2014年05月31日

『新約 とある魔術の禁書目録(10)』

鎌池和馬 先生が贈る大人気シリーズ。第10巻は「北欧の魔神」編の締め括り。全世界を
敵に回した“当麻”がたった一人で“オティヌス”を守り抜く彼なりの生き様を描きます。
(イラスト/はいむらきよたか 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866532-2/


かつて対峙してきた相手や共に戦ってきた仲間もお構いなしに魔神“オティヌス”を殺し、
彼女に付き添う“当麻”も殺害することで世界が救えると信じ、二人に襲い掛かる様子を
短編集の如く話を繋いで描いていく小気味の良さがバトル全開で熱いものを感じさせます。

弱りきった“オティヌス”をかばう“当麻”が、一歩間違えば即死亡という激戦の連続を
右の拳だけでなく言葉での殴り合いなどあの手この手で凌いでいき、最後には世界の意思
をも覆していく展開は見所と言えましょう。あの演説までもっていくのは奇跡でしたね。

そして最後の敵が抱く勘違いにキレた“当麻”が魅せてくれたキメ台詞。溜めに溜めての
宣言だっただけに思わず心の中でガッツポーズを出しました。彼女に課せられた最大の罰
も中々の演出でしたが、その裏で暗躍する雲上人が如き存在たちの動向が気になります。

posted by 秋野ソラ at 01:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月30日

『魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉9』

今巻からイラストの担当を 片桐雛太 先生へバトンタッチして贈る 川口士 先生の大人気
美少女戦記ファンタジー。第9巻は“ウルス”を巡っての駆け引きが熱を帯びていきます。
(イラスト:片桐雛太 先生 キャラクター原案:よし☆ヲ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1177


ということで挿絵は変わりましたが特に違和感も無く読ませていただいております、ハイ。
それにしても“ウルス”の件は思いのほか引っ張りますね。“エレン”たちもようやく彼の
存在に気がついたと思えばそれを覆す決定打も無く。何とももどかしい展開が続きます。

その間、“エリザヴェータ”の心を掴んでいく“ウルス”が彼女の抱える闇の部分に触れ
元凶となる老婆と対峙し、遂に決定的な「弓」の力を発揮します。・・・黒い弓が無くても
いいのか、みたいなことを思いつつ“ウルス”は更なる運命の奔流へと流される破目に。

もどかしさを断ち切る契機となり得る“ティッタ”の身に訪れる謎の意思、胸の内にある
野望の片鱗が見えてきた“ヴァレンティナ”の思惑、“ティグル”を知るという青年から
その為人を聞き出そうとした所で向けられた殺意。それぞれが絡みつつ次巻へ続きます。

posted by 秋野ソラ at 01:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月29日

『クライシス・ギア4 運命の歯車(ギアズ・オブ・フェイト)』

三上康明 先生が贈るバトルアクション。第4巻は真相に辿り着くため一縷の望みを賭ける
“慎”が迦嶋田家への接触を経て雨牙家の令嬢と出会い、更なる陰謀へと巻き込まれます。
(イラスト:白井鋭利 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-630783-3


何の因果か気の強い“オーレリア”と組んで迦嶋田家、そして“迦嶋田誠弥”へ挑む“慎”
ですが、やはり敵は大きくて陰湿で一歩も二歩も及ばない。けれど底意地の悪さを魅せて
最後まで足掻き、“オーレリア”を過去からも救うその姿は爽快感を味わわせてくれます。

“慎”の苦境に手を差し伸べた第三世代クライシス・ギアの開発者“白州みやこ”。彼に
クソメガネと呼ばれる“尋務”と何やら画策している所が気になります。“誠弥”との
因縁を断ち切りたい“璃菜”の活躍も見所。少女に大剣、イイですね。実に映えますね。

その“璃菜”が戦いの場で思いがけず出会った人物が告げた1つの不審、そして“柚”が
所在を突き止めた“蒼狼”が掴んだ確証。全てが繋がったとき、国の危機が幕を上げる。
“慎”の秘密に“紗々良”が気付き始める兆候も含め、運命の転がる先に注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月28日

『聖剣と魔竜の世界4』

サイトウケンジ 先生が贈る聖剣と魔竜のクライマックスバトル。第4巻は“月夜野日和”
と魔竜クロウ・クルーワッハを連れた“ファリー”の登場でかつて無い混乱が訪れます。
(イラスト:黒銀 先生)

http://over-lap.co.jp/%E8%81%96%E5%89%A3%E3%81%A8%E9%AD%94%E7%AB%9C%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%EF%BC%94/product/0/9784906866823/?cat=BNK&swrd=


都市をまるごと巻き込んだ“アーリ”と“ファリー”の姉妹喧嘩。「聖剣と魔竜の世界」
に関する見解の相違からここまでやられたらたまったものではありません。それでいて
“アーリ”のブレない姿勢、俗世あるいは“カガリ”への毒されっぷりが半端ないです。

そしていよいよ黒幕たる“日和”の仕掛け、真の姿に気づいた“カガリ”と“灯花”の
心中は穏やかに、けれど残酷に傷つけられることになります。けれどその真意を知っても
なお「バベル」の力をもって運命に抗い、徹底的に許さない態度を示すのが彼ららしい。

そんな二つの姉妹喧嘩を遠めに観察する、いろいろと大らかすぎる人たちの言動がとても
意味深長で、世界が一家族の思惑に翻弄されているだけなのではと勘ぐりたくなる流れ。
“アーリ”と“灯花”の好感度に追いつかないヘタレな“カガリ”の明日はどっちだ!?

posted by 秋野ソラ at 01:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年05月27日

『大英雄が無職で何が悪い 01 Soul Collector』

十文字青 先生が贈るもう一つの「グリムガル」。まるでゲームのような世界を生き抜く
ために、決められたレールの上を歩かず我が道を行く無職の少年の物語を拝読しました。
(イラスト:エレクトさわる 先生)

http://over-lap.co.jp/%E5%A4%A7%E8%8B%B1%E9%9B%84%E3%81%8C%E7%84%A1%E8%81%B7%E3%81%A7%E4%BD%95%E3%81%8C%E6%82%AA%E3%81%84+01+Soul+Collector/product/0/9784906866809/?cat=BNK&swrd=


“ランタ”とはまた一味違うお調子者、というか自信家である“キサラギ”。同じときに
目覚めた“イチカ”や“モモヒナ”を巻き込んで我が道を行く彼が運良く魔剣を手にして
一足飛びに成長し無職の大英雄と称して好き勝手な冒険に臨む物語、という所でしょうか。

そんな旅先、「影森」という大樹海に辿り着いた一行が・・・口絵からして出落ち感の半端
ないエルフ“ミリリュ”が抱える悩み、彼女自身の問題というか選民思想の強い種族ゆえの
懸念事項を解決しちゃうあたりはハッタリだけじゃない実力もあることを示しています。

それにしても“ミリリュ”の爆乳に顔を埋め、“イチカ”に抱かれながら寝る不届き者は
実にうらやまけしからんな! と思いつつ、魔剣「ソウルコレクター」に課せられた宿命
が現実のものとなったその先をどう切り抜こうとするのか。続きが気になるところです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル