。
(イラスト:ふゆの春秋 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1332


「虚構精霊(エイドス)」。その過ぎたる力を騎士団へ与える「碑文の三賢者」なる存在
と邂逅した“レン”は、その存在のおぞましさ、そして自分を慕う精霊と三大姫を信じる
気持ちからそれらとの決別を宣言します。この一連のやりとりがまず熱くてカッコイイ。

騎士団の狙いを砕くため襲撃を掛けることになった“レン”の前に立ちはだかる騎士王
“ゼルブライト”、そして三大姫と対峙する「反の虚構精霊(エイドス)」。圧倒的な
力、そして古の技術の頂点を極めようとする力を前に苦戦を強いられる展開を迎えます。

そこで問われる「英勇の資格」。竜帝“カルラ”が、女神“レスフレーゼ”が託した想い
を受けて何度でも立ち向かう“レン”がこれでもかと男気を魅せつけてくるのがステキ。
出番の少なかった剣聖“シオン”が示す新たな謎がどんな物語へと繋がるのか見ものです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル