榊一郎 先生が贈る新世代ファンタジー、本編完結となる第11巻は禁断皇帝“ガズ”による
神の討滅後に提案された新たな世界への導引に“トール”たちがどう対応するか注目です。
(イラスト:なまにくATK 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301312000263 】
「乱破師(サバター)」に限らず傭兵などもそうですが、戦争終結が失業に繋がるという
業を背負っているだけに“ガズ”が提案する三国統治による三すくみ状態で恒常的な戦乱
の世を作る話はある意味、魅力的でしょう。世を変えたいと願った“トール”にすれば。
けれど“チャイカ”と出会い、生きる意味を知った今の“トール”からすれば世迷言で
しかなく、意を同じくする“ジレット”らと共闘して果敢に挑む姿が熱いです。“シン”
と対峙した“アカリ”が告げたセリフの端々に全ての真意が滲み出ていると感じました。
“紅チャイカ”もすっかり殊勝な感じでいじらしさを見せてくれているだけに、あの最後
から続く“トール”と“チャイカ”、そして“フレドリカ”たちの未来に幸あらんことを
願わずにはいられません。ひとまずは無事完結、ということで心よりお祝い申し上げます。