鷹野新 先生が贈る本格ダークアクション。第3巻は“アイリス”との戦いに決着をつけた
“陸”たちが次の任務、裏切り者の究明を進めていく中で様々な思惑に触れていきます。
(イラスト/せんむ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869170-3/ 】
第四世界。救世主信仰が根付き、教祖の力によってレギオンが襲来しないと言われる場所。
カルペディエムにも隠れシンパがいる中で発覚したその世界との秘匿通信。スパイの疑惑
が“トゥルーデ”に掛けられ、動揺と怒りをあらわにする“小笠原”も更迭される始末。
新任の“ベネット”が見せるいけ好かない態度や“三神”監査官が時折見せる怪しい言動
など、何とかして真犯人を探し出そうとやっきになる“陸”たちに、葬花少女の機能停止、
カルペディエム乗っ取り、その意外な犯人の登場と更なる混乱の種が降りかかります。
疑わしきは誰か、という緊張感。無慈悲な戦い。そして待ち受ける悲哀に満ちた結末、と
ボリュームのあるテキストで魅せる展開はなかなかのもの。そしてよくあのラストまで
辿り着けたと思います。“陸”が胸の内に示す決意もまた印象深いものがありました。
2015年01月21日
2015年01月20日
『魔法科高校の劣等生(15) 古都内乱編<下>』
佐島勤 先生が贈る大人気シリーズ。第15巻は行方をくらます“周”を追い詰めていく中で
“真由美”や“将輝”らも合流し、共闘と激闘の末に「古都内乱編」決着の時を迎えます。
(イラスト/石田可奈 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869167-3/ 】
まず言うべきは“雫”のあどけなさが見せるご褒美な場面が、挿絵も合わせてステキです。
ということで仕事ぶりを監視されつつの“達也”が“周”と直接対決を果たす一大決戦。
「鬼門遁甲」という要素がここまで作用してくるとは恐れ入谷の鬼子母神、ということで。
その過程において、“将輝”と“達也”、あるいは“幹比古”“エリカ”“レオ”による
コンビネーションを見せるバトルも見られたりと展開は軽快です。彼らにしてやられた
「伝統派」に属する者たちの運の無さ、そして哀れさは計り知れないものがあるかと。
数日、傍を離れるだけで泣きそうになったり、“真由美”との一夜という意味深長な言葉
に深く静かに嫉妬する“深雪”のブラコンぶりは見ていて相変わらず興味深い。巻末の
予告にある内容がとても気になる次巻からの「四葉継承編」を楽しみに待とうと思います。
“真由美”や“将輝”らも合流し、共闘と激闘の末に「古都内乱編」決着の時を迎えます。
(イラスト/石田可奈 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869167-3/ 】
まず言うべきは“雫”のあどけなさが見せるご褒美な場面が、挿絵も合わせてステキです。
ということで仕事ぶりを監視されつつの“達也”が“周”と直接対決を果たす一大決戦。
「鬼門遁甲」という要素がここまで作用してくるとは恐れ入谷の鬼子母神、ということで。
その過程において、“将輝”と“達也”、あるいは“幹比古”“エリカ”“レオ”による
コンビネーションを見せるバトルも見られたりと展開は軽快です。彼らにしてやられた
「伝統派」に属する者たちの運の無さ、そして哀れさは計り知れないものがあるかと。
数日、傍を離れるだけで泣きそうになったり、“真由美”との一夜という意味深長な言葉
に深く静かに嫉妬する“深雪”のブラコンぶりは見ていて相変わらず興味深い。巻末の
予告にある内容がとても気になる次巻からの「四葉継承編」を楽しみに待とうと思います。
2015年01月19日
『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』
鴨志田一 先生が贈る青春ストーリー。第3巻は初恋相手で今は大学生のはずの“翔子”が
中学生の姿で現れたり、“理央”が2人になったりと“咲太”の周囲は夏休みも大混乱です。
(イラスト/溝口ケージ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869173-4/ 】
“佑真”が好きな“理央”。彼がお付き合いしている“沙希”から「ヤバいことやってる」
と見せられた“理央”の自傷行為にも似た行動が、彼女の抱える心の闇を裏打ちして切なく、
痛ましい。更に2人に分かれてしまった彼女を見かねた“咲太”のお節介が始まる訳です。
コンプレックスを抱えながらも恋する少女としての可愛らしさを見せていく“理央”。同じ
ように“咲太”へ横柄な態度を取りながらも時に見ていて身悶えするような恥ずかしい様子
を見せてくる“麻衣”にも魅力を感じます。恋愛関係に水を差す展開にはなりますけど。
結局のところ、として“理央”が抱えていた心の問題に彼女らしい決着のつけかたをした
と感じさせる展開も良かったです。“翔子”とはまた何かあるのかしら、と勘ぐりつつ
遅々たる恋の進行具合を揺るがすかもしれない“咲太”の更なる受難に注目しておきます。
中学生の姿で現れたり、“理央”が2人になったりと“咲太”の周囲は夏休みも大混乱です。
(イラスト/溝口ケージ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869173-4/ 】
“佑真”が好きな“理央”。彼がお付き合いしている“沙希”から「ヤバいことやってる」
と見せられた“理央”の自傷行為にも似た行動が、彼女の抱える心の闇を裏打ちして切なく、
痛ましい。更に2人に分かれてしまった彼女を見かねた“咲太”のお節介が始まる訳です。
コンプレックスを抱えながらも恋する少女としての可愛らしさを見せていく“理央”。同じ
ように“咲太”へ横柄な態度を取りながらも時に見ていて身悶えするような恥ずかしい様子
を見せてくる“麻衣”にも魅力を感じます。恋愛関係に水を差す展開にはなりますけど。
結局のところ、として“理央”が抱えていた心の問題に彼女らしい決着のつけかたをした
と感じさせる展開も良かったです。“翔子”とはまた何かあるのかしら、と勘ぐりつつ
遅々たる恋の進行具合を揺るがすかもしれない“咲太”の更なる受難に注目しておきます。
2015年01月18日
『WORLD END ECONOMiCA(ワールド エンド エコノミカ) I』
同人サークル「Spicy Tails」のノベルゲームが 支倉凍砂 先生自身の手によって文庫化。
月面都市生まれの少年が多額の資金集めのため株式市場へ乗り出す金融冒険青春活劇です。
(イラスト/上月一式 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869112-3/ 】
【 http://spicy-tails.net/ 】
生まれも育ちも月面都市の“ヨシハル”には夢がある。この世の富の7割があるという
その都市の中心部に移り住み、人類の最前線に立つという夢が。手早く金を稼ぐために
株取引に勤しむ彼が家出先で運命の天才少女“ハガナ”と最悪の出会いを果たす──。
ということで気難しくてツンケンしている“ハガナ”と不良っぽくてもしっかりしている
“ヨシハル”がいつ一緒になって株取引で成功の道を歩むのかとやきもきしながら拝読。
手を取り合えばそこから別の問題も浮上して、と一筋縄でいかない展開がまた面白い。
一人で生きてきた“ヨシハル”が“ハガナ”たちと出会い少しずつ心境の変化を迎えて
いく中での最後の落とし所。次のステージにどう引き継がれていくのか気になります。
2巻以降はゲームからの追加要素も含めていく予定とのことでそちらも楽しみです。
月面都市生まれの少年が多額の資金集めのため株式市場へ乗り出す金融冒険青春活劇です。
(イラスト/上月一式 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869112-3/ 】
【 http://spicy-tails.net/ 】
生まれも育ちも月面都市の“ヨシハル”には夢がある。この世の富の7割があるという
その都市の中心部に移り住み、人類の最前線に立つという夢が。手早く金を稼ぐために
株取引に勤しむ彼が家出先で運命の天才少女“ハガナ”と最悪の出会いを果たす──。
ということで気難しくてツンケンしている“ハガナ”と不良っぽくてもしっかりしている
“ヨシハル”がいつ一緒になって株取引で成功の道を歩むのかとやきもきしながら拝読。
手を取り合えばそこから別の問題も浮上して、と一筋縄でいかない展開がまた面白い。
一人で生きてきた“ヨシハル”が“ハガナ”たちと出会い少しずつ心境の変化を迎えて
いく中での最後の落とし所。次のステージにどう引き継がれていくのか気になります。
2巻以降はゲームからの追加要素も含めていく予定とのことでそちらも楽しみです。
2015年01月17日
『ビブリア古書堂の事件手帖6 〜栞子さんと巡るさだめ〜』
三上延 先生が贈るビブリオミステリ。第6巻はかつて“栞子”に怪我を負わせた“田中”
が再来、しかも別の『晩年』を探す依頼を提示してきて“大輔”共々困惑が隠せません。
(イラスト:越島はぐ 先生)
【 http://mwbunko.com/product/2014/12_01_isbn.html 】
「祖父が持っていた太宰治の『晩年』は“栞子”のものとは別。それを探し出してほしい」
という何とも図々しい“田中”からの依頼。仮に居たとしてその人に危害が加えられるかも
と心配する彼女はその依頼を受けることになります。遂に恋人となった“大輔”と共に。
外野からの追求に赤面する“栞子”の様子など、それはそれで見ものなのですが『晩年』の
持ち主へと近づいていくにつれて“栞子”や“大輔”の親、更にその親の代が思い掛けない
縁で繋がっていることが判明する、という大変ショッキングな展開を魅せてくれます。
「アンカット」という本があることも、本作を読まなければ知ることも無かったと思いつつ
稀覯本が人の生き様を狂わせる物悲しさを味わわせてもらいました。被害甚大な“大輔”の
もとを訪れた“智恵子”の意図に気づいた彼がどう立ち回ってくるか注目しておきます。
が再来、しかも別の『晩年』を探す依頼を提示してきて“大輔”共々困惑が隠せません。
(イラスト:越島はぐ 先生)
【 http://mwbunko.com/product/2014/12_01_isbn.html 】
「祖父が持っていた太宰治の『晩年』は“栞子”のものとは別。それを探し出してほしい」
という何とも図々しい“田中”からの依頼。仮に居たとしてその人に危害が加えられるかも
と心配する彼女はその依頼を受けることになります。遂に恋人となった“大輔”と共に。
外野からの追求に赤面する“栞子”の様子など、それはそれで見ものなのですが『晩年』の
持ち主へと近づいていくにつれて“栞子”や“大輔”の親、更にその親の代が思い掛けない
縁で繋がっていることが判明する、という大変ショッキングな展開を魅せてくれます。
「アンカット」という本があることも、本作を読まなければ知ることも無かったと思いつつ
稀覯本が人の生き様を狂わせる物悲しさを味わわせてもらいました。被害甚大な“大輔”の
もとを訪れた“智恵子”の意図に気づいた彼がどう立ち回ってくるか注目しておきます。