2015年01月07日

『おいしいサンドイッチの作り方 スタンバイタイム』

『わたしと男子と思春期 妄想の彼女たち』の やのゆい 先生が贈る新作はラブコメディ。
モブ脱却を狙う高二少年がカフェの美人店長と出会い、学生生活の流れを変えていきます。
(イラスト:U35 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_04


高二デビューに失敗した“雄馬”が新しい級友“剛毅”に誘われ、同じく女子の“記子”と
共にする下校途中、今度新装開店するというカフェの店長“天美”に世界で一番美味しい
コーヒーをご馳走される代わりに、とある稀有な才能があると店員にスカウトされて──。

友達作りすらままならない“雄馬”が“記子”こと“カキコ”と仲良くなったきっかけに
仕組まれていた本来の目的とか、とある想いに気づいてしまった“雄馬”がとってしまう
行動ですとか、実に青春と恋愛模様を謳歌する3人のやり取りが心の琴線に触れてきます。

頑張る3人に加えて、“天美”の裏表の無く明朗な言動がとても魅力的なのも実に良い。
本作における「サンドイッチを作る」ということの意味を噛み締めながら読んで頂ければ
と思います。これまた良質なラブコメ作品の登場に期待を寄せざるを得ないところです。

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2015年01月06日

『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(3)』

野村美月 先生が贈るドラマティック青春ノベル。第3巻は「とりかえばや」をテーマに
各演劇部の主役が集う劇へ“詩也”が参加するも“雫”の一言に動揺が隠せないようです。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


「綾音に告白したければ、すればよい」「けど、それはいつか破局する」──“雫”が
吸血鬼となった“詩也”に忠告したその意味を受け止め、自然と“綾音”との距離感を
とってしまう彼を見てまたすれ違いを生んでしまう2人の関係が何とももどかしい。

加えて、女たらしの三股男「宰相中将」を演じるために王子こと“偲”の指導を受けつつ
彼女に対するとある疑念を経て彼女が抱える悩みに触れ、「永遠」というキーワードに
対する1つの解を導き出す流れの中にバスケが関わってくるあたりは彼らしい所です。

「とりかえばや」という想いが演者のそれと重なる話運びとか、感心させられるばかり
です。「凪乃の誤算」も切なくてたまらない。“綾音”が抱えていた秘密と相まって
完全にすれ違ってしまった“詩也”に切り返しの契機はあるのか、次巻も楽しみです。

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2015年01月05日

『特装版 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!4』

築地俊彦 先生が贈る公式ノベライズ。第4巻は“陽炎”が横須賀に来る前、第十八駆逐隊
に所属していた呉の話。鎮守府祭開催の代表者に選ばれた彼女の忙しなさなどを描きます。
(イラスト:NOCO 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_07


“不知火”の出番が増えると俄然、読むのにも気合いが入る感じがする今日この頃。一般
公開の艤装展示、航空展示、屋台に加え、艦娘を集めての節分そして駆逐隊騎馬戦を行う
ということで準備に大忙し。これまでに未登場の艦娘にも出番が回ってきてホクホクです。

“神通”の鬼指導ぶりから始まり、第十四駆逐隊のメンバー“長月”“皐月”“曙”“潮”
と少なからず接点を持つことになる豆まきや騎馬戦の様子がまた面白くて熱い。“霞”と
“曙”が似たもの同士な上に同属嫌悪で衝突してあたふたする“潮”が何ともいじらしい。

終了後のパーティも含めて楽しかったり騒がしかったりする裏側で“龍驤”不在の理由を
知ってしまった“陽炎”たち。彼女たちの意思は“神通”でも止められない、という芝居
も含めて環境に恵まれ、育てられてきたことが分かる良質なサイドストーリーでした。


同梱の「ぷれみあむ小冊子」には以下のコンテンツが収録されております。もうなんか
見どころ満載で「これでこのお値段でいいの!?」と言いたくなるレベル。通常版でも
十分に楽しめますが、ぜひ「特装版」の購入も視野に入れることをオススメします。


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  ◆陽炎、抜錨します! ぷれみあむアンソロジーコミック

    ◇「あきつ丸、横須賀鎮守府最後の日?」
       (漫画:NOCO 原案協力:築地俊彦 協力:「艦これ」運営鎮守府)
    ◇「島風、抜錨します!」(BLADE)
    ◇「陽炎、がんばります!」(桃井涼太)
    ◇「艦これプレイ漫画 出張版」(水本正)

  ◆陽炎、抜錨します! カバー艦娘ギャラリー Vol.2

  ◆ゲストイラストレーター メモリアルギャラリー

    ◇ Artumph (2巻 第三章より)
    ◇ kona (2巻 第四章より)
    ◇ 桑島黎音 (2巻 第五章より)
    ◇ まめでんきゅう (3巻 第一章より)
    ◇ 三月 (3巻 第二章より)
    ◇ 加藤いつわ (3巻 第五章より)
                              (以上、敬称略)
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2015年01月04日

『新米社長のパーフェクトゲーム2 逆襲王女と神様の楽器』

ツガワトモタカ 先生が贈る痛快ジャイアント・キリング・エンタメ。第2巻は三大企業を
出し抜いた“アレックス”がリキッドの販路拡大を目指し新たな喧嘩を吹っ掛けていきます。
(イラスト/黒衛もん 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/578.html


「HJ文庫」は若年層の男性キャラを魅せていく物語がちらほら見受けられると感じる昨今、
本作もその傍流を担うものとして楽しく読ませてもらってます。1巻の感想記事は時期を
逃して書けませんでしたが、2巻もその思いは変わりません、と言っておきましょう。

本編は超大国の利権争いに巻き込まれ内戦状態にあるラウドリア王国を救わんと奮闘する
幼き王女“ハリエット”が“アレックス”と出会い、その夢をあの手この手で実現していく
過程で色々と魅せてくれます。“ミレーヌ”がチョロすぎなので頑張ってほしい所です。

レギオンフレームの操者としても格の違いを見せつけた“アレックス”。彼の隙を突いた
“イーサン”と“エステル”の常軌を逸した振る舞いの数々が中々突き抜けていて良いと
感じました。まだ道半ばの彼に山積する課題をどう払拭していくのか、続きに期待です。

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2015年01月03日

『VRMMOをカネの力で無双する4』

鰤/牙 先生が贈る圧倒的な課金バトルアクション。第4巻は“アイリス”と“ネム”の
直接対決はリアルにも飛び火し、為す術無しな“アイリス”がとった秘策とは如何に。
(イラスト/桑島黎音 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/577.html


今回の似顔絵は みかみてれん 先生のあのイラスト、ということで敢えて指摘を入れない
のも優しさかも知れませんし。それはさておき本編は“アイリス”こと“杜若あいり”が
憧れるデザイナー“芙蓉めぐみ”=“ネム”だと気づいてしまってからが勝負となります。

意地でも勝負してみせる、と意気込むまで苦悩する“アイリス”。彼女に対する気持ちを
消化、もしくは昇華し切れない面を見せる“ネム”。彼女らを見てVRMMO上での自分の立場
を見直す“フェリシア”。その全てにおいて暗躍する“イチロー”と想いは様々です。

人物描写の妙に加え、拠点間を瞬間移動するためのアイテム「ワープフェザー」の買い占め
騒動や、“イチロー”から“桜子”へのプレゼントが勝負に絡んできたりと伏線の回収方法
も興味深い内容でございました。次巻も気になる引きを見せていて楽しみな所であります。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル