川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー。三年前の禊祓に何があったのかを問う“正純”
の一言から“ミトツダイラ”をはじめとする面々が中等部時代の頃を語る追憶編です。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869039-3/ 】
「境ホラ」なのに1日で読める、という感覚がだいぶ毒されている気もしなくはないですが
今いる人といない人との発言を分けて書くノリの良さと突っ込みの入れ具合が楽しい昔語り。
冒頭の解説もほどほどなのにどことなく読みやすく感じるあたり、色々工夫されているかと。
追憶する内容としては当時「武蔵」の前に現れ強襲をかけた幽霊船、そして“ミトツダイラ”
に襲い掛かってきた霊体を何とか跳ね除けた。けれどなぜ襲われたのかを突き詰めていくと
襲われた彼女自身に縁があり、それを契機に「王の騎士」としての意識を強めていく流れ。
隙あらば記憶の捏造を含めいじられていく“ミトツダイラ”や幽霊を怖がる“喜美”、それを
温かく見守りつつ記録しながらも時には誘爆して恥ずかしい面を見せる“浅間”、意外と仕事
している“トーリ”ほか色々とワイワイと騒がしくも楽しい雰囲気が楽しめる1冊でした。