2014年06月20日

『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。III ―Time to Pray―』

時雨沢恵一 先生が贈る、高校生ラノベ作家と高校生声優の近くて遠い関係を描く物語。
『ヴァイス・ヴァーサ』の大ファンという同級生の登場で2人の関係が揺れ動きます。
(イラスト/黒星紅白 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866647-3/


ということで“似鳥”を救うための朗読が思わぬ苦労を背負う種となった若きラノベ作家。
“佐竹”の熱い情熱をどうやって回避しようかと“似鳥”と2人で考える様子は絵になる
雰囲気を醸し出します。・・・彼女は別な悩みを同時に抱えているワケですが、あの時から。

先生に対して聞くに聞けない質問を、古株のラノベ読みだという教諭からの鋭い視点を
下敷きに聞いてしまう“似鳥”。先生の口から語られる昔話、作家としての本質を裏付け
するその内容に愕然とする彼女がまた一つ、一人の女性として成長する所が微笑ましい。

“似鳥”の挿絵を含めた可愛らしさが話を進めていくに連れて増していくのが素晴らしい。
最後に“佐竹”のフォロー? も入っているのも演出として上手いなとも思いました。
話は一段落ついた感がありますが、続きも『ヴァイス・ヴァーサ』も読んでみたいです。

posted by 秋野ソラ at 01:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月19日

『東池袋ストレイキャッツ』

杉井光 先生が贈る新作は、ひきこもりで登校拒否を続ける少年がゴミ捨て場で拾った一本
のギターによって生き様が変わっていく様子を描く、切なくて甘い青春と音楽の物語です。
(イラスト/くろでこ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866624-4/


ギブソンES-335──。そのギターにハードロックバンドのギタリスト“キース”の霊が
宿っていたことからギターを練習させられ、ケツを叩かれるように路上演奏デビューを
果たした少年“ハル”が、辛口な点数をつけるも歌を催促してくる“ミウ”と出会う──。

ということでスター・システムだと分かっているのにどうしてここまでを心揺さぶられる
作品に仕上がるのか不思議で仕方がない。自分が演(や)りたい曲と現実の曲との差異に
迷う少女を結果的に救うことになる少年の小さな勇気。音楽を通じて繋がる描写が秀逸。

大事な人、成り行きとは言えギターを弾いて歌うことで腹の底にある熱量を思い出せる
と示してくれた、そんな人を喪った少年の悲しみがあけすけな少女とのやりとりの中で
癒され、想いに上書かれていく過程もまたほのかに青い春を醸し出していて素敵でした。


#(参考)

#◆東池袋ストレイキャッツ曲目解説
#【 http://d.hatena.ne.jp/hikarus225/20140610/1402368581


posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月18日

『うちの居候が世界を掌握している!8』

七条剛 先生が贈る超無敵アットホームラブコメ。第8巻は新たな火種を生む登場人物を
迎えるための準備段階として“真哉”の周りで起こった出来事を短編仕立てで描きます。
(イラスト:希望つばめ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797377552.html


“ルファ”にちゃんとした絵がつくとちょっと嬉しくなるというか、親心にも似た心境が。
ということで「ちょっとそのご趣味はどうなの?」というお嬢さんが秘蔵の動画を順々に
眺めていく、という構成で短編を6つほど読ませる構成となっております。

全般的に“莉子”のサディスティックぶりが目立つところ。特に退屈な“桃香”のために
“真哉”が用意したとある「ゲーム」で見せた言動は圧巻。あと、被害を受けた“小雪”
の羞恥心あふれる姿と言動がいたく被虐心をそそる感じで大変よろしいかと思います。

水着回はイラストで眼福な面も含めて安定したテーマでもありましたし、“ルファ”の
入社試験で彼も彼女も凄いことをしでかしたんだと思うと改めて驚かされる話でもあり
ました。ということで、いよいよ次巻は決意を秘めたお嬢さんの登場に期待しましょう。

posted by 秋野ソラ at 01:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月17日

『ヴァルキリーワークス4』

逢空万太 先生が贈る二人で一人のヴァルキリーアクションコメディ。第4巻は再来した
“ヴァルトラウテ”に“理樹”がリビドー全開で対応し、戦乙女たちが巻き込まれます。
(イラスト:蔓木鋼音 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797377521.html


もー、本当に“理樹”が色々とやりたい放題というかラッキースケベじゃなくてただの
スケベぶりを“フェルスズ”のみならず、という所で発揮しまくっております。“科乃”
がその良き抑止力ではありますが、彼女も彼のことは満更でもないんですよねぇ・・・。

“フードマン”から新しく力を得た“ヴァルトラウテ”が“理樹”たちに再戦を望む理由
がまた「“理樹”爆発しろ」的なワケで。何が彼をひきつける要因となるのか、戦乙女
たちとは違った謎に包まれる“理樹”の存在理由がどう明かされるかが今後の注目点。

浮気者としてお仕置きされるのはよしとして、暗躍する“フードマン”の考えもいまいち
読みきれない所がありますし、今回“理樹”を手助けしたおねーさんもいわくがありそう
ですし、何より引き際が怪しすぎますし、まだまだ油断ならない展開が待っていそうです。

posted by 秋野ソラ at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月16日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア2』

大森藤ノ 先生の大人気シリーズ「ダンまち」のスピンオフ作品。第2巻はダンジョンの
宿場街で発生した殺人事件の解決に乗り出した“アイズ”たちが思わぬ局面を迎えます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生 キャラクター原案:ヤスダスズヒト 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797377163.html


「怪物祭(モンスターフィリア)」で発生した食人花騒動が意外にも尾を引くかたちに。
“ロキ”も落とし前をつけさせるためとは首を突っ込んだせいで引くに引けない所まで
巻き込まれる破目に。“ウラノス”も含めて曲者たちでいっぱいですね、神様たちは。

そのお祭で壊した武器の修繕費を賄うべくダンジョン・アタックに向かう“アイズ”たち
も推理に頭を働かせる中、街中にモンスターと“アイズ”の心を揺り動かす赤髪の調教師
が登場。「アリア」という単語にどれだけの重さがあるのかはまだ計り知れません。

“アイズ”にも悲願というものがあり、そこに至るまでには自分がまだ弱いと感じている
ところが印象的。その彼女にとって一つの救いになるかも知れない“ベル”とはなかなか
距離が縮まらないワケですが、頑張ってほしいですね、ということで次は本編ですかね。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル