2014年04月08日

『グラウスタンディア皇国物語2』

内堀優一 先生が贈るファンタジー戦記、第2巻は「リジア」開戦に向けての“クロム”
の活躍ぶりのほか、それぞれの国の内情に触れる戦国の世の生々しさを描きます。
(イラスト/鵜飼沙樹 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/533.html


「リジア」から蜥蜴の尻尾切りが如く見捨てられた“ダグラス”たち。彼らを救いたい
と思う“フィフニス”の気持ちもまた皇国の文官に抑圧され、希望を見失いかけたとき
忘れかけていた「信頼」という想いが最後の閊えを掃う展開は熱いものがありました。

断章として「ラトルグ」のキナ臭い事情を挟み、どこも内憂外患といった状況を演出
しつつ、「リジア」の“ベルゲン”もまた切れ物であると共にやや難ありな人物という
ことでかの国も一枚岩ではない様子。だからこそ“クロム”も付入る隙がある訳ですが。

“クロム”の活躍に目をつけた“ダカット”を快く思わない“ユースティナ”。いずれ
その確執は新たな火種になるのでしょうが、今は皇国の皇都シオニアに迫る「リジア」
の兵30万を共にどう退けるのか。負けない戦のための一手に注目したいところです。

posted by 秋野ソラ at 00:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル