2015年02月28日

『鮮血のエルフ』

藤原祐 先生が贈る新作はダークファンタジー。人間の姉弟とエルフの兄妹、種族は違えど
仲睦まじい4人が世界情勢の変化に巻き込まれ剣を向け合う関係となる悲愛の物語です。
(イラスト/kona 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869165-9/


十六の氏族と選ばれた長により統率されるエルフの国。王子である“シルジス”、姫である
“エリス”は辺境にある人間の村に住む“ウルハ”と“イミナ”に会いに来ては剣の練習に
勤しんだり一緒に食事をしたり、そして恋心を抱いたりと実に幸せそうな雰囲気ですが──。

しばらくご無沙汰になったかと思えば突然現れて“イミナ”との決闘を望む“シルジス”。
そこから全ての歯車が狂い始めていき、まさに鮮血の雨を降らすかの如き所業の数々とその
描写たるや 藤原 先生の本領発揮と言わざるを得ません。“イミナ”が不憫すぎます。

悲しみの果てに剣を取る覚悟を決めた“イミナ”。彼に同行する決意を固めた“エリス”。
kona 先生が描く彼女の可愛らしさにも容赦なく影をちらつかせる非情な設定がこれまた
衝撃的で続きに期待しないワケがない。彼の悲願は達成できるのか注目しておきたいです。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月27日

『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜』

「MF文庫J」が満を持して世に送り出す超豪華メカライトノベルシリーズ。筆を取るのは
東龍乃助 先生。謎の生命体に襲撃された未来の地球で空想を現実のものとした物語です。
(イラスト/メカデザイン:みことあけみ 先生 メカデザイン:汐山このむ 先生
  ロボ作劇/メカデザイン:貞松龍壱 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1248
http://eirunlastcode.com/


ライトノベルにおいてロボットものが流行しない理由の1つとしてメカメカしい描写、特に
アクションシーンの熱気や格好良さが読み手に伝わりにくい点にあるかと思います。それを
連続挿絵化、つまりショートコミックで補う試みは興味深いアプローチだとまず感じました。

地球に生きるもの全ての敵となる「マリス」に対抗できる唯一の巨大兵器「デストブルム」。
そのパイロットまた唯一無二であること、更に彼女“セレン”が戦いたくないと逃亡する
ほどに摩耗した絶望感が漂う中で謎の戦闘機がその窮地を救ったりするからまず熱いです。

「その日アニメが、現実になる。」実に良いコピーです。戦闘機のパイロット“バザット”
の置かれた現状と、その結果として自身の存在意義を見失いかける心情を想起させるに足る
ものがあります。何もかもがイレギュラーな彼、彼が救った彼女の進む未来に注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月26日

『不戦無敵の影殺師(ヴァージン・ナイフ)4』

森田季節 先生が贈る異能力者の光と闇を描くリアル・アクション。第4巻は異能力者に
敵愾心を抱く「無能力者」がユニットを組んで“朱雀”たちの存在を脅かしてきます。
(イラスト:にぃと 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094515374


地方巡業先で温泉へ一緒に入ったりなどと、より心の繋がりが深くなっていることを感じ
させる“朱雀”と“小手毬”。今回は“小手毬”の過去が深く関わってくる物語です。
彼は彼女がいないと存在意義すら失うくらいの立ち位置に居るのがよく分かります。

「無能力者ガールズ」と言いながら人間なのに異能力らしい力を見せるアイドル集団に
仲間の異能力者たちが営業活動を阻害されていく過程で、いつの間にか悪者扱いされる
“朱雀”の切なさたるや。帯にもありますがまさにそう叫びたくもなると言うものです。

異能力と科学力、どちらが上かという問いかけの背景にある煌霊遣い、そして煌霊の宿命
とも言える根幹を揺るがす事態にまたも心揺れる“朱雀”。しかもプロローグの内容が
思わぬ形で“朱雀”の身に去来しましたけど、ホントこれどう続けるのか気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月25日

『艦隊これくしょん ─艦これ─ 鶴翼の絆4』

内田弘樹 先生が贈る、“瑞鶴”視点で「艦これ」の世界を描く本格戦記小説。第4巻は
2014年夏イベント「AL/MI作戦」を背景に各々の戦地で奮戦する艦娘たちを描きます。
(原作・監修:「艦これ」運営鎮守府 イラスト:魔太郎 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321407000083


「AL作戦」では“龍驤”らが踏ん張り、「MI作戦」では“蒼龍”に託された策や“浜風”
から提案された「レーダーピケット艦戦術」の要となる“舞風”の頑張りなどによって
勝利は目前・・・かと思いきや深海棲艦がそれを許すこともなく、規格外な「レ級」が登場。

更には“蒼龍”と“飛龍”のわだかまりが解けた余韻に浸る間もなく呉鎮守府、本土決戦
に狙いを定めての侵攻。“大和”らが本調子でない中で“提督”が歯噛みしながら立てた
作戦で一縷の望みが見えてきた・・・かと思えば窮地の連続で最悪の事態も覚悟する展開に。

どうすれば勝てるのか、という状況下で覚悟を決めた“飛龍”。その頑張りに応えるべく
ビッグ7の実力を見せつけた“長門”。そして“瑞鶴”の後押し。全ての力を振り絞り、
紙一重の運の良さで締め括る結末はまさに圧巻。また素晴らしい話が読めて幸せです。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月24日

『冴えない彼女の育てかた Girls Side』

TVアニメが絶賛放送中となる、丸戸史明 先生のメインヒロイン育成コメディ。“英梨々”
と“詩羽”の出会いを描く小編と7巻の裏側に触れる大事な挿話を収録した一冊です。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321412000063


第二部(8巻)を早く! と、ついつい言いたくなるこれまた良い話を上梓してきますね
丸戸 先生は。「冴えない竜虎の相見えかた」は互いに敬意を抱きつつも、第一印象が最悪
なだけについつい衝突してしまう2人の心情にも触れられていてらしさが感じられます。

書き下ろしの「そして竜虎は神に挑まん」では口絵、挿絵も含めて満を持しての登場と
なる“紅坂朱音”のメディアミックス成功に掛ける執念を目の当たりにしました。これは
“英梨々”と“詩羽”、一人ずつでは対抗できないと彼女らに思わせるのもうなずけます。

才能を買われつつも下目に見られていた“英梨々”。“詩羽”が下に見られていた点も
衝撃的でしたが、口絵にもあるようにそれをバネに格段にレベルを上げた“英梨々”の
凄さと打たれ弱い面を存分に味わえた内容でした。エピローグの不遇さもまた(苦笑)。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月23日

『放浪勇者は金貨と踊る』

むらさきゆきや 先生が「ファンタジア文庫」から贈る新作は、魔王を倒した勇者が剣より
金が全てとなった平和な世の中で悪知恵を働かせて活躍するファンタジー世界の英雄譚です。
(イラスト:藤ちょこ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321412000064


作家さんによってテキストの合う/合わない、というのはままあると認識しておりまして、
先生の場合は自分にとって「合う」と思うにしてもこれは面白い。藤ちょこ 先生の美麗な
イラストがまた世界観に合っていて、文句なしにオススメできるシリーズが出てきました。

身分をひた隠し、放浪の旅を続けて日銭にも事欠く勇者。城塞都市から商業都市となった
街に立ち寄って詐欺に遭う亜人の少女“ユニス”を見かけ、“ヨル”と偽名を名乗り報酬
目当てで手助けしてからのっぴきならない街の事情に巻き込まれていく展開がまず面白い。

アホの子だなぁ、と最初は思った“ユニス”も人柄に触れて可愛いと思うようになるし、
ちょっと世間ズレした“レイチェル”の振る舞いも見ていて微笑ましいです。そんな中で
ラストに見せた“ヨル”周辺の重めな事情が気になるので続きを待ち望むことにします。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月22日

『クロスワールド・スクランブル3』

雪川轍 先生が贈る、女の子な少年が活躍する魔法世界の物語。第3巻はメイド姿に馴染む
“六天”が守られるより守りたい意識を強くする中、街を強襲する最大級の敵が現れます。
(イラスト:エイチ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797381221.html


第四天魔王“迦楼羅大天”。とある目的をもって現れたその相手に屈辱の負け方と挫折を
味わわされた“六天”。しかもかばった“鈴鹿”が反転させられる、という異例の事態に
流石の“学園長”にも何かしらの対応の変化が・・・特に無く“六天”いじめに余念が無い。

そんな心意気にある種「天晴れ!」と思いつつ、考えの凝り固まった“六天”をしっかり
説き伏せて振る舞いを改めさせるあたりは弟子思いを感じさせます。その期待に応える
“六天”が遂に真の姿を取り戻して“迦楼羅大天”と対峙する場面は見せ場の一つです。

そしてどんな強敵であれ妖艶に誘惑する“六天”がまた実に良い。敵となった“鈴鹿”と
“巴”の激戦とその後始末も彼女たちらしいと感じるものがありました。“六天”を巡って
トラブルはまだ続くだろうな、と思わせつつ完結ということで 雪川 先生お疲れ様でした。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月21日

『未来/珈琲 彼女の恋。2』

千歳綾 先生が贈る ハートウォーミング Time-Travel ラブコメディ。第2巻は送り返した
はずの“鈴音”が「“雪音”が過去に飛んだ」と告げに戻ってきて“遼太郎”が困惑します。
(イラスト:アマガイタロー 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797381344.html


ということで“時音”登場。“遼太郎”や“阿梨亜”に懐いていない様子を見せる彼女は
改変した未来における2人の子で三女。その幼き子が持つ特殊能力ゆえに性格にやや難が
あるのですが、その点を“遼太郎”がどう教え込むのか、という所が見どころの一つ。

更に、“雪音”が過去へ飛んだ先は“遼太郎”が今の自分を形成するに至る大きな出来事
の前触れの日。父の幸せを願う“雪音”が仕掛けた過去改変の可能性が別の家族の幸せを
奪う可能性を伴うと気づいたとき、彼らが選ぶ選択肢とは、というのもポイントの一つ。

ネタバレのオンパレードになるので詳しく書けませんが、家族の幸せとは何かを考えさせ
ながら家族愛あふれる物語を読ませていただいた感があります。“阿梨亜”の懐の深さに
胸がキュンとしますね。アマガイタロー 先生の絵が今回も素敵で、続きも楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月20日

『天使の3P(スリーピース)!×5』

蒼山サグ 先生が贈るロリ&ポップ・シンフォニー。第5巻はバンドコンテストに乗り気な
“潤”たち“霧夢”たちを後押しする“響”と“桜花”がぎくしゃくする様子を描きます。
(イラスト/てぃんくる 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869257-1/


「キッズミュージックバトルフェス」への応募に向けて“霧夢”たちもバンド名を決めたり
と勢いづく中、学園祭クラス展示委員を押し付けられた“響”。フェスの準備が順調なのに
対し協力者も無く進まない展示の進捗。“桜花”との関係も改善が見られず頭を悩ませます。

そこにふと沸いた「演劇部のステージ用楽曲提供」を交換条件とする“石動”“水野”との
交渉で懸念点も払拭できそう・・・と何とも羨ましい流れ。とは言え“桜花”の態度は頑なで、
だからこそ鎌をかけられておちょくられたりする様子は何とも愛らしく、微笑ましいです。

ブラコン全開な“くるみ”、フェスに向けて頑張る“潤”や“霧夢”らを余所に“柚葉”が
さりげなく“響”との距離を縮めるイベントを順調にこなしてきているのが油断がならない
ところで興味深いです。切磋琢磨する両バンドがフェスでどこまで活躍するか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月19日

『ゼロから始める魔法の書III ―アクディオスの聖女〈下〉―』

虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第3巻は聖女の秘密を知り、聖都を追われた
“ゼロ”たちが魔法の残滓を拭うべく新たな協力者と手を結び、再び聖都に臨みます。
(イラスト/しずまよしのり 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869256-4/


聖女“フェーリア”暗殺を企てる盗賊集団、その拠点「ロータス砦」に身を寄せる“ゼロ”
たちは彼らの事情を知るが故に共闘を申し出ます。頭領である鷹の獣堕ち“カル”がまた
カッコイイ。重傷を負った神父とも何とか協力体制を約束して反撃の下地は整いました。

“フェーリア”が本当に何も知らなくて怒りを覚える場面もありました。“テオ”の決意
すら理解できなかったのは何とも嘆かわしい。それもこれも彼女を唆した黒幕が悪いワケ
でありますけど。この世界における魔法の扱いが如何に難しいかを感じさせてくれます。

“ゼロ”が生み出した魔法による騒動の当事者となってしまった“傭兵”が、そのことを
正しく認識して、正しく怒りをぶつけた場面が特に印象的。“ゼロ”が最後に伝えた死者
の想いが切なさを誘います。それにしても神父の言動は紛らわしい事この上ない(苦笑)。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月18日

『ストライク・ザ・ブラッド12 咎神の騎士』

三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。第12巻は神縄湖を舞台に“凪沙”
救助に向かう獅子王機関の攻魔師たちと負傷した“古城”らが今回の騒動の発端に触れます。
(イラスト/マニャ子 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869254-0/


“唯里”の「夫婦か!」に至るまでのくだりがとても好き。同僚の“志緒”とのやりとり、
“古城”に対する認識の変化なども読んでいて好感が持てるキャラクター。そんな彼女に
突如現れて馴染んだ少女“グレンダ”が今回の顛末において鍵を握る人物となります。

今回の騒動に対して“緋紗乃”や“牙城”が色々と思い違いをしていたのではないか──
と見せかけて本来の目的を果たしていく大人たちのやり口がまたしたたか。真なる敵との
対峙に理不尽さへの怒りをぶつける“古城”と“雪菜”の言動が爽快感を生みます。

“浅葱”はカラーもモノクロも挿絵指定が入るし、“凪沙”はセクハラチックなことするし
“古城”のラッキースケベぶりは止まらないし、でそういった面でも大満足な内容でした。
「カインの巫女」なる存在が一人歩きする状況下で彼らにどう影響していくのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月17日

『はたらく魔王さま!12』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー。第12巻は母を容赦なく拒絶する
“エミリア”の親子喧嘩に巻き込まれた“真奥”が考え抜いた先に決意の姿勢を見せます。
(イラスト/029 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869252-6/


“恵美”が遂にキレてくれた。“真奥”ですら引くほどに。爽快とも言って良いでしょう。
そこでまた1つ悲しみを背負ってしまいましたけど。“千穂”のフォローがまた的確で彼女
が居なかったら最悪の事態も覚悟が要るでしょう。それだけ“ライラ”は何も分かってない。

「力ある者は世の危機に動くべきものか」実に考えさせられるテーマに“真奥”が今の立場
を踏まえて至極正論で“ライラ”たちを打ち負かしたのがまた清々しい。あの熱弁を聞けば
“恵美”だってエラーを起こすってもので。今巻の彼女は相当ヘタレていて可愛いですね。

「マグロナルド」では“恵美”が研修を抜け、デリバリーのサービスも開始。何やら新たな
バイト応募の予感も感じさせるのが気になります。大家さん側も少しずつ事情が見えてきて
どんだけ関与してんだ、と思いつつ寝苦しそうにうめいている方の回復を待ちたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月16日

『六秒間の永遠』

特殊能力を持つ男が警察官となる道を選らんだある日、雀荘でバカ勝ちする少女と出会う。
杉井光 先生が贈る新作は謎多き彼女の秘密に迫る男の切なさ溢れる恋愛ミステリーです。
(イラスト:清原紘 先生)

http://www.gentosha.co.jp/book/b8544.html


火がつけられる。“紅藤”少年は自覚したその能力で過去に父親を焼死させたこともある。
次第に周囲と距離を置くようになった彼を警察官から刑事に異動させた優男“氷室”から
異能に言及された上で尋ねられる。「どうして警察官なんかになったんだ?」と──。

高校時代、唯一の友達であった“中嶋”との出会いと別れ。そして警邏中に出会った少女
“ミツキ”との出会いが思わぬ形で繋がっていく終盤。父親や継父を失い、殺人事件の
関係者となった彼女が“紅藤”との同類ぶりが明らかになる点は確かにミステリーな展開。

その異能ゆえに人間不信気味な“ミツキ”の心を意外なアプローチから解きほぐし、少し
ずつ心の距離感を縮めていくところであのラスト。「刑事に向いているのかもしれない」
と“氷室”から告げられた言葉が“紅藤”の今を表しているかのようで実に切ないです。

posted by 秋野ソラ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月15日

『黒崎麻由の瞳に映る美しい世界』

久遠侑 先生の「第16回えんため大賞・優秀賞」受賞作。黒髪が映えて近寄り難い少女と、
彼女へ文化祭の準備を機に声を掛けた少年が織り成すドラマティックな青春物語です。
(イラスト:はねこと 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02


普段の様子からまったくと言うほど表情が読めない“黒崎”と会話した結果、驚くくらい
指示待ち人間だと分かった“黒井”。少しずつ感情が見え始めた彼女に都市伝説のような
噂、高校周辺を夜間現れる髪の長い女性の影がちらついてクラスからの疑念は尽きず──。

街の噂や謎の真相を追ってはその経緯をWebに公開する“山田”の無謀な行動が怪我の功名
となって不審者騒動は一旦収まるものの、髪の長い女性の噂は消えないため最終的には
その謎に迫っていくことになります。“黒崎”との心の距離感を縮めていく過程と共に。

文化祭でお化け役がハマリ役になるような彼女ですが、どこまでも純朴で優しい彼女の
人柄に触れて無意識のうちに好きになっていく“黒崎”の機微がまさに青春の1ページ。
彼女のことを守ると宣言する彼の姿にその想いの強さが表れていて良かったと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月14日

『ハイスクール・ローレライ 運命のひと耳惚れ』

志田用太朗 先生の「第16回えんため大賞・優秀賞」受賞作。人一倍、聴覚に優れた少年が
高校デビューと同時に美貌ではなく美声に「ひと耳惚れ」するスクールコメディです。
(イラスト:三月 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


中学時代、耳が良すぎることで不遇な時代を過ごしてきたと感じている“音好”。素敵な
青春時代を過ごすと決めて早速出会った「美声の君」とお近づきになるため「朗読部」へ
入部することを決めた彼に意中の人の思いも寄らぬ真相が待ち構えていたのだった──。

ということで、順調とは言えない滑り出しを見せる“音好”の高校生活。新入部員獲得が
同好会格下げの回避策である「朗読部」の危機において狙いをつけた“二宮”にも嫌われ
打つ手なし・・・かと思いきや、自分の能力を活かし、機転を利かせて解決へと導きます。

いつの間にやら周囲の人間が抱えるトラブルを解決する立場となった“音好”。その過程
も興味深いですが、自分の力だけでなく皆の力も借りてそれを成し遂げるのだと気づいた
時に感じた過去との対比がポイントとも言えるかと思います。次巻の刊行に期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月13日

『パナティーア異譚5 双界のハピネス』

竹岡葉月 先生が贈る異世界英雄リバースファンタジー。第5巻は“バティーヤ”の魔術で
元の世界に強制送還された“理人”が“イシュアン”の手をもう一度取るため奮闘します。
(イラスト:屡那 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06


異世界に心残りのあるまま過ごした6年間を思い出させる学生生活。すぐに戻りたいと
願いつつも手立てが無く焦る“理人”。その気持ちを抑えてくれる人物との出会いがいま
自分が置かれている状況を思い出させる展開には驚かされました。そういうことか、と。

“イシュアン”たちとの再会を果たした“理人”。異世界を揺るがすほどの力をつけた
“響子”への対抗策を示された彼に究極の選択肢が突きつけられます。異世界に残るか、
元の世界に帰るのか。・・・もちろん、どちらを選ぶかはここまで来れば決まったも同然。

「今度は間に合った」そう口にする“理人”の笑顔が実に印象的で、決意の固さをも示す
かのようでした。その気持ちを後押しする“ウルスラ”の言動が最後まで“理人”を困惑
させる結び方も良かったです。完結を心よりお祝いしつつ、次回作にも期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月12日

『魔装学園H×H4』

久慈マサムネ 先生が贈るハイブリッド・バトルがドラマCD化に続きコミック化企画進行中
と絶好調ぶり見せつつ、今巻は母の思惑に翻弄される“傷無”が苦渋の決断を迫られます。
(イラスト:Hisasi 先生 メカデザイン:黒銀 先生)

http://www.sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321408000199


“傷無”たちと相対するように見えてまだ隠し事がありそうな“那由多”。それを怪しむ
“ゼルシオーネ”は「テロス」が持つ精神支配の能力をもって饗艶に耽り、“グラベル”
を快楽漬けにして堕とそうとするのですが・・・これだけで挿絵も含めてエロス溢れてます。

戦力補強が急務と言えどコアをインストールすることで背負わせる宿命が重くのしかかる。
苦悩する“傷無”と彼に応えたい“シルヴィア”とのすれ違いで一時はどうなるのかと
思いましたが、その後の「そうなっちゃったの!」と言わんばかりの至りぶりに驚愕。

今回も過激なシーンの連続で、ついそちらに目が行きがちですけど“愛音”が抱える悩み
や彼女自身が抱えていた秘密も明らかになって物語としても大きな動きが見られた内容で
あったかと思います。・・・“愛音”もあんな目に遭ってますが。続きにも大いに注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月11日

『艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空』

新たな「艦これ」ノベライズを担当する むらさきゆきや 先生が描くのはラブストーリー。
深海棲艦の攻撃から救ってくれた艦娘と運命の出会いを果たす青年提督の機微を描きます。
(協力:「艦これ」運営鎮守府 イラスト:有河サトル 先生)

http://www.sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321410000133


祥鳳型二番艦、軽空母の艦娘“瑞鳳”をヒロインにあてたラブコメに挑むという意欲作。
結論から言えばとても読みやすく、有河サトル 先生が描く艦娘はどれも可愛いという他に
なく、「艦これ」の世界観でしっかりとラブコメに仕上げてきていて好感触の一冊です。

深海棲艦を倒せると意気込んで鎮守府に向かった“提督”が大遅刻をかまして自分自身に
罰則を科す。その過程で艦娘たちと良好な関係を築き始めていくところから火力と装甲で
殴りあう“長門”と艦載機好きの“瑞鳳”との演習へと繋がる過程がまず面白いです。

それと対比するかのように、“加賀”の目の前で秘書艦に名乗りを上げる“大淀”が抱える
気持ちを知った“提督”に迫られる二択の重さの描写には緊張感を味わわせてもらいました。
“加賀”の助言「必要以上に近付かないで」が間に合わなかったその先が気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月10日

『殺したがりの天使ちゃんは黒木君の夢を見る。』

『マカロン大好きな女の子がどうにかこうにか千年生き続けるお話。』の からて 先生が
贈る新作は、胸を触られた少年に婚約を迫る天使が織り成す不思議な青春ストーリーです。
(イラスト:わんにゃんぷー 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1266


胸を触ったどころではなく、しっかりと揉んでしまった“勇人”はその相手“天使ちゃん”
との婚約が天界のルールとして成立。解除するには「自分に好意を持つ女の子の胸を揉む」
しかないのだが、悪人顔で周囲に恐れられている彼には絶望的としか言いようがなく──。

出会いはアレにしろ、すっかり“勇人”のことを好きになった“天使”が事あるごとに彼を
殺そうとする様子がコミカルでまず面白い。とある理由でやる気の無い日々を過ごす彼が
友人の頑張る姿を、成果を出している様子を見て心機一転してからの展開も魅せてくれます。

“天使”がなぜ彼のことを好きになったのか、という裏付けもされていてとても読みやすく
気がつけばあっという間に読了してしまいました。“勇人”が悩んで、苦しんで、それでも
前に進んでいくための何かを掴む機微を丁寧に描いた良作だと思います。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年02月09日

『異世界居酒屋「のぶ」二杯目』

蝉川夏哉 先生が贈る「小説家になろう」発の大人気異色グルメ小説。第2巻は店を開いて
1年が過ぎようとしている「のぶ」に古都で噂される「魔女」の影が射すことになります。
(イラスト:転 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02372101
http://ncode.syosetu.com/n9773bj/


温かな雰囲気と絶妙な料理で人の縁を結んでいく「のぶ」も古都の人々に受け入れられて
久しい中、店の裏口にある仕掛けを魔法だと見抜く客“イングリド”が訪れる。これが
古都で噂される「魔女」というキーワードに意外な形で関与する展開に目を見張りました。

また、かつて“信之”が料理人の師と仰いだ“塔原”が「のぶ」を訪れ、味に対する彼の
迷いを見抜き「守破離」という言葉と共に今が大事なときだと告げる場面が実に印象的で。
その言葉が更に異世界にて引き継がれていくことにもなるのですがそこは本編でご確認を。

給仕をする“しのぶ”には少し匂いのキツい料理に挑むこともあり彼女から恨みがましい
目を向けられる時もある“信之”。そんな努力と共に彼が料理人として腕を上げていく過程も
見られるのが良いです。飯テロ具合も絶好調ですので空腹時に読む場合はご注意のほどを。


#よろしければ、こちらもどうぞ。

#◆『異世界居酒屋「のぶ」』発売記念 画像集 - Togetterまとめ
#【 http://togetter.com/li/779951

posted by 秋野ソラ at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル