「ファミ通文庫」で数々の作品を世に送り出す 野村美月 先生が「ダッシュエックス文庫」
に初遠征。親友とその彼女、そして自分の気持ちに揺れ動く少年の若き機微を描きます。
(イラスト:河下水希 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631006-2 】
「ファミ通文庫」の編集さんが処理しきれなくなるほど作品を書き上げる 野村 先生の速筆
ぶりには驚かされることしきり。その上でしっかりと品質の高い作品に仕上げてくるあたり
はもう脱帽と言うしか。しかも 河下 先生の挿絵、実に魅せてくるものばかりで素敵です。
親友の“遥平”が何かとモテる経歴を目の当たりにしてきた“弘凪”。過去に巻き添えを
くって心にしこりを残す“弘凪”に「彼女ができた」と告げる“遥平”。いざ紹介されて
みると何と通学する電車の中で見かける気になるあの子だった! というのだからエグい。
その“古都”と距離を置こうとしても“冴音子”からの横槍もあり余計に距離が近づいて
しまい、ついには・・・という青少年の心の揺れ動くさまをしっかり魅せてくるのは流石です。
落とし所も「いいひと過ぎるだろ、キミたち」と収めてくれたので一安心でございました。
2014年11月30日
2014年11月29日
『はてな☆イリュージョン』
『迷い猫オーバーラン!』のコミカライズでタッグを組んだ松智洋 先生、矢吹健太朗 先生
が新創刊「ダッシュエックス文庫」のキービジュアル、看板タイトルを担って新作刊行です。
(イラスト:矢吹健太朗 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631007-9 】
見開き挿絵は審議がいるのではないですかね。矢吹 先生だからいいんですかね(苦笑)?
それはさておき、奇術師になるべく幼なじみの果菜こと“はてな”と呼ぶ彼女の親“衛”に
師事するため“真”が上京してから始まる物語。彼女の誤解が彼を大いに困惑させます。
有名な奇術師として海外を飛び回る“衛”とその妻“メイヴ”。実はそれには別の理由も
あって、ということで色々と後手に回る“はてな”の困惑ぶりが見ていて楽しい。そんな
状況を余所に彼女の“夢未”との好感度を知らず知らず上げていく“真”が羨ましい。
“真”も自分たちの秘密に関係していると気付いた“はてな”。彼女の決意と決別に一度
は打ちひしがれる彼も全てを知って共にあることを望んでからの大逆転で大団円の展開は
爽快です。話のオチに動揺が隠せない彼と彼女の未来は如何に、で次巻へと続きます。
が新創刊「ダッシュエックス文庫」のキービジュアル、看板タイトルを担って新作刊行です。
(イラスト:矢吹健太朗 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631007-9 】
見開き挿絵は審議がいるのではないですかね。矢吹 先生だからいいんですかね(苦笑)?
それはさておき、奇術師になるべく幼なじみの果菜こと“はてな”と呼ぶ彼女の親“衛”に
師事するため“真”が上京してから始まる物語。彼女の誤解が彼を大いに困惑させます。
有名な奇術師として海外を飛び回る“衛”とその妻“メイヴ”。実はそれには別の理由も
あって、ということで色々と後手に回る“はてな”の困惑ぶりが見ていて楽しい。そんな
状況を余所に彼女の“夢未”との好感度を知らず知らず上げていく“真”が羨ましい。
“真”も自分たちの秘密に関係していると気付いた“はてな”。彼女の決意と決別に一度
は打ちひしがれる彼も全てを知って共にあることを望んでからの大逆転で大団円の展開は
爽快です。話のオチに動揺が隠せない彼と彼女の未来は如何に、で次巻へと続きます。
2014年11月28日
『天翔虎の軍師6』
上総朋大 先生が贈るファンタジー戦記シリーズ。第6巻はラーカス軍と帝国軍、ひいては
天翔虎と天竜姫という稀代の軍師たちが真正面からぶつかる最終局面を描く完結巻です。
(イラスト:庄名泉石 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301403000608 】
“ユミカ”が五重にも巡らせた計略をギリギリの局面で回避する“シエル”ではあります
けれど、それも優秀な部下が居てこそということで。軍師の言うことを聞かないと後々で
大変な目に遭う、という役回りを“ノスティーク”が務めてくれたのも「らしさ」かと。
“シエル”と“ミオ”、2人が結ばれる未来は確定しているにしても“エナ”のことを
“ミオ”に聞いちゃうあたりどんだけ軍略バカなのかと心の中で苦笑してしまいましたが
“エナ”自身にも踏ん切りをつかせる結びになっていたのは救われる思いがしました。
戦いの結果については言わずもがな、ですけど“ユミカ”も宣言するところはしっかりと
布告してくれて良かったです。庄名泉石 先生のイラストが見られるだけでも大満足な作品
でもありました。完結をお祝い申し上げると共に次回作の発表に期待しておきます。
天翔虎と天竜姫という稀代の軍師たちが真正面からぶつかる最終局面を描く完結巻です。
(イラスト:庄名泉石 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301403000608 】
“ユミカ”が五重にも巡らせた計略をギリギリの局面で回避する“シエル”ではあります
けれど、それも優秀な部下が居てこそということで。軍師の言うことを聞かないと後々で
大変な目に遭う、という役回りを“ノスティーク”が務めてくれたのも「らしさ」かと。
“シエル”と“ミオ”、2人が結ばれる未来は確定しているにしても“エナ”のことを
“ミオ”に聞いちゃうあたりどんだけ軍略バカなのかと心の中で苦笑してしまいましたが
“エナ”自身にも踏ん切りをつかせる結びになっていたのは救われる思いがしました。
戦いの結果については言わずもがな、ですけど“ユミカ”も宣言するところはしっかりと
布告してくれて良かったです。庄名泉石 先生のイラストが見られるだけでも大満足な作品
でもありました。完結をお祝い申し上げると共に次回作の発表に期待しておきます。
2014年11月27日
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典2』
羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。第2巻は学院が開催する
「魔術競技祭」に向けて邪な気持ちで臨む“グレン”が思わぬお家騒動に巻き込まれます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321404000006 】
金欠の回避策として「魔術競技祭」優勝時にもらえる特別賞与を狙い、更には“ハーレイ”
との賭けで上乗せを図る“グレン”。成績優秀者を各種目に使いまわす前者に対し、各種目
適材適所にクラス全員の能力を見極め、割り当てる後者。両陣営の激突がドラマを生みます。
その競技を見に来た女王陛下“アリシア”。陛下の来訪が“ルミア”の過去、“エルミアナ”
とかつて呼ばれた時の記憶を呼び起こし、思わぬ親娘の再会にも冷たく当たってしまう彼女。
悩む彼女を突如襲う陛下の親衛隊から護る“グレン”が嫌々ながらも仕事するあたりが素敵。
接戦の行方と“ルミア”の窮地が絡み合って進行する緊迫の展開が絶妙で手に汗握る感覚を
味わわせてくれます。かつての仲間である“リィエル”らの手助けもあり事なきを得ました
が、それでも捉えられなかった黒幕が“ルミア”を欲する所にどんな思惑があるか注目です。
「魔術競技祭」に向けて邪な気持ちで臨む“グレン”が思わぬお家騒動に巻き込まれます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321404000006 】
金欠の回避策として「魔術競技祭」優勝時にもらえる特別賞与を狙い、更には“ハーレイ”
との賭けで上乗せを図る“グレン”。成績優秀者を各種目に使いまわす前者に対し、各種目
適材適所にクラス全員の能力を見極め、割り当てる後者。両陣営の激突がドラマを生みます。
その競技を見に来た女王陛下“アリシア”。陛下の来訪が“ルミア”の過去、“エルミアナ”
とかつて呼ばれた時の記憶を呼び起こし、思わぬ親娘の再会にも冷たく当たってしまう彼女。
悩む彼女を突如襲う陛下の親衛隊から護る“グレン”が嫌々ながらも仕事するあたりが素敵。
接戦の行方と“ルミア”の窮地が絡み合って進行する緊迫の展開が絶妙で手に汗握る感覚を
味わわせてくれます。かつての仲間である“リィエル”らの手助けもあり事なきを得ました
が、それでも捉えられなかった黒幕が“ルミア”を欲する所にどんな思惑があるか注目です。
2014年11月26日
『着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活』
はまだ語録 先生の「第5回『このライトノベルがすごい!』大賞・最優秀賞」受賞作品。
髪の色と魔力量が関係する世界で魔力を持たない青年が秘密を抱えて隠棲する話です。
(イラスト:しゅがすく 先生)
【 http://konorano.jp/bunko/new_bunko#new01 】
“マリア”と“アリス”、両親を失った彼女たちが葬式の場で初めて会う義兄“幸太郎”は
能力が無いとされる黒髪であり、毛嫌いされ家を出奔していた。そこへ祖父から身元引受人
として彼を指名したと告げられ、渋々向かってみれば熊の着ぐるみが出迎えてきて──。
奇妙な同居生活、田舎暮らしに辟易したりする2人ではあるものの少しずつ馴染んでいって
人間的に成長していく様子や“幸太郎”の秘密を垣間見て見方が変わっていく過程が見所の
1つ。着ぐるみ姿で何でもかんでもこなしてく、というのは何とも奇妙な絵面ですけど。
その着ぐるみに中身が無い、という意味を知ってから“幸太郎”と問いただすも彼の決意は
固く、それならということで姉妹で彼の願いを覆してやろうと奮戦する展開がまた良かった
と思います。幸せに生きる道を得た“幸太郎”の門出は素直に祝えないほど羨ましいです。
髪の色と魔力量が関係する世界で魔力を持たない青年が秘密を抱えて隠棲する話です。
(イラスト:しゅがすく 先生)
【 http://konorano.jp/bunko/new_bunko#new01 】
“マリア”と“アリス”、両親を失った彼女たちが葬式の場で初めて会う義兄“幸太郎”は
能力が無いとされる黒髪であり、毛嫌いされ家を出奔していた。そこへ祖父から身元引受人
として彼を指名したと告げられ、渋々向かってみれば熊の着ぐるみが出迎えてきて──。
奇妙な同居生活、田舎暮らしに辟易したりする2人ではあるものの少しずつ馴染んでいって
人間的に成長していく様子や“幸太郎”の秘密を垣間見て見方が変わっていく過程が見所の
1つ。着ぐるみ姿で何でもかんでもこなしてく、というのは何とも奇妙な絵面ですけど。
その着ぐるみに中身が無い、という意味を知ってから“幸太郎”と問いただすも彼の決意は
固く、それならということで姉妹で彼の願いを覆してやろうと奮戦する展開がまた良かった
と思います。幸せに生きる道を得た“幸太郎”の門出は素直に祝えないほど羨ましいです。