2014年06月10日

『邪神攻略者の戦技教導 部隊結成篇』

『扉の魔術師の召喚契約<アドヴェント・ゲート>』シリーズを上梓する 空埜一樹 先生が
贈る新シリーズは次世代育成型バトルエンタテインメント!! ということで拝読しました。
(イラスト/村上ゆいち 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/545.html


大型回転式拳銃の聖装で起爆性の弾を精密射撃するもその威力が覚束ない“ユリアス”。
相手の動きを阻害し、壁にもなる檻を作る聖装がトラウマで満足に使えない“フィナ”。
戦闘センスを活かして威力のあるナイフの聖装を扱うも協調性がない一匹狼な“ニア”。

異次元からの侵略者「邪神」とその配下である「劫禍族(デゼス)」を討つ「天世騎士」
でありながらも能力面、精神面、性格面で問題のある待機隊員を引き取り、部隊を結成し、
その隊長として彼らを育成することで自身の能力とはまた違う力を得ようとする“司”。

彼が背負うものを知らない“楓”との衝突や、副隊長として事情を知る“リュミエル”
との思わぬ異性交遊(苦笑)、そして何と言っても隊員たちの成長具合が読んでいて実に
心地よい。“ザナフ”や“紅牙”の思惑が目下気になる展開で続きも楽しめそうです。


#よろしければ、こちらもどうぞ。

#◆【ツイッター・インタビュー】
# 『邪神攻略者の戦技教導 部隊結成篇』(HJ文庫)著者・空埜一樹先生
#【 http://togetter.com/li/673515


posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月09日

『僕は友達が少ない 10』

平坂読 先生が贈る大人気残念系ラブコメシリーズ、11冊目となる第10巻は「変わること」
を決意した“小鷹”や「隣人部」の面々、そして“夜空”真の復活の様子を描きます。
(イラスト:ブリキ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1191


初っ端から「人狼」、イイですね。キャラクター同士の関係を活かした言動の読み合いが
絶妙です。そこから“日向”の超残念ぶりを露呈し、その改善に付き合わざるを得ない
“夜空”の葛藤と奮闘に繋がっていくワケですが・・・満更でもない様子が実にいじらしい。

“理科”に相談した結果を受けて“小鷹”が、そして“星奈”がイメチェンを図る顛末、
そしてその結果。例え外見を変えようとも己の本質まではそう易々と変えられないという
末路のようなものを垣間見た気がしました。・・・それにしても“理科”は不憫すぎる。

友情を優先するあまり恋愛感情そっちのけで進んできた“小鷹”にいよいよツケが回って
くる展開となりました。いろいろと思い知らされた彼に迫る交際宣言は何をもたらすのか。
次巻は一冊丸ごとエピローグ、とのことでどう突っ走りきるのか見届けさせて頂きます。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月08日

『僕らは魔法少女の中 -in a magic girl’s garden-』

既存作品が続く中で 御影瑛路 先生が世に送り出す新作は魔法少女たちの物語。或いは
人間を喰らうことで生き長らえる不老不死の存在に立ち向かう少年たちの物語です。
(イラスト/えいひ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866530-8/


「魔法少女」をテーマにする作品が色々と被るタイミングであったかな、と思うと同時に
現代魔法少女の殺伐とした感じ、もしくは悪者のように扱われる境遇には今の世における
何らかの風潮が盛り込まれているのではないかと思わずにはいられない今日この頃。

本作も人間を喰って不老不死で在り続けるというカーストの頂点のような者として描かれる
魔法少女。その一人“ホワイトノワゼット”が作る「空殻ファーム」に閉じ込められた
少年少女たちの一人“岳哉”が贄として選ばれた最愛の人を救うべく立ち上がります。

“岳哉”がとった行動の「勘違い」が招く悲劇、「間違い」が招く惨劇がどうしようも
ない絶望感を味わわせてくれることと思います。それでもなお絶対存在としての彼女ら
に立ち向かう彼らの未来と、“リリィ”の前向きな言動に注目しておきたいところです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月07日

『かくて夜明けの神殺者(デイブレイカー)』

中維 先生が贈る新作は、「霊異」と呼ばれる神や悪魔、精霊が闊歩する世界でそれらが
訪れる「ゲート」を監視する対霊異資格者(バウンサー)の少年にまつわる物語です。
(イラスト/しらび 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866569-8/


全ての霊異が恋焦がれる特別な血を持つ少年“幸太”。“怖血神”による呪いを解呪する
ための手掛かりを求め、血の契約を結ぶ悪魔“メリアン”と共に霊異と人類の共存共栄を
図る教育機関へと潜り込みます。そこで得た事実が彼の心を葛藤させることになります。

・・・ということで、あとがきにもありますとおり「中二病」要素てんこ盛りでノリノリな
展開の連続です。同情すべき“幸太”にも過去いろいろあったのですが、“メリアン”にも
事情があったことが分かると・・・というあの流れはやはり無くてはならないものがあります。

“幸太”や“メリアン”、その他諸々に関わってくる“右近”の人となりが鍵を握ること
となりますのでそのあたりにも注目してお読みいただければと思います。兎角、思いの
報われない“メリアン”のいじらしさも推しておきたい所。楽しませてもらった一冊です。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月06日

『異世界魔法は遅れてる!(1)』

「小説家になろう」にて 樋辻臥命 先生が掲載していたWeb作品の書籍化。現代魔術師が
召喚された異世界で未知の魔法と向き合いながら元の世界に戻る道を模索する物語です。
(イラスト:himesuz 先生)

http://over-lap.co.jp/%E7%95%B0%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%AD%94%E6%B3%95%E3%81%AF%E9%81%85%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%81%E2%91%A0/product/0/9784906866755/?cat=BNK&swrd=


圧倒的な読みやすさ、かつ展開の読みやすさで魅せてくれるなぁ、とまず感じました。
タイトルにもありますとおり、現代の魔術師である“水明”が異世界の宮廷魔術師である
“フェルメニア”をこれでもか! と圧倒するところは見せ場の一つかと思います。

そんな力を持ち威風堂々たる言動を見せる“水明”ですが、普段は異世界に来てもなお
リア充ぶりを発揮する“黎二”を僻むくらい卑屈なところを見せます。その差異が面白さ
に繋がっているのかも知れません。彼も満更じゃないことになってるハズなのですが。

異世界に来て力を得て、勇者として魔王討伐の旅に赴くこととなった友人の“黎二”。
その彼に対する思慕もあって同行を決意するも元の世界への帰還を切望する“瑞樹”。
二人の状況、心境を汲み取って“水明”は目的を達成できるのか、注目したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル