2014年09月15日

『異世界居酒屋「のぶ」』

「小説家になろう」最大のコンテスト「なろうコン大賞」にて 蝉川夏哉 先生が受賞した
作品。異世界に繋がった居酒屋で物珍しく美味い料理を求める客たちが物語を紡ぎます。
(イラスト:転 先生)

http://tkj.jp/campaign/konorano/bunko/special/narou/
http://ncode.syosetu.com/n9773bj/


「トリアエズナマ」。ウチらには分かるけどキミたちには分からない、その雰囲気を示す
カタカナで綴られた字面が良い。そこから居酒屋「のぶ」の味にハマっていく異世界の
人々が集い、繋がっていく小編の連続がまた読みやすくて小気味良いのもすばらしい。

そして何よりも出てくる料理の絶妙な描写が、いわゆる「飯テロ」を彷彿とさせて思わず
酒と肴を買ってきたくなる読了感が味わえます。『孤独のグルメ』の 久住昌之 先生から
帯コメントを戴いたのも良いタイミング。・・・ノイタミナ枠でアニメ化とかどうですか?

多くの客を呼び込んだ「トリアエズナマ」が店を畳む危機をも招き入れる事態に陥ります
が、店の常連たちが力を貸して凌ぎきるという人情味あふれる展開には心温まるものを
感じました。“のぶ”と“しのぶ”の自然体な関係も魅力の1つでオススメの1冊です。

posted by 秋野ソラ at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年09月14日

『恋をしたら死ぬとか、つらたんです!』

みかみてれん 先生のWeb小説が書籍化。恋をしたら即死亡、という未来の乙女ゲームへと
送り込まれた人類史上最高の惚れっぽい少女(クレイジーサイコビッチ)の運命や如何に。
(イラスト:(主人公イラスト)依存 先生、(美少年イラスト)松本テマリ 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047297548/?aid=crp
http://ncode.syosetu.com/n6529bs/


未来の体感型乙女ゲーム『乙女は辛いデス』のテストプレイヤーとして選ばれた“ヒナ”。
未来人“シュルツ”の説明によると、恋愛力が常人で10程度なのに53万もあるという少女。
「恋をすると死ぬ」「クリアするまで出られない」そんな仕様が想定外の展開を生み──。

ということで巻き込まれた“シュルツ”がとんでもなくかわいそうに見えて仕方がない。
少し進んだかと思えば唐突に死んでいく、何回やっても死んでいく“ヒナ”の思考と嗜好
にある種の戦慄を覚えながらも慣れてしまうあたりはまさに他人事だからか(苦笑)。

現実世界で過去にやらかした「やんちゃ」ぶりを示すエピソードの数々も衝撃的。まさか
それがゲーム攻略に活かされることになるとは思いもせず。女子高生になり恋する気持ち
を抑えてきた彼女がどこまでぶっ飛んでいってしまうのか、実に興味が沸く物語です。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年09月13日

『奥様は惨殺少女』

フリーホラーゲーム『料理』と『奥様は惨殺少女』の原作者である 神波裕太 先生が自ら
ノベル化。とあるサラリーマンと中学生の愛妻が繰り広げる衝撃の連続を拝読しました。
(イラスト:wogura 先生)

http://www.amazon.co.jp/dp/4040669843/ref=cm_sw_r_tw_dp_jc0cub1H4HC7N
http://t-o-k.sakura.ne.jp/


「お風呂にする? ご飯にする? むしろ私? それとも・・・・・・みゆきに、する・・・・・・?」
中学生の“さゆり”を妻とする“大志”が“みゆき”を選ぶと即 BAD END でやり直し?
不自然な状況下で平然と日々を過ごす彼と彼女の間に何が起こっているというのか──。

殺されては復活して、とまるでゲームみたいな展開を見せながら「どうもそうじゃないぞ」
という「今」が明らかになっていく流れ。“さゆり”の苦しみが、狂気が最高潮に達する
頃には“大志”も“みゆき”もおかしくなっていることに気付かされ、慄くほかなく。

全ては“みゆき”の家庭事情が、そして彼女自身の気質が引き起こした悪夢としか言い様
のない現実。巻き込まれた“さゆり”が、そして“大志”が不憫で仕方がない。願わくば
二人にいま一度、幸せなときを。そんなことを思わずにはいられない物語でありました。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年09月12日

『クロス×レガリア 王威の決戦』

三田誠 先生が贈るシリーズ第8巻。“西王母”の圧倒的な力の差を見せつけられつつも
王権(レガリア)を持つ者の意地として“ナタ”を救うべく“馳郎”が立ち向かいます。
(イラスト:ゆーげん 先生)

http://www.sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321403000166


ロリババア、良いですね! ということで白鳳六家が一角「真朱」の序列第一位“真冬”
が登場したことで俄然勢いづく“馳郎”たち。“真冬”いわく、このことすら先代白翁
は読んでいたのではないか、そんなことを感じさせる“真冬”の言葉が印象に残ります。

その先代白翁の意思を確かめるために打ち出した“馳郎”の突拍子もないアプローチが
これまた凄い。更に言うと“西王母”が今回の事を起こした事情を鑑みて手を打ちつつ
真っ向から立ち向かっていくあたり、白翁であり王なのだと強く感じさせてくれました。

数々の激闘の中で、やはり目を惹くのは“蓮花”と“ナタ”の一戦。気持ちも体も一線を
超えた彼女の情熱的で苛烈な攻めの姿勢が非情に好ましく映りました。終章で見せた彼女
の優位性が未来に上手く繋がればと思います。ということで完結おめでとうございます。

posted by 秋野ソラ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年09月11日

『ワールドウォーカーズ・クロニクル ─異世界渡り英雄記─』

『月花の歌姫と魔技の王』の 翅田大介 先生が贈る新作は異世界トリップ・ファンタジー。
世界の中心に在る塔が突如放つ光と共に降ってきた少女にある少年が運命を動かされます。
(イラスト/い〜どぅ〜 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/558.html


天上までそびえ、神の御業とされる《塔(トゥリス)》。それを奉る「塔神協会」の新米
騎士を務める“ヴィル”はかつての功績から「白刃の死神」と称されるも身分は低いまま。
そんな状況もお構いなしの彼はある目的のため、いつか旅に出ることを夢見ていた──。

最近の「HJ文庫」に見られる傾向として「強い男主人公が出てくる」気がする今日この頃。
“ヴィル”も自身の能力の高さと剣に光を纏わせる謎の力をもって自由気ままに生きて、
腐敗した塔神協会から救った謎の少女“ミュート”と共に異世界へ旅立つのも厭わない。

旅立った先で「陸躯人(リクビト)」と「海身人(ウミビト)」のいざこざから救った
“アマラ”とイイ感じになってみたり、追いかけてきた“エリザ”から迫られたりと
増えていく異世界とその現地妻が物語にどう絡んでくるのかがポイントになりそうです。


#僭越ながら、まとめさせていただいております。

#【ツイッター・インタビュー】
#『ワールドウォーカーズ・クロニクル -異世界渡り英雄記-』
#(HJ文庫)著者・翅田大介先生 - Togetterまとめ
#【 http://togetter.com/li/712050

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル