2014年09月16日

『神様のメモ帳9』

杉井光 先生の NEET TEEN ストーリー、シリーズ最終巻。紫苑寺家当主の危篤に伴い次々
現れる実家の関係者と相続問題に関わる殺人事件に“アリス”たちが巻き込まれます。
(イラスト/岸田メル 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866728-9/


身を護るために同居を申し出る“茉梨”や、上を行くクラック技術で否応無く身柄を引き
受ける“螢一”。その他諸々、紫苑寺家の闇に呑まれる前に“鳴海”たちを突き放しに
かかる“アリス”の決意。為す術もなく一度は打ちひしがれる彼の姿は痛々しい程です。

けれどちょっとした気付きから「It's the only NEET thing to do.」その言葉に後押し
されるかのように“アリス”を取り戻す勇気と力を得た“鳴海”。一世一代の詐欺に出る
彼の格好良さはぜひ注目してほしい所。そして紫苑寺家が抱える驚愕の真実についても。

“アリス”に代わって探偵役を務める“鳴海”が、彼女の名前が持つ意味を説いたとき
最後の事件の解決と別れが物悲しさを誘います。最後の演出と締め括りがまた絶妙で良い
終わり方をした、とつくづく思います。無事の完結を心よりお祝い申し上げます。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル