2015年04月10日

『リーングラードの学び舎より1』

いえこけい 先生の「第1回オーバーラップ文庫 WEB小説大賞・大賞」受賞作。義務教育を
試験的に始めたある王国を舞台に贈る異世界ファンタジー教師物語を読ませて頂きました。
(イラスト:天之有 先生)

http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865540178


リーングラード学園で教壇に立つことになった“ヨシュアン”。彼に師事するのを認めない
“クリスティーナ”。彼女によく突っかかる“マッフル”。マイペースすぎる“リリーナ”
と“エリエス”。落ちこぼれ気味の“セロ”。クラスの担任も生徒たちもクセが強いです。

どこか教師らしくない“ヨシュアン”が人に物を教える立場としての意識をいつの間にか
高めていくと同時に、生徒たちもそれに影響を受ける形で徐々に成長の兆しを見せていく。
その象徴とも言える“クリスティーナ”が魅せたラストの場面は感慨深く印象に残ります。

ただ、やはり「新作の第1巻が400ページを超えてくる」というのはそれなりにハードルを
自ら上げてしまっているのでは、と正直思いました。バトルも“ヨシュアン”が少々独特な
立ち回りを見せるので一癖あります。まずは成長モノが読みたい方に推奨、ということで。

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2015年04月09日

『異世界魔法は遅れてる!(4)』

樋辻臥命 先生が贈る異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界召喚ファンタジー。ドラマCD
と同時刊行となる第4巻は“リリアナ”の行方を追う“水明”たちが真犯人を突き止めます。
(イラスト:himesuz 先生)

http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865540390


“フェルメニア”だけではなく“黎二”たちとも再会を果たした“水明”。すでに各地で
色々なことをしでかしてきたにも関わらず現在の勇者たちを前にしては「非力な一般人」
を演じ続けられている“水明”の姿が滑稽でもあり、狡猾でもあり。面白いものです。

帝国で発生した騒動の犯人として“リリアナ”を挙げる状況証拠の数々。それをものとも
せずに彼女を匿い、真相に迫っていく“水明”の裏方的な活躍ぶりは爽快感を味わわせて
くれます。現実が世知辛いだけに、こうして報われる話というのは実に良いものですね。

“黎二”や“瑞樹”にはバレない中でまた一人、“水明”が魔術師であると気付いた増え
ました。どんどん外堀は埋まっていく感じ、良いと思います。あとは“レフィール”が
元の姿にようやく戻ってくれたのも嬉しいです。心より活躍を祈念したいと思います。

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2015年04月08日

『魔法剣士のエクストラ4』

若桜拓海 先生が贈る育成&バトルファンタジー。第4巻は“アンネッタ”の加入により
「大魔決戦祭」予選に出場する資格を得た「新星魔導騎士団」の活躍と葛藤を描きます。
(イラスト/橘由宇 先生)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/593.html


より一層の強さを感じさせる「新星魔導騎士団」の様子をあっさりと一蹴する“零人”の
力量が相変わらずの規格外。予選会を前にした完全休息で各人の「らしさ」を窺わせる
描写を挟んでくるあたりに嵐の前の静けさを感じさせます。ぬこは実に良いものです。

そして迎えた予選会では、大胆な爆破予告とそれを実行に移す非道の犯人を突き止める為
“零人”が調査に乗り出します。その間に無名の「新星魔導騎士団」が躍進を続けていく
ワケですがそう上手くはいかない。“イルマ”が準決勝にて足を引っ張る形で辛勝します。

「立ちはだかる壁を前に、どうやってその向こう側へ辿り着くか」“イルマ”が導くその
答え、“零人”が導いたその答えが今巻の話を動かす重要な鍵となります。それにしても
とばっちりを受け続ける“零人”に安息の日々は訪れるのか、次巻の動向を注視します。

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2015年04月07日

『黒き英雄の一撃無双<ワンターンキル!> 5.淫獄の宴』

望公太 先生のネオ・ヒロイック・バトルエンタメ。第5巻は“一王”をリーダとする新部隊
による魔界遠征で、力ある者としての“悠理”の存在をいま一度見つめ直すことになります。
(イラスト/夕薙 先生)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/592.html


“セリア”が“悠理”のことをどう思っているのか。“雪羽”たちを前に改めて示された
その気持ちが彼の生き様のむなしさをあらわにします。奇しくも“一王”が彼と改めて
対峙する過程で気付き、それを直接指摘するに至るのと同じように。いやはや、手厳しい。

魔界の三大魔女によって形成された三大派閥。それらにより拮抗してた関係も“ルーシア”
が抜けるなどの不測の事態により瓦解。かつて知り合った“マルタ”が支える「大淫婦派」
の窮地を見て“悠理”がどんな道を選ぶのか、というのが物語の焦点の1つとなります。

そしてもう一つ。魔界遠征という作戦行動を共にする間に母親の手掛かりを見つけ出そう
とする“雪羽”が思いも寄らぬ角度から真実に辿り着いていると思われる流れが気になり
すぎます。そんな中でもラッキースケベを忘れない“悠理”が追いつけるのか、注目です。

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2015年04月06日

『戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉』

「HJ文庫」に満を持しての登場となる SOW 先生が贈る新作は、かつての戦争で「白銀の狼」
と呼ばれた英雄が営むパン屋にウェイトレス志望の美少女が訪れる所から始まる物語です。
(イラスト/ザザ 先生)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/596.html


まず言うと凄く読みやすい。そして面白い。ヒロインである“スヴェン”の抱えている事情
が事情なだけに、彼女の立ち居振る舞いに惹きこまれるのは“ルート”でなくとも必定。
ただ一途なだけではなく、爆発力のある彼女の機微が物語に華と滾る熱さをもたらします。

また、戦争で傷つけた人々に対する贖罪とも言える形でパン屋になることを選んだ“ルート”
の純真さにも注目していただきたい。顔は強面なんですけど。おいしいパンを作って多くの
人に食べてもらい、幸せになってほしいという気持ち。そのひたむきさに惚れ惚れします。

笑いあり、涙あり。日常あり、非日常あり。バトルも魅せてくれますし、300ページもない
中でここまで読み応えのある作品はそうそうないかと。シリーズ化しても良いのではないか
と思う読了感ですが「HJ文庫」編集部の判断や如何に? ということで一つ、よしなに。

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2015年04月05日

『パパのいうことを聞きなさい!18』

松智洋 先生が贈るドタバタアットホームラブコメ、「なかじまゆか画集」と同時刊行と
なる最終巻は“祐太”と“空”が5年の歳月をかけて感動のフィナーレへと向かいます。
(イラスト:なかじまゆか 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-630807-6


電車の中で読んでいましたけど、松 先生が泣かせにきてるのが伝わってくるかのようで
ホント最後にかけて涙うるうるしてヤバかったです。先日の「コミケットスペシャル6」
にて「2人の披露宴に読者も一緒に立ち会ってほしい」と言っていたのも得心でした。

娘同然で一緒の時間を過ごしてきたのに、そんなすぐに一人の女性として見るのには躊躇
せざるを得ないのが“祐太”の心情。“美羽”をはじめとする理解ある周囲の面々が彼を
如何にして炊きつけていくか、というのが焦点です。これはそうならざるを得ない展開。

披露宴に集まった人たちを見れば“祐太”の人望やどれだけの女性に好意を寄せられて
いたのかが改めて見てとれます。なかじまゆか 先生の見開きイラストも圧巻の一言です。
見事な大団円で実に良い話を読ませて頂きました。完結を心よりお祝い申し上げます。

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2015年04月04日

『バカとテストと召喚獣12.5』

井上堅二 先生が贈る愛すべきバカたちの饗宴、物語の有終の美を飾る最後の短編集第6弾。
クリスマス、スカートめくり、卒業式、そして初期設定の裏話とバカ騒ぎは止まりません。
(イラスト:葉賀ユイ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02


「放課後座談会」は“明久”を始めとするF組の面々の初期設定をトーク形式で赤裸々に
後悔もとい公開するという企画モノ。今からすると考えられないような設定のキャラもいて
何とも珍しいものを見せてもらった感じがします。オチとなる“美波”のは衝撃的でした。

「僕と聖夜と渦巻く陰謀」では何が足りないのか不明な導入でしたが読めば納得。各々の
キャラが存分に活かされた聖夜のイベント模様でした。「僕と同志とスカートめくり」では
何と言いますか、こう、尻に敷かれた感が方々に見られたように思います。女性陣、強し。

「私と卒業式と贈る言葉」そしてラストの締め括りは“明久”と“雄二”らしさが出ていて
良かったと思います。1年以上ぶりに読んでも、これぞ「バカテス」! と感じられました。
無事の完結をお祝い申し上げると共に、次回作はどんなものが飛び出すか注目したい所です。

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2015年04月03日

『特装版 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!5』

築地俊彦 先生が贈る公式ノベライズ。第5巻は最北端、幌筵泊地にて敵を駆逐する任に
就いた“陽炎”たちが出会った潜水艦“まるゆ”の危機を救うべく極寒の海へ出撃します。
(イラスト:NOCO 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_08


羅針盤に嫌われてしまい攻略できないキス島沖、通称「さんにー」を駆逐艦を優先した編成
にすれば突破できるのではないか、というのが話の発端。第十四駆逐隊にふりかかる最大級
とも言える危機にハラハラさせられます。ただし“曙”だけそれを免れてしまうのですが。

絶望の淵に追いやられる“曙”を奮い立たせるのは前巻でも登場した“霞”たち駆逐艦娘。
各鎮守府から特別に派遣されてきた彼女たちが一致団結して魅せる駆逐艦魂が実に熱い。
“阿武隈”や“木曾”も“陽炎”が抱いた悪い印象を払拭するのに十分な働きを見せます。

今回は“曙”の成長が特にピックアップされていますが「第十四駆逐隊」の面々が総じて
評価が上がっていると感じられる場面が多々差し込まれています。残り2巻で彼女たちの
別離を予感させる流れをどう扱っていくのか。続きに大いに期待しておきたいと思います。


同梱の「ぷれみあむ小冊子」には以下のコンテンツを収録。小路あゆむ 先生の4コマ漫画
が初登場。本編の流れを汲んだネタの振り方で好感が持てます。ギャラリーも ぎん太 先生
や 伍長 先生、三月 先生、児玉酉 先生のイラストは俺得感がハンパ無くて眼福であります。

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  ◆陽炎、抜錨します! ぷれみあむアンソロジーコミック

    ◇「陽炎vs曙!? 弱いのはどっち?」
       (漫画:NOCO 原案協力:築地俊彦 協力:「艦これ」運営鎮守府)
    ◇「第十四駆逐隊、抜錨します!」(BLADE)
    ◇「陽炎、がんばります!」(桃井涼太)
    ◇「艦これプレイ漫画 出張版」(水本正)
    ◇「陽炎、抜錨 4コマ劇場」(小路あゆむ)

  ◆ゲストイラストレーター メモリアルギャラリー

    ◇ ぎん太 (1巻 第五章より)
    ◇ 伍長 (2巻 第一章より)
    ◇ Artumph (2巻 第五章より)
    ◇ 三月 (3巻 第一章より)
    ◇ 皆川史生 (3巻 第二章より)
    ◇ 児玉酉 (4巻 第五章より)
    ◇ エンチ (4巻 第五章より)

                              (以上、敬称略)
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2015年04月02日

『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件7』

野村美月 先生が贈るファンタジー家庭教師コメディ。第7巻は姿を現した“グリンダ”に
よって二千年前の過去に飛ばされた“シャール”が全ての真相と新たな決意を目にします。
(イラスト:karory 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_04


この世界のことが何でも見通せること、そして双子の片割れであること。“グリンダ”の
心の虚無は、自分を廃業した行動原理はそこから始まっていたのか、ということがようやく
分かりました。だいぶ病んでますな。“シザエル”も色々と知っていて人が悪いというか。

“シャール”が“グリンダ”ではない、と決定的にバレた後の反応もそれぞれ面白かった。
特に“アニス”は色々と晒していた分もあって。王妃についてもようやく納得がいく設定が
明らかになりました。和名なのも得心です。“ティナ”の詳細はもう少し突っ込んでもOK。

10歳になる“聖羅”には苦渋の選択を迫られることになりました。けれど未来の一端をも
知った“シャール”に後押しされる形で先に続く人生を歩む彼女に幸あらんことを、切に。
グランドフィナーレを迎える最終第8巻で輝かしい結果が導かれていることを願います。

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2015年04月01日

『ゲーマーズ! 雨野景太と青春コンティニュー』

葵せきな 先生が贈る新作はゲーム好きな高校生たちがすれ違い、錯綜する青春ラブコメ。
学園一の美少女から「ゲーム部」へ誘われたモブキャラぼっち少年がとる選択肢や如何に。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321412000081


ゲームが好き、といっても人それぞれ。やり込む人もいればヌルくプレイしたい人もいる。
前者の一角を担うのが“花憐”で、後者が“景太”。彼女に誘われるまま「ゲーム部」の
面々と顔を合わせた結果、彼に僅かではあるがけれど拭えない違和感が芽生えていき──。

ということで、好き嫌いのベクトルが本当にままならない方向へそれぞれが向きっぱなしの
青春模様を描いていきます。全体を俯瞰できている“祐”でさえもその面倒臭い人間関係に
巻き込まれていきますし、彼の「彼女」である“亜玖璃”も予想外の苦労を背負います。

“景太”の主張に共感できるところもあり、彼に気を取られるあまり残念美人ぶりを発揮
してしまう“花憐”には泣いてもらうしかないかな、と思ったり。見ていて微笑ましくも
ありますし。仙人掌 先生のイラストも相まって好感触な本作の次巻に期待したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル