2015年06月05日

『魔学の覇王と科法の銃姫』

科学が廃れ、魔法が社会基盤を築く世界で互いの争いに巻き込まれていくのは少年少女。
きなこもちづき 先生が贈る魔法科学バトルアクションラブコメディを拝読しております。
(イラスト:Nardack 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1316


「福音矛盾」という魔学が正しく使えなくなる現象を、科法使いと呼ばれる者たちが引き
起こしていると聞き、その中の一人“水銀”を追う文部魔学省のエリート“美羽”。彼女
が偶然出会った普通の少年“元”が魔学を正しく使ったことに興味を覚えはじめて──。

科学と魔法、今あるものと無きものを「魔学」と「科法」に置き換えることでそれらが
逆転した世界観を演出するところがまず興味深い。そのあたりを何かと対比する描写が
多いのも特徴。金髪と銀髪、なんてのもありますね。“水銀”の設定、イイと思います。

“元”が力を使えた、というのも実は世界の仕組みとして別の理があって、という所で
コンピュータ的な思考があちこちに見られるのも面白い要素です。魔学を取り仕切る
「教会」という存在が胡散臭くなってからの話運びが見せ場で楽しませてもらいました。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル