2014年07月12日

『パパのいうことを聞きなさい!16』

松智洋 先生が贈るドタバタアットホームラブコメ、ドラマCD付予約限定版と同時発売と
なる第16巻は“空”は高校生に、“美羽”は中学生となって新たな試練が待ち受けます。
(イラスト:なかじまゆか 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-630787-1


ということで中学デビューした“美羽”が人間関係という問題に緩やかに直面することで
自分という存在が周囲に与える影響ですとか、更に突き詰めて自分が何をしたいのか、等
見つめ直すことになります。その描写にあたって時間間隔がだいぶ狭くなっています。

悩んでいることを周囲に気づかせずに過ごす“美羽”の傍らで“サーシャ”もまた異なる
人間関係、男と女の関係に心を砕くことになります。こちらは事情を隠そうとしていた
“美羽”のほうが聡いこともあって気づかれてしまうのですが・・・結果は読んでの通り。

“莱香”は就職を決め、“祐太”も就職活動に身が入る時期を迎えつつあるという頃合で
一つの線引きをした“美羽”が大きな成長を遂げた巻となりました。それぞれの幸せの形
を書いていくターンに突入した、ということで物語りの締め括りへ加速していきそうです。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月11日

『扉の魔術師の召喚契約<アドヴェント・ゲート>X −その少年、壮烈につき−』

空埜一樹 先生が贈る異世界召喚バトルファンタジー、第5巻は魔術師連盟の召集命令で
連盟本部を訪れた“ロイ”と“アヤメ”が衝撃の真実を告げられ、岐路に立たされます。
(イラスト/ぽんじりつ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/547.html


「アルス・マグナ」の件に探りを入れてきたのかと勘繰る“ロイ”の予想を遥かに上回る
思いを告げてきた魔術師連盟の長“ダンネンベルグ”。結局は袂を分かつことになった
両者の衝突に“ロイ”と“アヤメ”のコンビでも一歩遅れをとる形となります。

もうダメか、と思いきや“ロイ”が選んだ起死回生の策に“ダンネンベルグ”も“アヤメ”
も驚かされることになります・・・っていうかチートすぎるよこの人(笑)。かつて同じ道を
歩んだからこそ対峙し続けた“ロイ”の心意気に天晴れを上げたくなる展開でした。

そして異世界召喚モノの要となる「別れ」のシーンでも、“アヤメ”を喚び出した頃より
精神的にも成長した彼の想いを魅せてくれることとなりました。それで最後の締め括りが
活きてきたりもします。実に最後まで爽快な物語であったと思います。読めて幸せでした。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月10日

『六畳間の侵略者!? 16』

いよいよ明日からTVアニメが順次放映開始となる 健速 先生の人気シリーズ、通算18冊目は
地底人との全面対決に乗り出した“孝太郎”たちが急進派、その黒幕たちと対峙します。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/546.html
http://corona106.tv/


“ルース”さん、ある状況下では最終兵器と呼べるのでは(苦笑)。“孝太郎”の追加装備
「GOL」や“ティア”の「アサルトレッド」など武装面でも強化された面々が急進派たちを
圧倒していくのが見所の1つ。メカも描ける ポコ 先生だからこそイラストも映えます。

“マグズ”の正体に決定的な断絶を見る“キリハ”、“タユマ”の悪あがきに灸を据える
“孝太郎”とドラマティックな場面も同様。特に“キリハ”は強さと弱さの魅せ方が絶妙。
“真耶”や“エゥレクシス”とはもう暫く敵としてお付き合いすることになりそうです。

そして、今回の全面対決で地底人の件が片付いてしまった“キリハ”が“孝太郎”の傍に
居るために示した一身を捧げる覚悟の理由づけ。もうどんだけええ娘なんやと言うね。
次巻は“ティア”からの勧めで海に向かう旅行へ、水着回へとなだれ込むので楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月09日

『覇剣の皇姫アルティーナVI』

コミカライズを決めた むらさきゆきや 先生の大人気覇道戦記ファンタジー。第6巻は依然
窮地に立たされる帝国を救うため“レジス”たちが敵の補給線を絶つべく海戦に挑みます。
(イラスト:himesuz 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_04


“クラリス”の予感は的中する。かつて読んだ書物を元に作戦を立案した“レジス”がその
下調べのために一時“アルティーナ”の側を離れた途端、現地の女性に好意を寄せられる、
という形で。見せつけられる“アルティーナ”がヤキモキする姿も定番といったところ。

今回は船上が舞台、艦隊戦がメインということで宝剣を修繕に出している“アルティーナ”
の出番は抑え気味。その分、魔法が如き“レジス”の策が次々と嵌っていく様子に敵も味方
も驚きを隠せない展開を魅せてくれます。階級も上がってもやることに変わりはありません。

実はこの海戦に挑むことすら味方を騙くらかすための一手だった、という結論にあきれる
しかない“ジェローム”たちですが、次は彼らの出番となる陸戦、傭兵王“ギルベルト”
との一戦が待ち構えています。“ラトレイユ”の抱える事情もあり、どう動くか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月08日

『陸と千星 〜世界を配る少年と別荘の少女』

野村美月 先生が贈る「文学少女」シリーズや「ヒカル」シリーズの原点とも言える物語。
両親の離婚話に悩む少女と母の愛が信じられない少年が出会う一夏を描くお話を拝読です。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


物心ついた時から冷え切った関係にある両親を見て育った“千星”。努めて笑顔を絶やさぬ
ことで修復を図るも上手くいかず、別荘で決裂の時を待つ15歳の夏休みを迎えます。そして
かの地で助けられた少年が新聞配達をしていると知り、朝を待ちわびる日々が続きます。

新しい男を追いかけては別れて、を繰り返す母にうんざりし絵を描くことに没頭する“陸”
が生活費を稼ぐために已む無く続けている新聞配達でお屋敷の少女と顔見知りになります。
幸せそうな彼女の様子と自分の置かれている境遇の落差と、惹かれる何かを感じながら。

互いが互いの事情を知らず、誤解したまま思い込みだけで想いを募らせていくすれ違いと
“千星”が別荘で過ごす夏の間だけでは埋まらない2人の距離感が見せるもどかしさ。
切なさ溢れる展開に 竹岡 先生の一枚絵がまた素晴らしい締め括りを魅せる良作です。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル