九岡望 先生が贈る神速アクション。第7巻は鬼虫と甲虫の最終戦、“剣菱”と“烏帽子”、
“竜胆”と“虎杖”、“九曜”と“朧”等々、守るものの為に戦う者達の結びの物語です。
(イラスト/吟 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869040-9/ 】
“阿達夕馬”、“島田宗吾”、“空閑透”。それぞれが抱える本来の過去、それに鬼虫や
甲虫が誕生する経緯が相まってこの激闘の切なさを感じさせます。なぜぶつからなくては
ならなかったのか、歴史というときの流れの物悲しさ、残酷さを垣間見る話運びです。
名立たる黒塚部隊とのバトルも熱いですが、要所で魅せる“菊丸”の頑張り具合に注目を
しておきたいと思います。嵐の前の露払いかも知れませんが獅子奮迅の戦いぶりも見所が
ありましたし、“鴇子”と“鵠子”の和解を未来に繋ぎとめる役割も果たしてくれました。
“九曜”と“朧”、そして“叶葉”。彼女を介してぶつかり合う2人が演出する今そして
未来には心に来るものを感じずにはいられません。“巴”の計らいによって鬼虫としての
歴史にも一区切りつき、“九曜”が見せる自然体の笑顔が印象深く残る作品となりました。
2014年11月20日
2014年11月19日
『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン ガールズトーク 狼と魂』
川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー。三年前の禊祓に何があったのかを問う“正純”
の一言から“ミトツダイラ”をはじめとする面々が中等部時代の頃を語る追憶編です。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869039-3/ 】
「境ホラ」なのに1日で読める、という感覚がだいぶ毒されている気もしなくはないですが
今いる人といない人との発言を分けて書くノリの良さと突っ込みの入れ具合が楽しい昔語り。
冒頭の解説もほどほどなのにどことなく読みやすく感じるあたり、色々工夫されているかと。
追憶する内容としては当時「武蔵」の前に現れ強襲をかけた幽霊船、そして“ミトツダイラ”
に襲い掛かってきた霊体を何とか跳ね除けた。けれどなぜ襲われたのかを突き詰めていくと
襲われた彼女自身に縁があり、それを契機に「王の騎士」としての意識を強めていく流れ。
隙あらば記憶の捏造を含めいじられていく“ミトツダイラ”や幽霊を怖がる“喜美”、それを
温かく見守りつつ記録しながらも時には誘爆して恥ずかしい面を見せる“浅間”、意外と仕事
している“トーリ”ほか色々とワイワイと騒がしくも楽しい雰囲気が楽しめる1冊でした。
の一言から“ミトツダイラ”をはじめとする面々が中等部時代の頃を語る追憶編です。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-869039-3/ 】
「境ホラ」なのに1日で読める、という感覚がだいぶ毒されている気もしなくはないですが
今いる人といない人との発言を分けて書くノリの良さと突っ込みの入れ具合が楽しい昔語り。
冒頭の解説もほどほどなのにどことなく読みやすく感じるあたり、色々工夫されているかと。
追憶する内容としては当時「武蔵」の前に現れ強襲をかけた幽霊船、そして“ミトツダイラ”
に襲い掛かってきた霊体を何とか跳ね除けた。けれどなぜ襲われたのかを突き詰めていくと
襲われた彼女自身に縁があり、それを契機に「王の騎士」としての意識を強めていく流れ。
隙あらば記憶の捏造を含めいじられていく“ミトツダイラ”や幽霊を怖がる“喜美”、それを
温かく見守りつつ記録しながらも時には誘爆して恥ずかしい面を見せる“浅間”、意外と仕事
している“トーリ”ほか色々とワイワイと騒がしくも楽しい雰囲気が楽しめる1冊でした。
2014年11月18日
『ゼロから始める魔法の書II ―アクディオスの聖女〈上〉―』
いわさきたかし 先生による漫画化が決定した、虎走かける 先生の「第20回電撃小説大賞」
大賞受賞作。第2巻は魔法拡散を防ぐため、“ゼロ”たちは一路「聖都」を目指します。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866649-7/ 】
今年の新人賞作品として自分の中で一押しでしたので待ってましたよ続刊を。ということで
呪文の詠唱なども無しに「神の奇跡」によって病人や怪我人を治療する聖女の旅に同行する
契機を得た“ゼロ”は彼女がその奇跡を「どこかで習ったもの」と判断し、いぶかしみます。
加えてその聖女“リア”が獣堕ちである“傭兵”に懐くものだから旅の道連れとしても心が
