2014年07月26日

『軋む楽園(エデン)の葬花少女(グリムリーパー)II』

鷹野新 先生が贈る本格ダークアクション。第2巻は解放したと思った東京クリサリスは
外界と隔離されたままで残勢力と戦い続ける“葛見”が世界の真実に触れていきます。
(イラスト/せんむ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866729-6/


“グラスコフィン”。“葛見”が出会った初顔の葬花少女はクリサリス突入時の生き残り
の一人。けれども心に負った傷が深く、突如自傷行為に至るなど問題を抱えるこの美少女
が“葛見”からして見て敵にとっても味方にとっても話の鍵を握ることになります。

レギオン残党との戦いで地下に穴を開けて怒られることの意味を知った“葛見”は今居る
場所がレギオンごと「切り離す」ことに躊躇の無い見解を持つ者の存在をも知ることと
なります。そしてそれに直面します。・・・これがまた実に憎たらしいキャラでして。

新兵器導入で残党を一掃しようと計画するも、予想外の敵が立ちはだかることでどんでん
返しを食らわされ絶望的な状況に追い込まれる始末。そこを規格外の“葛見”がどう打ち
払っていくかが見所になります。女性陣におけるラブ度の上昇具合にも注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月25日

『マーシアン・ウォースクール2』

エドワード・スミス 先生が贈る、力と陰謀が渦巻く火星戦記。第2巻は“タキオン”を
中心に成長を続ける2D小隊が親地球派の画策で難関な作戦への参加を余儀なくされます。
(イラスト/凱 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866734-0/


“タキオン”と互いの想いは確認し合っているはずの“メリー”は未だ公私混同しない
頑なな姿勢を崩さず。しかしながら今巻でライバル続出なこともあり“メリー”大苦戦。
こういうキャラはとっさの爆発力が鍵を握ると思いますので今後の流れに注目したい所。

そんなモテモテの“タキオン”ですが、部隊生存の確率を少しでも高くする術を模索し
一枚岩ではない上層部へのアプローチを仕掛けます。そこを逆手に取られて再び窮地に
立たされるワケですが、そこに思いもよらぬ立場の人間から助け舟が出ます。

ピンチにへこたれるどころか殊勲を立てる気概を見せるほどに成長したクラスの面々に
感慨深さを覚える“タキオン”。けれどブレそうな彼を支えるのはやはり“メリー”。
敵を見誤らなくなった“タキオン”たちが生き残っていけるのか、次巻も注目です。

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2014年07月24日

『白銀のソードブレイカーII ─不死身の剣聖─』

松山剛 先生が贈る血と剣の絆の物語。第2巻は《剣聖殺し》の“エリザ”が剣を折られ
茫然自失、“レベンス”と共に窮地に立たされる瞬間に思わぬ救いが差し伸べられます。
(イラスト/ファルまろ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866731-9/


ということで温和な様子からは想像も出来ないほどの力の差を見せる“デュランダル”の
前に現れた“ヴァリエガータ”。逃避行の後に体を崩す“エリザ”の代わりに剣を握る
ことを決めた“レベンス”は彼女を師匠と仰ぎ、剣の修繕を目指す傍ら修行を積みます。

打開策として聖剣に頼ろうとする“レベンス”。だが“ヴァリエガータ”から聖剣の秘密
を告げられ打つ手を狭まれます。彼女の知り合いである鍛冶師の言を受け、日に日に
衰える“エリザ”に頼ることなく次の剣聖“エリオット”との対峙に臨むこととなります。

聖剣の力で病気や怪我を治癒する“エリオット”の姿を見て迷う“レベンス”がある決意
を胸に宿したとき起こる奇跡が見どころ。しかも“エリザ”はそれを認識していない。
これは後々で彼女に苦渋の決断を迫ることになりそう。続きに期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月23日

『ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル)3』

物草純平 先生が贈るスチームパンク・ファンタジー。第3巻は“ケイ”が〈蟲天の瞳〉の
秘密を“アンリ”と共に調べる間、“マルティナ”を始めとして新たな陰が動き出します。
(イラスト/藤ちょこ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866640-4/


ヘンテコな日本語を喋る少女“ノエ”との出会いなどありつつ“ケイ”たちは一路パリへ。
「ミスター紙一重」と称される生物学の専門家と会うため別行動をとる“ケイ”と“アンリ”
をいぶかしむ“クロエ”に許婚だと言う“リグワール”が会いに来て場が騒然とします。

別行動先にてテロ組織の襲撃を受け、目をつけられる“ケイ”を横目に剣か女か友人かを
捨てる選択肢を迫られる“クロエ”。葛藤する彼女らを眺める立場にある“マルティナ”が
その先にある何かを見越して発言する意味深長な言葉の数々が読者の不安をも煽ります。

本来の役割である聖歌隊の要員として“リグワール”が準備した劇場に呼ばれたとき運命の
歯車が回り始め、“ケイ”は同郷の敵に襲われ、“クロエ”は思わぬ裏切りに合い、そして
“アンリ”は辛辣な宣告を受けることになります。これは続刊の展開に目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年07月22日

『エスケヱプ・スピヰド 六』

九岡望 先生が贈る神速アクション。第6巻は攫われた“叶葉”“鴇子”を取り戻すため
“九曜”が黒塚部隊へ奇襲を掛けつつ、「蜉蝣」と“柊”の奪還をも目論みます。
(イラスト/吟 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866730-2/


かつての姿と暴走する現在のそれを描写することで“柊”に抱く“九曜”の感情を切々と
描く部分、そして同じように昔と今を比較して感じる“九曜”の変化を“柊”が朗々と
指摘してくる場面の対比が良い感じに作用してアクセントが効いています。

“井筒”と“虎杖”、“竜胆”と“日足”といった単純な力の衝突が見せる物悲しさも
さることながら“鴇子”と“鵠子”、“叶葉”と“伍長”といった対峙が見せる切なさ
も相まって全体的にやるせない思いを胸に抱きつつ物語が進行していきます。

鬼虫の死というテーマ、あるいは“庵”“楓”が今在るという存在定義に触れる話を描く
「終/甲」「終/乙」がこれまでの内容を踏まえて昇華している点が実に印象深いところ。
“巴”の決意がどう絡んでくるのか、次巻が最終巻ということで見届けさせて頂きます。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル