比嘉智康 先生が贈る新作は多角関係青春ラブコメ。「たまらん」こと“玉木走太”が余命
一週間と宣告されてから次々と向き合わない恋のベクトルを目の当たりにしていく物語です。
(イラスト:本庄マサト 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1324 】
「みんなが恋をしている」、確かにその通り。それが「これでもか!」と言わんばかりに
出てくる登場人物が皆々片思いをしている。それも結ばれない形で。まさに故意に恋させ
られているかのよう。これまた実にめんどくさい話を持ってきました。流石です(苦笑)。
余命一週間ってなんやったんや、というのはさておき。“嬉々”とキスをする役得の余韻
を味わう間もなく手のひら返しで彼女から嫌悪される“走太”。なぜ彼女は彼に唇を許す
ことに決めたのか、というのが重めの設定で。この一途さは応援したいところであります。
熱い視線を向ける者、向けられる者それぞれですが各々の事情を知ってしまった“走太”
さえもその例外ではありません。とある少年が好きな少女からの好意を受けるであろう
彼は“嬉々”のファーストキスを奪った前科者。この先どう転ぶのか、興味深い話です。