落ち着かない“ゼロ”。まぁ、アピールしてもなびかないのが“傭兵”のスタイルですけど
“十三番”の時とは違う理由で自分の下を離れるのでは、と疑念を募らせるのも無理はなく。
同行の“テオ”や“盲目の神父”と共に聖都アクディオスに辿り着いた“ゼロ”は美しい町
と例えるも金持ちばかりが住むと知り失望。“傭兵”も町に漂う死臭が気になり調べると
「神の奇跡」の秘密を知り失望。共に追われる身となった2人の行方は下巻にて語られます。
大賞受賞作。第2巻は魔法拡散を防ぐため、“ゼロ”たちは一路「聖都」を目指します。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866649-7/ 】
今年の新人賞作品として自分の中で一押しでしたので待ってましたよ続刊を。ということで
呪文の詠唱なども無しに「神の奇跡」によって病人や怪我人を治療する聖女の旅に同行する
契機を得た“ゼロ”は彼女がその奇跡を「どこかで習ったもの」と判断し、いぶかしみます。
加えてその聖女“リア”が獣堕ちである“傭兵”に懐くものだから旅の道連れとしても心が
落ち着かない“ゼロ”。まぁ、アピールしてもなびかないのが“傭兵”のスタイルですけど
“十三番”の時とは違う理由で自分の下を離れるのでは、と疑念を募らせるのも無理はなく。
同行の“テオ”や“盲目の神父”と共に聖都アクディオスに辿り着いた“ゼロ”は美しい町
と例えるも金持ちばかりが住むと知り失望。“傭兵”も町に漂う死臭が気になり調べると
「神の奇跡」の秘密を知り失望。共に追われる身となった2人の行方は下巻にて語られます。
2014年11月17日
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか6 小冊子付き限定版』
大森藤ノ 先生が贈る、一端の冒険者である少年と矮小なる女神が織り成す眷族の物語。
第6巻は神“アポロン”が“ベル”を奪うべく“ヘスティア”に代理戦争を仕掛けます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797380590.html 】
“アポロン”の執拗かつ容赦のない計略に乗せられた“ヘスティア”。圧倒的に不利な
状況下に絶望する間もなく「ソーマ・ファミリア」を抜ける直談判に踏み切った“リリ”
が主神の代行者“ザニス”に捕らわれてしまうという危機的な状況でも彼女らは屈しない。
これまでの冒険で培ってきた経験が、そして人脈がその危機を少しずつ覆し、更に“ベル”
の急激な成長を促していく。その結果として“カサンドラ”の予知夢が現実のものとなる
過程が実にスカッと爽快になれる展開です。そしてまたスラスラと読みやすいのも秀逸。
今回嵌められた宴席にて“ヘルメス”から告げられたオラリオ最強のファミリアやその主神
である“ゼウス”、あるいは今も残る三大冒険者依頼(クエスト)の1つと古のモンスター
といった気になるカードも切られて今後どう動いていくか引き続き注目していきたい所です。
限定版の小冊子は以下の3点を収録。
・「ダンまち」イラストギャラリー&設定集 Ver.2
・ゲストイラストレーション
・書き下ろし短編集「Shall we Dance? 2」
ゲストのイラストレーターは以下のとおり。ロリ巨乳、というだけで選んでいる方も
いますが“ヘスティア”率高し。兎塚エイジ 先生のイラストがめちゃめちゃイイです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・NOCO (エイナ&ベル)
・飯塚晴子 (ヘスティア)
・兎塚エイジ (ヘスティア&リリ)
・神無月昇 (ヘスティア)
・たかやKi (ベル&ヘスティア&アイズ)
・みけおう (ヘスティア)
・ヤス (エイナ)
※敬称略(括弧内は描かれたキャラクター)
_____________________________________
短編集は本編にて“ベル”と社交ダンスをする機会を逃した“ヘスティア”のリトライ。
のっけから参加者にちやほやされる彼女を気遣いつつ彼がその他の女性陣へのフォロー
に回っていくお話。最後には丸く収まってくれて情景が目に浮かぶかのようでした。
第6巻は神“アポロン”が“ベル”を奪うべく“ヘスティア”に代理戦争を仕掛けます。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4797380590.html 】
“アポロン”の執拗かつ容赦のない計略に乗せられた“ヘスティア”。圧倒的に不利な
状況下に絶望する間もなく「ソーマ・ファミリア」を抜ける直談判に踏み切った“リリ”
が主神の代行者“ザニス”に捕らわれてしまうという危機的な状況でも彼女らは屈しない。
これまでの冒険で培ってきた経験が、そして人脈がその危機を少しずつ覆し、更に“ベル”
の急激な成長を促していく。その結果として“カサンドラ”の予知夢が現実のものとなる
過程が実にスカッと爽快になれる展開です。そしてまたスラスラと読みやすいのも秀逸。
今回嵌められた宴席にて“ヘルメス”から告げられたオラリオ最強のファミリアやその主神
である“ゼウス”、あるいは今も残る三大冒険者依頼(クエスト)の1つと古のモンスター
といった気になるカードも切られて今後どう動いていくか引き続き注目していきたい所です。
限定版の小冊子は以下の3点を収録。
・「ダンまち」イラストギャラリー&設定集 Ver.2
・ゲストイラストレーション
・書き下ろし短編集「Shall we Dance? 2」
ゲストのイラストレーターは以下のとおり。ロリ巨乳、というだけで選んでいる方も
いますが“ヘスティア”率高し。兎塚エイジ 先生のイラストがめちゃめちゃイイです。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・NOCO (エイナ&ベル)
・飯塚晴子 (ヘスティア)
・兎塚エイジ (ヘスティア&リリ)
・神無月昇 (ヘスティア)
・たかやKi (ベル&ヘスティア&アイズ)
・みけおう (ヘスティア)
・ヤス (エイナ)
※敬称略(括弧内は描かれたキャラクター)
_____________________________________
短編集は本編にて“ベル”と社交ダンスをする機会を逃した“ヘスティア”のリトライ。
のっけから参加者にちやほやされる彼女を気遣いつつ彼がその他の女性陣へのフォロー
に回っていくお話。最後には丸く収まってくれて情景が目に浮かぶかのようでした。
2014年11月16日
『カーリー III.孵化する恋と帝国の終焉』
高殿円 先生の『カーリー』が8年の時を経て、満を持して新刊の登場。第二次世界大戦の
真っ只中、英国の大学へと進学した“シャーロット”は行方不明の“カーリー”に再び会う
ためだけにあらゆる手を模索する日々を過ごし、緊張感が増すインドへと舞い戻ります。
【 http://kodanshabunko.com/kali3.html 】
空白の期間を埋めるためのテキスト、とりわけ大戦下の世界そしてインド情勢を伝えるそれ
が膨大かつ精緻で、彼女たちの現実を目の当たりにさせてくれます。“シャーロット”たち
も年を経て国や立場の違いがあることもちょくちょく見せてきます。これは後に響きそう。
アクロバティックな方法でインド入りした“シャーロット”も意図せず政治の重要局面に
関わることになる中、意外なところから“カーリー”と再会を果たします。らしいと言えば
らしい彼の意図と忍び寄る窮地を知った彼女の行動がどう影響するのか見ものと言えます。
椋本夏夜先生の挿絵がついてこないことが唯一の心残りではあります。電子書籍かあるいは
「講談社ラノベ文庫」に回して「イラスト付き完全版」として出してくれたら買いなおす気
マンマンなんですけどね、と言いながら更なる時間経過のその先を追いたいと思います。
#よろしければ、こちらもどうぞ。
#
#◆カーリー復刊によせて - Togetterまとめ
#【 http://togetter.com/li/732099 】
真っ只中、英国の大学へと進学した“シャーロット”は行方不明の“カーリー”に再び会う
ためだけにあらゆる手を模索する日々を過ごし、緊張感が増すインドへと舞い戻ります。
【 http://kodanshabunko.com/kali3.html 】
空白の期間を埋めるためのテキスト、とりわけ大戦下の世界そしてインド情勢を伝えるそれ
が膨大かつ精緻で、彼女たちの現実を目の当たりにさせてくれます。“シャーロット”たち
も年を経て国や立場の違いがあることもちょくちょく見せてきます。これは後に響きそう。
アクロバティックな方法でインド入りした“シャーロット”も意図せず政治の重要局面に
関わることになる中、意外なところから“カーリー”と再会を果たします。らしいと言えば
らしい彼の意図と忍び寄る窮地を知った彼女の行動がどう影響するのか見ものと言えます。
椋本夏夜先生の挿絵がついてこないことが唯一の心残りではあります。電子書籍かあるいは
「講談社ラノベ文庫」に回して「イラスト付き完全版」として出してくれたら買いなおす気
マンマンなんですけどね、と言いながら更なる時間経過のその先を追いたいと思います。
#よろしければ、こちらもどうぞ。
#
#◆カーリー復刊によせて - Togetterまとめ
#【 http://togetter.com/li/732099 】