未味なり太 先生が贈るデビュー作。2巻目は“エル”との約束の意味を知った“ユタカ”
の前に“カミサマ”が現れ最後通牒を突きつける中、彼ら彼女らが選ぶ道の先を描きます。
(イラスト:らいか 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1304 】
“リタ”や“アガサ”が“エル”の死を望んでいたことを知って味わう絶望。分かり合え
そうで分かり合えない“カレン”から向けられる拒絶。それでも“エル”のことを、いや
皆が幸せになる道を模索すべく“ユタカ”があら捜しを始め、ある光明を見い出します。
そして語られる“カミサマ”の事情。「異世界から来た」という“ユタカ”の存在を活用
した“エル”を救うための努力、過程と共にどこまでも「幸せ」を願った“エル”の一途
でいじらしい様子には心を打つものがあります。“カミサマ”と向き合うその姿も同様に。
「悪いことの後には、良いことが待っている」と笑顔で未来の到来を宣言する“エル”や
“ユタカ”たちが幸せになるだけでなく、“カミサマ”にもその手を差し伸べる締め括り
はとても爽やかな読了感を味わうことができました。良い話が読めて幸せであります。