上月司 先生が贈る新作は固有スキルを駆使して戦う次世代VRゲーム「PoS」を舞台とし、
最後の一人を目指して権謀術数を駆使して臨む1人のプレイヤーに焦点をあてる物語です。
(イラスト/さんた茉莉 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869166-6/ 】
新湘南タウンと呼ばれる人工島にただ1つ存在するマンモス校「私立九宝堂学園」。それら
の経営母体「九鬼グループ」の関連会社からきな臭いゲームのテストプレイヤーに選ばれた
“朱音”は、訝しみつつも策を巡らせて戦いに挑む容赦無い世界への道を選んでいく──。
開幕から“桐子”はあんな目に遭ってしまうわ、“朱音”が実はアレだったりとか強烈な
印象を与えつつ話を魅せてきます。「PoS」のシステムもなかなかえげつない上に“朱音”
のスキルが非戦闘向きなので「どうやって勝つのか」を考えていく点が興味深くて面白い。
ラストでより鮮明となりますが、何より“朱音”の行動原理が常軌を逸してしまっていて
ある意味、とても清々しい。それに振り回される“桐子”にしてみれば下衆の極みとしか
言えないでしょうけど。他シリーズの先が望めない分、このシリーズに期待を寄せます。