支倉凍砂 先生のファンタジー小説。 第6巻は古代の民の謎を追う“クースラ”たちが、
かつて天使が降臨したという町でガラス職人のいざこざに巻き込まれる顛末を描きます。
(イラスト/鍋島テツヒロ 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866899-6/ 】
「伝説の灰を撒くと金や銀が育つ」という言い伝えを担う硝子職人は職業柄、高温を作り
出すために大量の燃料を消費する。それにより経済的な負担を強いられる街の人々と確執
が排斥運動に繋がる直前、両者の間に在る密かな恋物語に“クースラ”が気付きます。
明確な変化が窺える“フェネシス”との関係や“イリーネ”が抱き続ける願い、つまり
恋心あふれる状況に「惚れ薬」もしくは「催淫薬」といった単語が飛び交い繊細な機微
を垣間見せる各々の言動が見所の1つ。“クースラ”もまだまだ素直じゃありません。
確執も恋物語も一気に解決させてしまう奇跡を起こす鍵が「伝説の灰」にあることに
気がついた“クースラ”の大見得の切り方、そして導き出された結果に注目。やはり
コミュニケーション・エラーは回避すべきリスクであることを思い知らされました。