2015年06月27日

『とある飛空士への誓約8』

犬村小六 先生が贈る飛空士たちの恋と空戦の物語。「誓約」第8巻はエリアドールの七人
がそれぞれの立場、抱えているものを経た上で再びつながりを形成する過程を描きます。
(イラスト:森沢晴行 先生)

http://sol-comics.shogakukan.co.jp/solc_dtl?isbn=9784094515565


“カルエル”の登場に改めて身が震える場面で空気読まなさすぎな振舞いに思わず笑みが。
起死回生の一手を打つために“エリザベート”が“セシル”として“バルタザール”の態度
を跳ねのけるあたりもそう。今巻は話が重めなだけに、そんな場面がひどく印象に残ります。

そんな明るさとは対称的に無益な戦争を止めるべく修羅の道を行く“かぐら”。その果てに
実兄との対峙があろうとも歩みを止めない彼女が遂に“バルタザール”と再会したときの
喜びようたるや。だからこそ回避できなかったあの結末が理解できるだけに悔やまれます。

あるいは教皇の意向を逸脱したことで無実の罪に追われる“ニナ”。“デミストリ”の妄執
に囚われ風前の灯たる彼女を、家族と親友を両天秤に掛けられた“ミオ”の一縷の望みが
救いの手立てとなるか。誓約を果たすべく飛び立つ“清顕”に全てを託したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル