前野ひろみち・仁木英之・円居挽・寒河狷介・秋月耕太・箕崎准(敬称略)によるリレー
小説、そして短編を収録した「奈良」愛に溢れる同人誌、その第4弾を拝読であります。
(イラスト:ふみふみこ さん)
【 http://lilting.ch/dojin/nr/4/ 】
リレー小説はとある健康法「NR療法」を題材にした物語。施術士が注意を促す「NR空間」
の謎がやがて「NR療法」そのものに秘められた壮大な計画へと繋がっていく展開はまさに
「どうしてそうなった」感がハンパなくて素敵。最後はきちんとラブで収めてきますし。
秋月耕太 さんの「ふたりの、密室」が密室百合もので一番楽しめました。すれ違って、
でもまたちょっと戻してという淡くて脆い関係が好きです。そういう点では 箕崎准 さん
の「奈良の女子校生が「ろこどる」やってみた。」も百合だから好きですね。(そこか)
円居挽 さんの「NGNR(ノゲナラ)」が毎度トレンドを押さえてくるタイトルで惚れ惚れ
します。とある学園を担う一族の弱みを握るため暗躍する少年が見せる人情もの、という
ことで内容も良かったです。次回『NR5』で締め括りとなるそうですので期待しています。
2014年08月31日
2014年08月30日
『ミライニッキ -CURSE DIARY-』
辰川光彦 先生が贈る新作。3人の少女と出会い、彼女たちと共に破滅する未来を予告
する日記を突如手にした少年が戸惑い、抗う術を模索する術を模索する物語です。
(イラスト/wingheart 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866831-6/ 】
クールな才女だが不思議系のクラスメイト、“三田村恭子”。校則に厳しくも優しい面の
ある生徒会長、“東條葵”。飼育委員の下級生、“灰島エリナ”。縁のない3人と近付き、
3人を受け入れ、3人と共に死ぬ未来を突きつけられた“達哉”がとる行動や如何に──。
最初はいぶかしみつつも気にも留めなかった日記の示す未来の内容が少しずつ現実味を
帯びていくにつれて戸惑いと焦りを生んでいく“達哉”の機微が見せ所。3人の女の子と
仲良くなること自体は嬉しいのに、その先にある絶望がそれを打ち砕く矛盾がたまらない。
日記に書いてある内容が細かかったり荒かったりと“達哉”を翻弄してくる点もポイント。
誰が仕向けたのか? その目的は? 悲劇を回避する鍵を握る人物はどこまで頼れる?
表3にある wingheart 先生のコメントに痛く共感しながら、次巻の内容に期待します。
する日記を突如手にした少年が戸惑い、抗う術を模索する術を模索する物語です。
(イラスト/wingheart 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866831-6/ 】
クールな才女だが不思議系のクラスメイト、“三田村恭子”。校則に厳しくも優しい面の
ある生徒会長、“東條葵”。飼育委員の下級生、“灰島エリナ”。縁のない3人と近付き、
3人を受け入れ、3人と共に死ぬ未来を突きつけられた“達哉”がとる行動や如何に──。
最初はいぶかしみつつも気にも留めなかった日記の示す未来の内容が少しずつ現実味を
帯びていくにつれて戸惑いと焦りを生んでいく“達哉”の機微が見せ所。3人の女の子と
仲良くなること自体は嬉しいのに、その先にある絶望がそれを打ち砕く矛盾がたまらない。
日記に書いてある内容が細かかったり荒かったりと“達哉”を翻弄してくる点もポイント。
誰が仕向けたのか? その目的は? 悲劇を回避する鍵を握る人物はどこまで頼れる?
表3にある wingheart 先生のコメントに痛く共感しながら、次巻の内容に期待します。
2014年08月29日
『スカイ・ワールド8』
瀬尾つかさ 先生が贈るMMORPGノベル。第8巻は“アリス”救出のためにレイドへ挑む
“ジュン”たちと神秘の座のスパイを探す“サクヤ”たちの努力が成果を結びます。
(イラスト:武藤此史 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301401000231 】
口絵の肌色率が高めで良いですね。さて、本編は“リュカ”のヒロイン度が上がっている
ことに対して“ユーカリア”たち女性陣が危機感を覚えたりと場違いなノリで盛り上がる
中で“ジュン”はしっかりと進めるところは進めていたりします。色々とね、ホントに。
とは言いつつも“サクヤ”と離れてから「2人で1人」という感覚を“ジュン”が改めて
認識しているところがまた面白い。この微妙なバランスを保って繋がっている人間関係が
どう動くのか楽しくて本作を読んでいるのだと、こちらも再認識させてもらいました。
対峙する状況が、そして相手がどんどんチートと化していく中で“ジュン”も“サクヤ”
も果敢に攻めていくのですが・・・やはり限界があります。それがあのラストを迎えること
となるワケで。この先、光明はあるのか。望みを託しつつ、次巻の刊行を待ちます。
“ジュン”たちと神秘の座のスパイを探す“サクヤ”たちの努力が成果を結びます。
(イラスト:武藤此史 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301401000231 】
口絵の肌色率が高めで良いですね。さて、本編は“リュカ”のヒロイン度が上がっている
ことに対して“ユーカリア”たち女性陣が危機感を覚えたりと場違いなノリで盛り上がる
中で“ジュン”はしっかりと進めるところは進めていたりします。色々とね、ホントに。
とは言いつつも“サクヤ”と離れてから「2人で1人」という感覚を“ジュン”が改めて
認識しているところがまた面白い。この微妙なバランスを保って繋がっている人間関係が
どう動くのか楽しくて本作を読んでいるのだと、こちらも再認識させてもらいました。
対峙する状況が、そして相手がどんどんチートと化していく中で“ジュン”も“サクヤ”
も果敢に攻めていくのですが・・・やはり限界があります。それがあのラストを迎えること
となるワケで。この先、光明はあるのか。望みを託しつつ、次巻の刊行を待ちます。
2014年08月28日
『冴えない彼女の育てかたFD』
丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。第7巻の刊行を前に登場するのは
ファンディスクという名の短編集。“英梨々”の母“小百合”が表紙を飾ります。
(イラスト:深崎暮人 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321405000011 】
“倫也”に対するアプローチとしては“英梨々”が一番前のめりで頑張っている気がする
と思う反面、一番報われていないと感じるのも彼女なのですよね。それにしても挿絵の力
ハンパないですね。29ページのとか 深崎 先生だからって攻めすぎでしょうもっとやれ。
その分、“詩羽”は“倫也”をからかったりと一定の距離感を保ちつつもそれなりの成果
というか役得は享受している感じがします。攻めというか責めのアプローチは担当編集の
“町田”と合わせていいコンビ。青少年向けには少々刺激は強そうに感じますが(苦笑)。
そして“恵”は仲間内から容赦なく不気味だの腹黒いだの言われて衝撃を隠せないワケで
ありますが。・・・フラットな目、ってあんな感じなんだ。とは言え“倫也”との自然な距離
を保持する彼女の優位は変わらないか。そのあたり7巻で確認させて頂くとしましょう。
ファンディスクという名の短編集。“英梨々”の母“小百合”が表紙を飾ります。
(イラスト:深崎暮人 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321405000011 】
“倫也”に対するアプローチとしては“英梨々”が一番前のめりで頑張っている気がする
と思う反面、一番報われていないと感じるのも彼女なのですよね。それにしても挿絵の力
ハンパないですね。29ページのとか 深崎 先生だからって攻めすぎでしょうもっとやれ。
その分、“詩羽”は“倫也”をからかったりと一定の距離感を保ちつつもそれなりの成果
というか役得は享受している感じがします。攻めというか責めのアプローチは担当編集の
“町田”と合わせていいコンビ。青少年向けには少々刺激は強そうに感じますが(苦笑)。
そして“恵”は仲間内から容赦なく不気味だの腹黒いだの言われて衝撃を隠せないワケで
ありますが。・・・フラットな目、ってあんな感じなんだ。とは言え“倫也”との自然な距離
を保持する彼女の優位は変わらないか。そのあたり7巻で確認させて頂くとしましょう。
2014年08月27日
『とある飛空士への誓約 6』
犬村小六 先生が贈る飛空士たちの恋と空戦の物語。「誓約」第6巻はエリアドールの七人
がそれぞれの立場に分かれて敵に味方に、という最中で遂に運命の空戦が火蓋を切ります。
(イラスト/森沢晴行 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094515060 】
戦闘機の一部品として非情に徹する“清顕”。これ以上、大切なものを増やさないために。
撃墜数を増やし、戦歴に箔をつける彼ですが、敵となった“イリア”への撃墜命令を受け
動揺が隠せなくなるあたりに人間性を捨て切れていない部分が見えてしまいます。
一方“イリア”はある程度の覚悟が出来ているものの、躊躇いと思慕の気持ちが残ります。
お互いに切羽詰るところまで至って遂に一騎打ちを迎えてしまいます。避けられなかった
空の渦中で心通わせ、機体と武器を向き合う様子は熱く、物悲しい雰囲気を醸し出します。
“ミオ”や“ライナ”、“バルタザール”も奮闘しています。“ニナ”も最後の力を振り
絞って運命に立ち向かっていきます。“清顕”と“イリア”の戦いが予想だにせぬ未来と
交差するとき物語は、戦局はどう変わるのか。第3部の幕開けとなる次巻に期待します。
がそれぞれの立場に分かれて敵に味方に、という最中で遂に運命の空戦が火蓋を切ります。
(イラスト/森沢晴行 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094515060 】
戦闘機の一部品として非情に徹する“清顕”。これ以上、大切なものを増やさないために。
撃墜数を増やし、戦歴に箔をつける彼ですが、敵となった“イリア”への撃墜命令を受け
動揺が隠せなくなるあたりに人間性を捨て切れていない部分が見えてしまいます。
一方“イリア”はある程度の覚悟が出来ているものの、躊躇いと思慕の気持ちが残ります。
お互いに切羽詰るところまで至って遂に一騎打ちを迎えてしまいます。避けられなかった
空の渦中で心通わせ、機体と武器を向き合う様子は熱く、物悲しい雰囲気を醸し出します。
“ミオ”や“ライナ”、“バルタザール”も奮闘しています。“ニナ”も最後の力を振り
絞って運命に立ち向かっていきます。“清顕”と“イリア”の戦いが予想だにせぬ未来と
交差するとき物語は、戦局はどう変わるのか。第3部の幕開けとなる次巻に期待します。