十文字青 先生が綴る見知らぬ世界の冒険譚。第4巻は砦の攻略に力を合わせ辛くも成功
した“ハルヒロ”たちに更なる厳しい現実と、思いもよらぬ転機が舞い込んできます。
(イラスト:白井鋭利 先生)
【 http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784906866915 】
冒頭から衝撃的なシーンを入れてくるところは実に容赦がない。けれどそれが“ハルヒロ”
たちの置かれた今であり、現実でもあるということをいやが上にも印象づけてきます。
そして不穏な空気が流れ始めるパーティの面々。嫌な予感がつきまとう展開が続きます。
今回は“メリイ”が精神的に一番厳しい状況に置かれ、どうなることやらと思いましたが
特に“ユメ”の明るさに助けられました。首の皮一枚で繋がったような感があります。
そういった意味では“ランタ”のズケズケとした物言いもそれに値する気がします。
砦の攻略によって思いがけない収入を得た“ハルヒロ”たちが選んだ新しい冒険の地
「ワンダーホール」。そこでまた死地に陥るも、死中に活ありとでも言いますか、自分
たちの可能性を信じる契機となって前に進んでいくあたりは本当に救われました。