2014年11月16日

『カーリー III.孵化する恋と帝国の終焉』

高殿円 先生の『カーリー』が8年の時を経て、満を持して新刊の登場。第二次世界大戦の
真っ只中、英国の大学へと進学した“シャーロット”は行方不明の“カーリー”に再び会う
ためだけにあらゆる手を模索する日々を過ごし、緊張感が増すインドへと舞い戻ります。

http://kodanshabunko.com/kali3.html


空白の期間を埋めるためのテキスト、とりわけ大戦下の世界そしてインド情勢を伝えるそれ
が膨大かつ精緻で、彼女たちの現実を目の当たりにさせてくれます。“シャーロット”たち
も年を経て国や立場の違いがあることもちょくちょく見せてきます。これは後に響きそう。

アクロバティックな方法でインド入りした“シャーロット”も意図せず政治の重要局面に
関わることになる中、意外なところから“カーリー”と再会を果たします。らしいと言えば
らしい彼の意図と忍び寄る窮地を知った彼女の行動がどう影響するのか見ものと言えます。

椋本夏夜先生の挿絵がついてこないことが唯一の心残りではあります。電子書籍かあるいは
「講談社ラノベ文庫」に回して「イラスト付き完全版」として出してくれたら買いなおす気
マンマンなんですけどね、と言いながら更なる時間経過のその先を追いたいと思います。


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#◆カーリー復刊によせて - Togetterまとめ
#【 http://togetter.com/li/732099

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル