2014年05月16日

『しずるさんと気弱な物怪たち』

「富士見ミステリー文庫」で人気を博した 上遠野浩平 先生の「しずるさん」シリーズ。
この度「星海社文庫」よりその完全新作が刊行されるということで読ませて頂きました。
(Illustration/国道12号 先生)

http://www.seikaisha.co.jp/information/2014/03/25-post-209.html


『しずるさんと無言の姫君たち』が2006年12月、その後に『騎士は恋情の血を流す』が
2009年8月に刊行されているので実に7年超、5年弱の月日が流れたワケですけれども
“しずるさん”と“よーちゃん”の世界観が自分の中にすぐ戻ってくるのだから不思議。

でも奥付を見てみると「ドラゴンマガジン」に掲載して未収録のものが3つもあるという
のだからある意味驚かされると言いますか。宙に浮いている分を拾い上げていただいた
「星海社文庫」には心より御礼申し上げる次第。更に続きを出してもらえればこれ幸い。

・・・惜しむらくはイラストが 椋本夏夜 先生じゃないことですが、まぁ瑣末なことです。
“しずるさん”も“よーちゃん”も互いを凄いと認めているし、尊敬しているという
雰囲気が良いのですよね。もちろん軽妙な謎解きで魅せてくれるところも素敵です。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月15日

『引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている2』

棺悠介 先生の引きこもり学園ラブコメ、シリーズ第2巻は「ひきこもり対策部」の一員
“ハリエット・ミューカス”こと“田中和美”の中二病発症の所以に迫っていきます。
(絵:のん 先生)

http://www2.ichijinsha.co.jp/novel/category/%E8%91%97%E8%80%85/%E6%A3%BA-%E6%82%A0%E4%BB%8B/


試験が終わって打ち上げ・・・って、素直に打ち上げできないところも“紫羽”たちらしい
といえばらしい。「ホラードンジャラ(脱衣)」で盛り上がれるあたりもどこかズレが
あると言わざるを得ません。着せ替え人形にされる“紫羽”は可愛かったですけど。

“和美”の今が在るのは、その内に秘める心の強さと妹を守りたいという想い。あるいは
その妹から宣告された「資格の無さ」ゆえ。切なさを誘う場面であっても“紫羽”は実に
ブレない。容赦ないように見えるけど“和美”のことを考えているのが伝わってきます。

とかやってる裏で新たな部員、真紅の魔女こと“深玖”を獲得して、ただでさえ肉食系な
“紫羽”の嫉妬の炎に油を注ぐような真似をしつつ、クラスの皆にも目をかけてもらって
少しずつ丸くなった彼女たちは夏、そして水着回を迎えることになりそうで楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月14日

『千の魔剣(サウザンド)と盾の乙女(イージス)13』

川口士 先生が贈る魔剣ファンタジー、第13巻は“エリシア”を救うために動く“ロック”
たちの焦り、すれ違いが発生する中で“ケンコス”も場を固めるべく活動を開始します。
(絵:アシオ 先生)

http://www2.ichijinsha.co.jp/novel/category/%E8%91%97%E8%80%85/%E5%B7%9D%E5%8F%A3%E5%A3%AB/


先生、13巻完結予定が15巻までズレ込むとか話が膨らんでますね。アシオ 先生が提示
してきた新“フィル”のデザインが物語中における時の流れを改めて感じさせてくれる所
でもあります。それだけ“エリシア”解放に向けて進展が無いことの表れでもあります。

“エリシア”を助けたい、という気持ちが空回りして思いっきり荒んでしまった“ロック”
の鬼畜ぶりが痛々しいです。それを見て仲違いしてしまう“フィル”の様子も同様に。
“グラーニャ”や“ナギ”、“ホルプ”の支援で少なからず改善できたところは救いです。

邪魔な目を潰しに来た“ケンコス”との突然の対峙では為す術もない“ロック”たちの
一縷の望みとなる「ルーの虹」。その前に現れた彼は新手のツンデレキャラとも言える
振る舞いでございました。物語の大詰めに向けて“ロック”たちの活躍に期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月13日

『東京レイヴンズ11 change:unchange』

あざの耕平 先生が贈る陰×陽ファンタジー、第11巻は“春虎”を追う“夏目”の様子や
「陰陽塾」の面々がその後どういう日々を過ごしてきたかを描く繋ぎの物語となります。
(イラスト:すみ兵 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1163


あとがきでも触れてますが“春虎”と“夏目”の出番が全然ない(苦笑)。とは言いつつ
あの手紙が“天馬”に殊勲賞モノの仕掛けをやらかしてくれることに繋がるワケですから
何もしていなかったということでもない。・・・いやー、“天馬”の株が急上昇ですわ。

ほか、“冬児”にしろ“京子”にしろ“鈴鹿”にしろ「また会うために」という目的の
ために今は互いの道を行く、ということが分かって是非この努力が報われてほしいなと
思う次第で。・・・ただ、“鈴鹿”は挫けそうな事実を突きつけられていてちょっと心配。

若人たち以外にも、例えば“陣”とか、大人たちがどんな道を辿っていったかという点
に触れていることも注目。カッコイイ男性陣を書かせたら一日の長があると感じさせて
くれるのが あざの 先生だな、と。この流れを受けての12巻に期待が高まります。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月12日

『Only Sense Online ─オンリーセンス・オンライン─』

「小説家になろう」にて6,000万PVを誇る、アロハ座長 先生の大人気MMORPGストーリー。
廃人ゲーマーたちの誘いで始めたゲームで、とある少年が1つの可能性を見いだします。
(イラスト:ゆきさん 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=301401000154


「センス」という才能を組み合わせて装備することで独自のプレイスタイルが追求できる
VRMMORPG、それが「Only Sense Online」。始めてみたら女性キャラ“ユン”で登録
され、取得したセンスを友人や妹にぼろくそに言われたりする“峻”を中心に話が進みます。

大量に出てくるセンスの表記に戸惑うものの“タク”や“ミュウ”、“マギ”の解説から
少しずつ“ユン”が隙間の道を進んでいる理由が分かってきます。生産職として道を定めた
“ユン”がある可能性を秘めて不人気なセンスを育てきている、ということも同様に。

センスを磨き上げた結果、少しずつ結果を成功へと導いていく“ユン”の頑張りの報われ
具合が良いです。ゲーマーとしてスレた所もなく良心的な心を持っているところも好感が
持てます。一つの成功を手にした“ユン”が次は何をやってくれるのか注目したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル