九岡望 先生が贈る神速アクション。第6巻は攫われた“叶葉”“鴇子”を取り戻すため
“九曜”が黒塚部隊へ奇襲を掛けつつ、「蜉蝣」と“柊”の奪還をも目論みます。
(イラスト/吟 先生)
【 http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866730-2/ 】
かつての姿と暴走する現在のそれを描写することで“柊”に抱く“九曜”の感情を切々と
描く部分、そして同じように昔と今を比較して感じる“九曜”の変化を“柊”が朗々と
指摘してくる場面の対比が良い感じに作用してアクセントが効いています。
“井筒”と“虎杖”、“竜胆”と“日足”といった単純な力の衝突が見せる物悲しさも
さることながら“鴇子”と“鵠子”、“叶葉”と“伍長”といった対峙が見せる切なさ
も相まって全体的にやるせない思いを胸に抱きつつ物語が進行していきます。
鬼虫の死というテーマ、あるいは“庵”“楓”が今在るという存在定義に触れる話を描く
「終/甲」「終/乙」がこれまでの内容を踏まえて昇華している点が実に印象深いところ。
“巴”の決意がどう絡んでくるのか、次巻が最終巻ということで見届けさせて頂きます。