2015年01月31日

『セントレイン戦記 2 〜七戦姫と禁忌の魔剣士〜』

森田季節 先生が贈る王道戦記ファンタジー。第2巻は南にある王都への通行を拒む第二州、
そして人間界を支配すべく兵を集める北方の妖魔領と“ジルス”たちが挟撃を受けます。
(イラスト:nauribon 先生)

http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865540277


第二州を預かる“アリスロット”の最大の武器は自身が開発した「堅鋼兵」という機械。
堅牢な上にからくり仕掛けも多彩、ということで鉤縄での捕縛ナイスです。挿絵指定も。
一度は退けられるものの改良版をすぐ用意してくるあたり、芯の強さを感じさせます。

北方の脅威も対処すべく“ジルス”と“クランベル”で妖魔領に乗り込み交渉、あるいは
実力行使も已む無し・・・と思っていたら衝撃の事実が飛び出してまさに瓢箪から駒の状況。
彼を事あるごとに狙う妖魔領の王“チャーラ”の繰り出すシチュエーションが素敵です。

“ナターシャ”を始めとしてラッキースケベな目に遭う“ジルス”も決めるべきところは
自身でしっかりキメてくる格好良さを見せてくれるのが良いです。キスシーンも更に濃厚
で実によろしい。少ないページ数でここまで魅せる話を書いてくることも驚嘆に値します。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年01月30日

『できそこないの魔獣錬磨師』

見波タクミ 先生の「第27回ファンタジア大賞・金賞」受賞作。モンスターを従え闘わせる
モンスタートレーナーを育てる学園で最弱の人物が勝利を、そして最強を目指す物語です。
(イラスト:狐印 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321411000013


生まれた時に授けられた紋章の違いによって従えるモンスターや将来の可能性すら決まる
世界でスライムを相棒とする“レイン”。日々の鍛錬を欠かさぬ彼に突っかかるドラゴン
トレーナーの“エルニア”は非公式戦ながらも彼に負けてしまったと言うのだが──。

「スライムトレーナーが如何に地位が低いか」という描写から始まり、それでも頑張り
続けて成果を出す“レイン”。まさに正統派の成長モノと言えるかと。なぜ勝てるのか?
という点も“エルニア”を驚かせるほどに考え抜かれてあって、爽快な気分になれます。

そんな“レイン”を認める“アリカ”や“ガゼット”という友人たちの心情や、妙に
人間味あふれるドラゴン“キール”とのやりとりも読んでいて楽しいです。“ペムペム”
はグッズ化にも耐えられる可愛らしさが魅力的。オススメできる新人賞作品と言えます。

posted by 秋野ソラ at 01:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年01月29日

『ジンクスゲーム』

アダチアタル 先生の「第15回 GA文庫大賞・優秀賞」受賞作。見えない凶器(ジンクス)
という異能を与えられ、報酬付きの殺人ゲームに駆り出された5人の男女たちを描きます。
(イラスト:ニリツ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797382068.html


電車の脱線事故に巻き込まれた“蒼馬”とその妹“真奈”。瀕死の“蒼馬”を救う代わりに
自分を殺してほしい、と異能を授ける“ロストマン”。殺した相手の命を分け与えることが
出来ると言われ、妹も死の淵にある妹の姿を前にして選択肢はもう残っていなかった──。

世を騒がす殺人鬼“毒りんご”を追い、“蒼馬”に疑念を持って転校してきた美少女名探偵
“鈴蘭”はかつての幼なじみ。“ロストマン”からその殺人鬼を殺すミッションを与えられ
「死者を一人蘇らせる権利」が褒美となれば他のジンクス使いも無下にはできない局面。

“鈴蘭”の推理力も借りて“蒼馬”が突き止める“毒りんご”の正体はジンクス使いなのか
それとも、という死と隣り合わせの筋の読みあいが面白いサイコスリラーかと思います。
結末も、そしてその先にある物語もまた興味深く、シリーズ化に期待がかかる作品です。

posted by 秋野ソラ at 01:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年01月28日

『パパのいうことを聞きなさい!17』

松智洋 先生が贈るドタバタアットホームラブコメ、ドラマCD付予約限定版と同時発売と
なる第17巻は就職活動が上手くいかない“祐太”に対して遂に想いを伝える時が来ます。
(イラスト:なかじまゆか 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-630805-2


小学1年生となった“ひな”と、彼女の授業を受け持つことになった教諭1年目の“莱香”。
夢に向かって頑張る“空”や“美羽”の姿を見て思うところがあり悩む少女を、特殊な関係
から中々フォローできずに懊悩する女性。それぞれの葛藤がもどかしいさを感じさせます。

少女から女性への転換期を迎える“空”や“美羽”は異性からの告白を受けることも茶飯事
ということでより綺麗になっていく彼女らを見て“祐太”にも心境の変化が生まれつつ
「後見人」になるという気持ちは変わらないことを告げればそりゃあ、ああなりますな。

加えて、遂に自分の気持ちを意識した“莱香”からのアプローチ。ようやくここまで来たか
と感じつつもあのタイミングはある意味、素晴らしい。“莱香”と“祐太”そして三姉妹
で築いてきた関係があってこそのエピローグからどう結んでいくか、楽しみなところです。

posted by 秋野ソラ at 01:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年01月27日

『とある飛空士への誓約 7』

犬村小六 先生が贈る飛空士たちの恋と空戦の物語。「誓約」第7巻は“ニナ”たちの物語
と「エリアドールの七人」の物語が真の意味で交錯する、第三部の幕開けとなります。
(イラスト:森沢晴行 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094515312


もう、何と言ったらいいか。ここまで読んだ身からすればご褒美でしかない展開の数々。
最後の見開きとかまさに夢のような展開で、思わず目頭を熱くする場面も。巻末に収録
された「用語集」にある、本編では使われなかった設定なども興味深く拝読しました。

“ゼノン”にあらぬ仕打ちを受ける不遇さが拭えない“ミオ”。彼女に対する嫉妬にも
似た感情が拭えない“イリア”。内外に向く感情を持て余し気味な“清顕”。距離感の
ある三角関係を結論づけるのはまだ時間が掛かりそう。直接対決が来ることに期待です。

新女王エリザベートとなった“セシル”が世界に関与し始め、“かぐら”もまた命を
賭してでもとその道へ足を踏み入れる中、“バルタザール”や“ハチドリ”が後塵を
拝する感には頑張ってほしいとエールを送りたいところ。次巻も目が離せません。

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2015年01月26日

『Fate/strange Fake(1)』

成田良悟 先生が「エイプリルフール」企画として世に発表した、偽りだらけの聖杯戦争を
綴る物語。原作者側の意向を受け、今新たに「Fate」の偽典として再スタートを切ります。
(イラスト/森井しづき 先生 原作/TYPE-MOON)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869168-0/


群像劇というものをあまり読んだことが無い、というか 成田良悟 先生の作品を読むのが
実は本作が初だろうな、などと思いつつ。確かに登場人物は最初から多めですが、元々の
世界観に触れていたこともあってか、さして苦になることもなく読みやすいと感じました。

まずは1巻ということで、この偽典の世界にどのような英霊が現れ、令呪を持つ者たちは
如何なる人物像なのか、という点を各陣営ごとに順繰りに触れていくプロローグの集合体。
出揃ったところで更に「偽りの聖杯戦争」というキーワードが鎌首をもたげてきます。

とか言いながら“ギルガメッシュ”がいきなり全力全開なところを見せてきたりとまさに
例外感を意識した物語のスタートぶり。この先、確実に盛り上がっていくのだろうと予感
させる点は圧巻の一言。新たなる「Fate」の外伝には注目せざるを得ないようです。

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2015年01月25日

『魔王なあの娘と村人A(9) 〜村人たちの秘密のクエスト〜』

ゆうきりん 先生が贈る、常識が通じない《個性者》に気苦労の絶えない《村人》たちの日常
を描くシリーズ。第9巻は生徒会選挙以外に体育祭でも騒動の予感で“佐東”大忙しです。
(イラスト/赤人 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869171-0/


いやいやながらに新しいクラスの委員長になった・・・かのように見せかける“佐東”が中々
な策士ぶりを早速披露します。男を上げてきていると感じさせます。選挙協力できない立場
から“翼”や“桜子”を見てちょっとした疎外感を覚えたりと心境の変化にも注目です。

今や珍しくないのかもしれない、親からのクレームで個人の優劣をつけさせない体育祭。
イメージアップのために“翼”や“桜子”が参加するとあって個性者も参戦。生徒会長の
焚きつけもあって思わぬ競争を見せる中、“桜子”が色々と活躍していく姿のが印象的。

一騎打ちかと思いきや現・生徒会副会長“れんず”も選挙戦に参加。普通の学生生活を送る
ために全力を尽くす彼女の公約が意味するところとその結果にある意味、納得してしまう
村人たちの生活観がにじみ出ています。話をどう締め括ってくるのか興味津々であります。

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2015年01月24日

『かくて夜明けの神殺者(デイブレイカー)3』

中維 先生が贈るデイブレイク・アクション。第3巻は“幸太”に呪いの力を授けた張本人
“怖血神”が再び彼の前に現れて突きつける宣告に“メリアン”共々、動揺が隠せません。
(イラスト/しらび 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869191-8/


のっけからジゴロプレイを見せつけたかと思えば不遇な扱いを受ける“幸太”。黄昏の門
が開き続けるその意味を、対策を知り、更には“メリアン”の父“メフィストフェレス”が
目の前に現れて決断を迫られるのだからさあ大変。その前に迫った姿もアレですけど。

“幸太”と“メリアン”、2人で挑む“怖血神”との戦いで見せるコンビネーションは見事
と言おうとしたら衝撃的な出会いも待ってるし、“ガブリエル”はホント迷惑極まりないな
と言わざるを得ない展開になだれ込むし、でまさに運命に翻弄されまくりの2人です。

最後は愛の力を見せつけて物語の幕を下ろすことになるワケですが、中維 先生は今までに
シリーズ作品をしっかりと締めくくったことが無く、これが初めてということでお祝いを
申し上げますと共に、その勢いが次回作へ繋げる糧となることを願ってやみません。

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2015年01月23日

『堕天のシレン』

上月司 先生が贈る新作は固有スキルを駆使して戦う次世代VRゲーム「PoS」を舞台とし、
最後の一人を目指して権謀術数を駆使して臨む1人のプレイヤーに焦点をあてる物語です。
(イラスト/さんた茉莉 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869166-6/


新湘南タウンと呼ばれる人工島にただ1つ存在するマンモス校「私立九宝堂学園」。それら
の経営母体「九鬼グループ」の関連会社からきな臭いゲームのテストプレイヤーに選ばれた
“朱音”は、訝しみつつも策を巡らせて戦いに挑む容赦無い世界への道を選んでいく──。

開幕から“桐子”はあんな目に遭ってしまうわ、“朱音”が実はアレだったりとか強烈な
印象を与えつつ話を魅せてきます。「PoS」のシステムもなかなかえげつない上に“朱音”
のスキルが非戦闘向きなので「どうやって勝つのか」を考えていく点が興味深くて面白い。

ラストでより鮮明となりますが、何より“朱音”の行動原理が常軌を逸してしまっていて
ある意味、とても清々しい。それに振り回される“桐子”にしてみれば下衆の極みとしか
言えないでしょうけど。他シリーズの先が望めない分、このシリーズに期待を寄せます。

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2015年01月22日

『課外活動サバイバルメソッド』

水瀬葉月 先生が1年ぶりに上梓する作品は新作にして異能バトルロイヤル。広大な学園の
生徒らに異能を与え、殺し合わせる《校長》。その思惑に振り回される少年少女を描きます。
(イラスト/悠久ポン酢 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869163-5/


場面を細かく区切ってシーンプレイヤーも宣言してくれているのでまだ何とかなりますが
それにしても群像劇なだけあって登場人物が多いの何の。死ぬと出現する黒い玉を500個
集めれば脱出できる、と言われても困惑するしかない面々から一人突出するのが“乃愛”。

解剖大好きで桁違いの強さと殺人行為の数々を見せつける“乃愛”を“幸也”のチーム、
“界人”のチーム、“猫啼”&“凛”ペア、“双六”&“秋津穂”が時には真正面から、
時には搦め手で食い止めようとするのが軸となる展開。このあたりの駆け引きが面白い。

更に異能の使い方や《校長》の調整、敵の敵が味方とは限らない人間関係も絡んできて
ジェットコースターのように目まぐるしく展開していきますし、エロもグロも妥協なしの
原点回帰を思わせる作風で続きが興味深いシリーズになりそう。次巻の刊行が楽しみです。

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2015年01月21日

『軋む楽園(エデン)の葬花少女(グリムリーパー)III』

鷹野新 先生が贈る本格ダークアクション。第3巻は“アイリス”との戦いに決着をつけた
“陸”たちが次の任務、裏切り者の究明を進めていく中で様々な思惑に触れていきます。
(イラスト/せんむ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869170-3/


第四世界。救世主信仰が根付き、教祖の力によってレギオンが襲来しないと言われる場所。
カルペディエムにも隠れシンパがいる中で発覚したその世界との秘匿通信。スパイの疑惑
が“トゥルーデ”に掛けられ、動揺と怒りをあらわにする“小笠原”も更迭される始末。

新任の“ベネット”が見せるいけ好かない態度や“三神”監査官が時折見せる怪しい言動
など、何とかして真犯人を探し出そうとやっきになる“陸”たちに、葬花少女の機能停止、
カルペディエム乗っ取り、その意外な犯人の登場と更なる混乱の種が降りかかります。

疑わしきは誰か、という緊張感。無慈悲な戦い。そして待ち受ける悲哀に満ちた結末、と
ボリュームのあるテキストで魅せる展開はなかなかのもの。そしてよくあのラストまで
辿り着けたと思います。“陸”が胸の内に示す決意もまた印象深いものがありました。

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2015年01月20日

『魔法科高校の劣等生(15) 古都内乱編<下>』

佐島勤 先生が贈る大人気シリーズ。第15巻は行方をくらます“周”を追い詰めていく中で
“真由美”や“将輝”らも合流し、共闘と激闘の末に「古都内乱編」決着の時を迎えます。
(イラスト/石田可奈 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869167-3/


まず言うべきは“雫”のあどけなさが見せるご褒美な場面が、挿絵も合わせてステキです。
ということで仕事ぶりを監視されつつの“達也”が“周”と直接対決を果たす一大決戦。
「鬼門遁甲」という要素がここまで作用してくるとは恐れ入谷の鬼子母神、ということで。

その過程において、“将輝”と“達也”、あるいは“幹比古”“エリカ”“レオ”による
コンビネーションを見せるバトルも見られたりと展開は軽快です。彼らにしてやられた
「伝統派」に属する者たちの運の無さ、そして哀れさは計り知れないものがあるかと。

数日、傍を離れるだけで泣きそうになったり、“真由美”との一夜という意味深長な言葉
に深く静かに嫉妬する“深雪”のブラコンぶりは見ていて相変わらず興味深い。巻末の
予告にある内容がとても気になる次巻からの「四葉継承編」を楽しみに待とうと思います。

posted by 秋野ソラ at 01:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2015年01月19日

『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』

鴨志田一 先生が贈る青春ストーリー。第3巻は初恋相手で今は大学生のはずの“翔子”が
中学生の姿で現れたり、“理央”が2人になったりと“咲太”の周囲は夏休みも大混乱です。
(イラスト/溝口ケージ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869173-4/


“佑真”が好きな“理央”。彼がお付き合いしている“沙希”から「ヤバいことやってる」
と見せられた“理央”の自傷行為にも似た行動が、彼女の抱える心の闇を裏打ちして切なく、
痛ましい。更に2人に分かれてしまった彼女を見かねた“咲太”のお節介が始まる訳です。

コンプレックスを抱えながらも恋する少女としての可愛らしさを見せていく“理央”。同じ
ように“咲太”へ横柄な態度を取りながらも時に見ていて身悶えするような恥ずかしい様子
を見せてくる“麻衣”にも魅力を感じます。恋愛関係に水を差す展開にはなりますけど。

結局のところ、として“理央”が抱えていた心の問題に彼女らしい決着のつけかたをした
と感じさせる展開も良かったです。“翔子”とはまた何かあるのかしら、と勘ぐりつつ
遅々たる恋の進行具合を揺るがすかもしれない“咲太”の更なる受難に注目しておきます。

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2015年01月18日

『WORLD END ECONOMiCA(ワールド エンド エコノミカ) I』

同人サークル「Spicy Tails」のノベルゲームが 支倉凍砂 先生自身の手によって文庫化。
月面都市生まれの少年が多額の資金集めのため株式市場へ乗り出す金融冒険青春活劇です。
(イラスト/上月一式 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869112-3/
http://spicy-tails.net/


生まれも育ちも月面都市の“ヨシハル”には夢がある。この世の富の7割があるという
その都市の中心部に移り住み、人類の最前線に立つという夢が。手早く金を稼ぐために
株取引に勤しむ彼が家出先で運命の天才少女“ハガナ”と最悪の出会いを果たす──。

ということで気難しくてツンケンしている“ハガナ”と不良っぽくてもしっかりしている
“ヨシハル”がいつ一緒になって株取引で成功の道を歩むのかとやきもきしながら拝読。
手を取り合えばそこから別の問題も浮上して、と一筋縄でいかない展開がまた面白い。

一人で生きてきた“ヨシハル”が“ハガナ”たちと出会い少しずつ心境の変化を迎えて
いく中での最後の落とし所。次のステージにどう引き継がれていくのか気になります。
2巻以降はゲームからの追加要素も含めていく予定とのことでそちらも楽しみです。

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2015年01月17日

『ビブリア古書堂の事件手帖6 〜栞子さんと巡るさだめ〜』

三上延 先生が贈るビブリオミステリ。第6巻はかつて“栞子”に怪我を負わせた“田中”
が再来、しかも別の『晩年』を探す依頼を提示してきて“大輔”共々困惑が隠せません。
(イラスト:越島はぐ 先生)

http://mwbunko.com/product/2014/12_01_isbn.html


「祖父が持っていた太宰治の『晩年』は“栞子”のものとは別。それを探し出してほしい」
という何とも図々しい“田中”からの依頼。仮に居たとしてその人に危害が加えられるかも
と心配する彼女はその依頼を受けることになります。遂に恋人となった“大輔”と共に。

外野からの追求に赤面する“栞子”の様子など、それはそれで見ものなのですが『晩年』の
持ち主へと近づいていくにつれて“栞子”や“大輔”の親、更にその親の代が思い掛けない
縁で繋がっていることが判明する、という大変ショッキングな展開を魅せてくれます。

「アンカット」という本があることも、本作を読まなければ知ることも無かったと思いつつ
稀覯本が人の生き様を狂わせる物悲しさを味わわせてもらいました。被害甚大な“大輔”の
もとを訪れた“智恵子”の意図に気づいた彼がどう立ち回ってくるか注目しておきます。

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2015年01月16日

『廃線上のアリス』

マサト真希 先生が「ぽにきゃんBOOKS」にて上梓したのは青春ラブストーリー。不登校の
少年が転居した疎遠な父の住む町で「廃線の幽霊」と噂される謎深い美少女と出会います。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://www.ponicanbooks.jp/book/684/


とある理由により不登校となった“朗”は複雑な心境を抱きながら、幼い頃に生き別れた
ロクデナシの父の世話になるやるせない気持ちを抱えながら愛媛県の小さな港町を訪れる。
彼は廃線の上を裸足で歩く少女“アリス”と出会うが彼女は自分の事を語ろうとせず──。

2人で居ると満ち足りた気持ちになる“朗”は“アリス”から「私のことを探らないで」と
言及されているため、知りたいという気持ちと板挟みになります。幽霊の噂も相まって更に
謎多き存在となる彼女を想う彼に義妹の“麻衣”がある危機を告げ、彼を大いに悩ませます。

“朗”が義父の家庭を離れた訳が、そして“アリス”という少女が何者なのかが分かった時
物語が一気に動いていき、2人の感情も激しく揺れ動きます。この一連の展開が素晴らしく
まさに青春ラブストーリーと呼ぶにふさわしい秀作です。一読の価値はあると思います。

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2015年01月15日

『コズミックアライブ』

真子晃一 先生が贈るハイテンション&最強ミラクルストーリー。宇宙でのライブを目指す
5人組アイドルのマネージャーに抜擢されたアイドル嫌いの少年が数奇な運命を辿ります。
(イラスト:荻pote 先生)

http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865540253


高校の文化祭で“羽純”がもつその容姿と美声に惚れたロック好きの“草太”は部室にて
彼女が重度のアイドルオタクという秘密を知る。姉“ヒカリ”に彼女を含めたアイドル達
のマネージャーを押し付けられるも彼はアイドルが嫌い、という前途多難な幕開けです。

宇宙でのライブを目指すアイドルグループ「銀河のメモリーズ」に所属する“羽純”以外
の面々もなかなか強烈な個性の持ち主ばかり。そんな彼女たちが挫けそうになったとき、
偶然手を貸す形になる“草太”が少しずつアイドルへの見方を変えていくことになります。

“ヒカリ”の破天荒ぶりを筆頭にそこかしこでギャグ色を感じさせつつも、マネージャー
として、ロックな部分を忘れず彼女たちを支えていこうとする“草太”が見せるシリアス
な場面などあり、色々な要素が盛りだくさん。アイドルラノベの流れを作ってほしいです。

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2015年01月14日

『エンジェル・フェスタ!』

「MF文庫J」が贈るストーリー主導型アイドルプロジェクト。学校がアイドルを育てる世界
にてアイドル候補生7人がグループを結成し活躍する過程を 鏡遊 先生が綴っていきます。
(イラスト:川上哲也 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1258
http://angelfesta.bunkoj.com/


学生兼アイドルの先駆け「星歌台ガールズ」を生んだ名門女子高、星歌台学園育成科。
今やその影も無く凋落した育成科に所属する候補生らの前に現れたコーチ“陸”は傭兵に
育てられたド素人。彼が担当する“みなも”は逸材らしいのだが上手く育成できるのか──。

長年実績の無い星歌台学園育成科は「エンジェルパーティ」というアイドルが競う大会で
優勝しなければならない。けど“みなも”は「出ない」の一点張り。“陸”のしごきにも
耐えられる努力を地道に積み重ねてきた彼女がなぜ拒否し続けるのかが話の軸になります。

芸能活動、というよりは部活のノリに近いでしょう。アイドルになりたい、けどなれない。
そんな“みなも”を自分なりの方法で奮い立たせていく“陸”のサポートぶりが実に良い。
ラストも小憎い演出で魅せてくれますし、続きが楽しみなアイドルラノベと言えましょう。

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2015年01月13日

『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』

4月よりTVアニメが放映開始となる 武田綾乃 先生の部活&青春エンターテインメント小説。
過去の栄光はある高校の吹奏楽部員らが新顧問の下で苦心惨憺、艱難辛苦の道を進みます。
(イラスト:アサダニッキ 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72174701
http://anime-eupho.com/


産休の教諭に代わり、北宇治高校吹奏楽部の顧問を務める“滝”は皆に全国大会を目指すか
否かを自分たちで決めさせる。多数決で全国を目標に据えたものの上手い下手の選抜は厳格
で、レベルも上がれば緩めな上級生との確執なども浮上して吹奏楽部の明日はどっちだ──。

中学でも吹奏楽部に所属しユーフォニアムを担当していた“久美子”を話の軸にして進んで
いく中で、練習は厳しくとも着実に上手くなっていく様子や吹奏楽に掛ける熱意の差が生む
人間関係に振り回されたりする。そんな展開が実に生々しく青春のひと時を感じさせます。

もちろんコイバナで盛り上がる時もあります。“久美子”は巻き込まれる側ではありますが。
“麗奈”が意外に気が合うところとか、“あすか”の良くも悪くも回りを気にしない所とか
そのあたりも印象に残っています。次なるステージに上がる彼ら彼女らに幸あらんことを。

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2015年01月12日

『紅 〜歪空の姫〜』

もはや続刊が出ることは絶望視して久しい 片山憲太郎 先生の人気シリーズに遂に新刊が。
悪宇商会とも和解し、平穏な正月を迎えた“真九郎”に困惑の見合い話が舞い込みます。
(イラスト:山本ヤマト 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631015-4


まずは本作の続刊を出すと決め、調整し、結果を示した「ダッシュエックス文庫」編集部、
集英社の新体制に感謝いたします。間が空きすぎて内容が頭に入ってくるか、という不安も
読んでしまえばサッと吹き飛んで“真九郎”たちのやり取りが自然に受け止められました。

裏十三家の1つ《歪空》、先祖代々職業テロリストという家の一人娘“魅空”が“真九郎”
に目をつけたことで“紫”がヤキモチを焼いたり・・・で済めばいいのですけれど、名は体を
表すと言いますか、流石の“真九郎”もお怒りになるほど彼女の歪みっぷりが半端ない。

とある仕事の依頼を経て見合い相手の彼女と相対することになった“真九郎”、一度はその
力の差に圧倒されますが、とある秘策でもってそれをひっくり返してくれます。彼女から
告げられた8年前のテロ事件に関する発言がどこに繋がっていくのか注目したい所です。

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