2014年06月30日

『艦隊これくしょん ─艦これ─ 鶴翼の絆2』

内田弘樹 先生が贈る、“瑞鶴”視点で「艦これ」の世界を描く本格戦記小説。第2巻は
「鉄底海峡(アイアンボトム・サウンド)」の戦況にて“提督”がある決断を下します。
(原作・監修:「艦これ」運営鎮守府 イラスト:魔太郎 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301403000614


西方海域を解放して一段落したかと思いきやすぐさま南方海域、サーモン海に新しく建造
されつつある敵泊地を叩く「SA作戦」を発動する“提督”。「金剛型」の艦娘や新しく
着任した「阿賀野型」軽巡も投入して総力戦に臨みますが苦戦に次ぐ苦戦を強いられます。

激しい戦いの中で誰しもが「あの戦争」のことを思い返さずにはいられない中“比叡”が
作戦中の落ち度を機に過去に引きずられて失意の底に。“提督”が切り札として用意した
艦娘“大和”もまた昔年の悔恨を胸に抱き、戦意なく再び沈むことを望んでしまう始末。

頑なな2人を力ずくで説得にかかる“瑞鶴”そして“榛名”が実を結ぶのか最後まで肝を
冷やす展開でしたが、艦娘として新たに生を受けたことを前向きに捉えて新型の深海棲艦
へ果敢に挑んでいく姿には熱く感じるものがありました。今巻も素晴らしい内容でした。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月29日

『RPF レッドドラゴン VI 第六夜(下) 果ての果て』

虚淵玄、奈須きのこ、紅玉いづき、しまどりる、成田良悟。五人のためのゲーム、六夜限り
の物語(フィクション)。六夜後半を綴る 三田誠 先生の一冊、読ませていただきました。
(イラスト:しまどりる 先生)

http://sai-zen-sen.jp/publications/reddragon06-2.html
http://sai-zen-sen.jp/special/reddragon/


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  スアロー:な、なるほど・・・・・・。
  エィハ:何がなるほどなんですか! 説明してくださいよ!(笑)
  太田克史:どうですか皆さん、これがグッスマさんの本気ですよ(一同爆笑)。
  婁:どうですかじゃなくて、力の入れどころがおかしい!
  FM:では皆さんご着席を。そして、開始前に少しグッスマの田中さんから説明を。
  田中:はい。というわけで、真最終決戦のジオラマですが、実はこちらの方が先に
     進行してました。
  エィハ:え、それはさっきの戦場よりも先に?
  田中:ええ。ほとんど同時ではあったんですが、フィギュアのサイズなんかは
     このジオラマのマス目から割り出されてますね。
  禍グラバ:あ、ホントだ。こっちはマス目が書いてある!
  FM:まあ、これ以上のない、本当に最後の最後のステージでございます。
     まさかここまで全員残っているとは思っていませんでした(一同爆笑)。
  忌ブキ:ひどい!
  禍グラバ:いやまあ、こちらも死は覚悟してましたしね・・・・・・。
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先日拝見したジオラマの写真では収まらなかったと言うのですか! 確かにこれは一夜限り
とは言え力のかけ方がおかしい(苦笑)。巻末のフィギュア資料とかWebのトップイラスト
一覧を眺めていると何かいろいろなものが心の中に去来してくる今日この頃であります。

http://togetter.com/li/647022


そんな驚愕に満ちあふれる真最終決戦では“禍グラバ”が、“忌ブキ”が、“エィハ”が、
“スアロー”が、そして“婁”が、それぞれの信念を胸に共闘したり、激突したりと全て
において見どころしかない、という激しいせめぎ合いに惹き込まれることしきりでした。

中でも“婁”と“スアロー”のやり取り、まさか「魅了」されてからあの結末に辿り着く
とは・・・。もはや運命的と言うしかない劇的な幕切れでした。本作自身もそうなりますが
RPF新巨大プロジェクトなる企画が進行中とのことで新たな伝説を生む兆しに期待です。

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2014年06月28日

『視ル視ルうちに好きになる』

普通じゃないモノが見える少女が相談にのってくれる、という噂が囁かれる高校を舞台に
扇風気周 先生が贈る、未来が視える少女と生命が視える少年の織り成す物語を拝読です。
(イラスト/フカヒレ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866682-4/


生命が視えるだけでなく、吸い取ることも与えることも出来る。子供の頃から身についた
能力が元で悩み、一つの決断を下してしまった“洋平”。未来が見える“早苗”と出会い
「お前は絶望しないのか・・・・・・?」と見解の相違を問いかける所から物語は動き出す──。

いやぁ、実にイイお話。ちょっと異質で、それでいてピュアな少年少女の青春と恋愛を描く
所ですとか、「未来が見える」ということで疎まれる日々を過ごしてきた“早苗”が挫ける
ことなく視える未来と共に歩んでいこうとしている姿勢ですとか、胸を打つものがあります。

“洋平”も“早苗”と出会う前と出会った後で考え方を変えて前向きに、彼女と共に在る
ことを望んでいく過程も良かったと思います。続きがあっても何ら問題ないと思いますし、
このまま綺麗に纏めたままにするのもまた良いと思います。判断は編集部に委ねます。

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年06月27日

『異世界因果のトラベローグ3』

姫ノ木あく 先生が贈る異世界ファンタジー修学旅行シリーズ。第3巻は“弘武”と“鼎”
の帰還に沸く中、戦争に巻き込まれる二年B組の面々が元の世界に戻れるかに注目です。
(イラスト:カグユヅ 先生)

http://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784906866847


ダークエルフからの突然の攻勢にも耐えうる策を講じる“なるあ”何者!? という中で
彼女が示した「アエテルナミア」を含む世界が誰かの創作物ではないか、という疑念。
鍵を握る人物を突き詰めていくにつれ“弘武”の存在が大きな意味合いを持ち始めます。

勧善懲悪な結末であるとか、隠された能力の応酬でシーソーゲームを繰り広げたり、と
少年マンガのようなノリが爽快感を生み出しています。“弘武”が色々とイイ思いをする
場面に出くわすハーレム展開もしっかりとオチに活かしていてよろしいかと思います。

やはり一番のお気に入りは“なるあ”でしょう。途中、“弘武”が彼女の本心に触れる
場面がありますが、あのへんのやりとりは思わずゴロゴロ転がりたくなるくらいです。
いつか来るその時までドタバタラブコメを続けてほしいと思える大団円ぶりでした。

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2014年06月26日

『俺が生きる意味(レゾンデートル)5 都心楼のディザイア』

赤月カケヤ 先生が贈る戦慄のパニックホラー。第5巻は櫛灘学園に編入した“斗和”が
百貨店を舞台にした惨劇の渦中へ。過去最悪のソウルテイカー登場をどう凌ぐか注目です。
(イラスト/しらび 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094514902


あ、今回は単巻で話が纏まるんですね。神悠言の巫女たちとの微笑ましい会話の中から
異能力の性質への理解を深めた“斗和”が選んだ選択肢、それに誤りがなかったことは
“楓”のモノローグも証明してくれています。運がいいとしか言いようがないです。

この世界で言う「神」の存在が実に慈悲がない。その声が聞こえる“霜月”に導かれて
神の思惑に“斗和”が乗ってしまうのかが物語のポイント。彼に憧れる幼なじみにして
アイドルの“瞬夏”が見せる異常性もこの世界を知る上での1つの要素にはなりそう。

とんでもない場面で予想外の登場人物とありえない力で共闘する“斗和”。その人物が
示す「欠片(パーシュ)」を集める者の意図と事態の解決策、そして間違った道を行く
“斗和”を諭したい人物の思惑。世界は滅ぶしかないのか、次巻の動向も気になります。


#よろしければ、こちらもどうぞ。

#◆『俺が生きる意味(レゾンデートル)』の赤月カケヤ先生、
#  改めてパニックホラーを語る #ラノベ
#【 http://togetter.com/li/652553


posted by 秋野ソラ at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル