2015年06月10日

『生徒会探偵キリカ6』

杉井光 先生が贈るハイテンション学園ラブコメ・ミステリ。第6巻は生徒会選挙で“狐徹”
との直接対決に挑む“ひかげ”がその劣勢にどう立ち向かっていくかを描いていきます。
(イラスト:ぽんかんG 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/?id=9818/41053#41362


“狐徹”がもういろんな面で先を行き過ぎていて、そして早くから先を見据えすぎていて
圧倒されるし唖然とするしで“ひかげ”も含めて彼女の手のひらで踊らされていた印象が
終始残る展開となりました。彼の詐欺師ぶりも影に隠れてしまったかのように映ります。

思想を見せつけられても“狐徹”に挑む姿勢をなけなしの意思で繋ぎとめて踏みとどまる
“ひかげ”の頑張りの裏で、“キリカ”の成長を促しそれが実を結ぶかを見届けるという
裏のテーマもあったりするのだからもう脱帽。“キリカ”も何とか応えてくれました。

選挙戦を始めるにあたり“真央”に視てもらった未来がこういう形で像を結ぶことになる
とは……“ひかげ”でなくても予想は難しいでしょうな。“狐徹”も評価する“キリカ”
を彼も認めたワケで。会計も探偵のお仕事もより一層、頑張っていただきたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年06月09日

『この恋と、その未来。 ― 一年目 冬 ―』

森橋ビンゴ 先生が贈る青春恋愛小説。第3巻は冬休みに帰省した“四郎”と“未来”が
“三並英太”や“東雲侑子”との出会いを経て、変わるための力を得る過程を描きます。
(イラスト:Nardack 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06


「東雲侑子」シリーズとイラストレーターが同じだからこそ、そして世界観を継承している
からこそ出来る演出の数々。これは前シリーズを読んでおくべきですね。読まなくても話は
分かるとは言え。“英太”の物語があったからこそ“四郎”の心も動いたと思いますので。

帰省した際に“四郎”の父親が見せた破天荒ぶり以上に、彼の姉たちが“四郎”に厳しく
あたってきたことに秘めた願いがあった、という事実に驚かされます。それ誤解するしか
ないよね、って感じで。“未来”の親は相も変わらずの状態で環境は厳しいままのようで。

「好きだからこそ、離れよう」そう思い、実現させた“四郎”。“三好”が健気というか
懐が深いというか、本当に良い娘で。新しい季節を新しい環境で迎えるにあたりその進展
にも期待しつつ、試験監督の手伝いが何かを予感させて予断を許さない状況であります。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年06月08日

『六畳間の侵略者!? 19』

健速 先生が贈る人気シリーズ、通算21冊目は“ゆりか”が先頭に立ちダークネスレインボゥ
と立ち向かっていく中、“孝太郎”は「六畳間」に繋がる過去とその結果に気付かされます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/601.html


“真理奈”が“ダークパープル”にならざるを得なかったエピソードがいきなり重く、物語
の締め括りまで響きます。対峙する“ゆりか”も思わず気負う所を「ヒーロー」の例え話で
支える“孝太郎”が精神面で大きく成長していると感じさせます。“早苗”のお手柄です。

総力戦で臨むため乗り込んだフォルサリア魔法王国で見かけた「アレ」。一○六号室に端を
発する、と思っていた騒動の数々が根本的には「あの事件」が元だと知った“孝太郎”の
心中がこれまた重い。それを支えようとする女性陣の団結力がこの物語で最大の特徴です。

覚悟を決めた“クリムゾン”と“真希”の姿、“ナナ”から告げられる“ゆりか”の真実
といった描写にもご注目。「たった一つのささやかな奇跡」を起こすためにこれまでの道
を辿ってきたということ、そして約束の時とは何か。まだまだ気になる点があるようです。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年06月07日

『イケニエハッピートリガーII』

未味なり太 先生が贈るデビュー作。2巻目は“エル”との約束の意味を知った“ユタカ”
の前に“カミサマ”が現れ最後通牒を突きつける中、彼ら彼女らが選ぶ道の先を描きます。
(イラスト:らいか 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1304


“リタ”や“アガサ”が“エル”の死を望んでいたことを知って味わう絶望。分かり合え
そうで分かり合えない“カレン”から向けられる拒絶。それでも“エル”のことを、いや
皆が幸せになる道を模索すべく“ユタカ”があら捜しを始め、ある光明を見い出します。

そして語られる“カミサマ”の事情。「異世界から来た」という“ユタカ”の存在を活用
した“エル”を救うための努力、過程と共にどこまでも「幸せ」を願った“エル”の一途
でいじらしい様子には心を打つものがあります。“カミサマ”と向き合うその姿も同様に。

「悪いことの後には、良いことが待っている」と笑顔で未来の到来を宣言する“エル”や
“ユタカ”たちが幸せになるだけでなく、“カミサマ”にもその手を差し伸べる締め括り
はとても爽やかな読了感を味わうことができました。良い話が読めて幸せであります。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年06月06日

『ライフアライヴ!4 キミと続ける学園総選挙』

あさのハジメ 先生が贈る劇場型青春ラブコメディ。第4巻は“北斗”たちの秘密を知った
“ルナ”からの脅迫に彼はどう反応するか。選挙の行方も決まりクライマックスを迎えます。
(イラスト:ゆーげん 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1327


怪我の功名と言いますか、かえって“北斗”の「好きだ」という気持ちを固めてしまった
だけに過ぎないかもしれない、“ルナ”が持つ好意ゆえの行為。まだその高さに至らない
“愛梨”にとってみればその妙な決意の表れは不安に映るようで。何とも面倒なものです。

“千夏”が抱く想いの強さを改めて示された上で、更に強い“北斗”の想いをもってそれ
をはじき返されるという不憫さは選挙戦にも大きく影響を及ぼすほどで居たたまれない。
けれど“北斗”が自身の納得がいく選択肢を選んだことの証左でもあるので評価したい所。

それにしてもデレた“愛梨”の何と可愛らしいことか。見開きイラストの使い所はとても
印象的で良かったです。新しい季節を迎えるにあたって彼と彼女の2人の笑顔が見られた
のも喜ばしい限り。ということで完結を祝うと共に、次回作にも期待したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル