2015年01月16日

『廃線上のアリス』

マサト真希 先生が「ぽにきゃんBOOKS」にて上梓したのは青春ラブストーリー。不登校の
少年が転居した疎遠な父の住む町で「廃線の幽霊」と噂される謎深い美少女と出会います。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://www.ponicanbooks.jp/book/684/


とある理由により不登校となった“朗”は複雑な心境を抱きながら、幼い頃に生き別れた
ロクデナシの父の世話になるやるせない気持ちを抱えながら愛媛県の小さな港町を訪れる。
彼は廃線の上を裸足で歩く少女“アリス”と出会うが彼女は自分の事を語ろうとせず──。

2人で居ると満ち足りた気持ちになる“朗”は“アリス”から「私のことを探らないで」と
言及されているため、知りたいという気持ちと板挟みになります。幽霊の噂も相まって更に
謎多き存在となる彼女を想う彼に義妹の“麻衣”がある危機を告げ、彼を大いに悩ませます。

“朗”が義父の家庭を離れた訳が、そして“アリス”という少女が何者なのかが分かった時
物語が一気に動いていき、2人の感情も激しく揺れ動きます。この一連の展開が素晴らしく
まさに青春ラブストーリーと呼ぶにふさわしい秀作です。一読の価値はあると思います。

posted by 秋野ソラ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル