2014年04月20日

『問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ』

竜ノ湖太郎 先生が贈る人気シリーズ、記念すべき第10巻は「ノーネーム」のメンバーと
魔王“アジ=ダカーハ”、魔王“マクスウェル”との激戦の様子を熱く描いていきます。
(イラスト:天之有 先生)

http://www.sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321305000466


“マクスウェル”によって“飛鳥”、そして“黒ウサギ”を何処かに消し去られ、自身も
「生命の目録」が機能不全を起こし無力感に打ちひしがれ倒れる“耀”。決死の覚悟で
“アジ=ダカーハ”に挑んだ“十六夜”も思わぬ選手交代宣言で意識を手放す展開。

すべてが手詰まりな状況を前に“黒ウサギ”が吐露した弱さ。それを自分なりの不器用な
やり方で受け止める“飛鳥”。その気持ちに命を燃やして応えようとする“黒ウサギ”を
全身全霊をもって必至に引きとめようとする“飛鳥”の行為が胸を打ちます。

よくよく見ると“ウィラ”が色々な意味で酷い目に遭っている気がしなくもない。しかも
やられ損(苦笑)。“十六夜”も命をとりとめ「生命の目録」の件にも目途が立ちそうな
「ノーネーム」たちの反撃も間近。第一部・完、に向けてあと2冊。見届けたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年04月19日

『さくらコンタクト route B 真智ありす』

七月隆文 先生の『route A』に続き 日日日 先生が贈るシェアワールド・学園ラブコメ。
桜の神木を咲かせた“春彦”をかつての「姉」が急襲する“姉萌え”伝奇ストーリーです。
(イラスト/三嶋くろね 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72247401


《佐保姫様》からの幸せあふれる祝福を過剰なまでに受けて熱量を発し続ける“春彦”。
その熱量を求める冷たい異界「ブル・フル」の民に憑かれ熱量を失い続ける“ありす”。
親友にして“ありす”の弟“白兎”の提案により共に在ることで一旦その場を凌ぎます。

幼少の頃に遊んだ彼女をとあるきっかけから傷つけ、忘れてしまった“春彦”の負い目。
「ブル・フル」を監視する巫女として“春彦”を救いきれなかった“ありす”の負い目。
「姉」の気持ちを知り、騒動の解決に一役買う“白兎”の機微と奥の手がポイントです。

二度と同じ過ちを繰り返さないと行動で示した“春彦”とそれを受け入れた“ありす”。
こういうデレはやはり良いものです。ギャルゲー的な文法で書かれているという意味が
拝読して分かった気がします。他の作家さんによる別ルートも見てみたいものです。

posted by 秋野ソラ at 01:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年04月18日

『現役プロ美少女ライトノベル作家が教える!ライトノベルを読むのは楽しいけど、書いてみるともっと楽しいかもよ!?』

「ザ・スニーカーWEB」でのWEB連載に70ページの加筆を加えて 林トモアキ 先生が贈る
ゆるふわ系ハートフル青春群像コメディ。物語作りの一例が垣間見える1冊です。
(イラスト:春日歩 先生)

http://www.sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321309000034
http://www.sneakerbunko.jp/series/kyoko-sacrifice/


WEB連載のコンテンツはここから半年ほど残るそうなのでそちらでお読みいただくのも
アリかと思います。とりあえず書いてみるまでを描いた「Season.1」、読んでもらう
ことを意識した作品作りの過程を描く「Season.2」まで肩肘張らず読めることでしょう。

「プロットとか技法とかに悩まされるくらいならまず書け! 話はそれからだ」という
のがぶっちゃけた話の軸になるワケですが、“京子サクリファイス”という人格を通じて
林 先生がメタ視点も織り交ぜながらノウハウをさらけ出すところが興味深い内容です。

書き下ろしの「プロになってから編」もそうですが、「スニーカー文庫」編集部との
くだらなくも壮絶な言い争いもまた開けっ広げで面白いです。これだけ苦言を呈して
いただければ読み手としても溜飲が下がる思いです。春日歩 先生の絵も秀逸でした。

posted by 秋野ソラ at 00:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年04月17日

『夜姫と亡国の六姫士【ろくきし】III』

舞阪洸 先生が描く戦いと裏切りのハイ・ファンタジー、第3巻は戦争が激化していく中
“夜姫”の存在に疑念を抱き始めた者たちが夜姫誕生の魔術、その秘密に迫っていきます。
(イラスト:こ〜ちゃ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_08


様変わりした新生エルゲン王国の攻勢、そして“夜姫”の存在に不審を露にする“リーザ”。
それでも戦を止める訳にはいかぬ、と手を読みあう過程が両軍の緊張の高まりと最終決戦を
予感させます。“リーブヌール”がバイデリュンヘン大公国の鍵を握ることになるやも。

一方、自身の下に改めて結束を図りたい“夜姫”、あるいは“スナイルデッラ”の思惑を
覆すかもしれない動きを見せるのが“ドレスドゥド”。エロい発言で煙たがられる彼女が
粘り強く“夜姫”の秘密を探った結果、“アイオリス”の非情な決断が彼女を襲うことに。

“カオルゥ”の呟きが新生エルゲン王国に薄暗い影を落とす中、医士の遺志を奇しくも
引き継ぐことになった「彼女」はどのような幕引きを仕掛けるのか。あとがきを見た感じ
大人の事情によって次巻でまとめて決着がつきそうですので心して待ちたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年04月16日

『クロス×レガリア 女王の領域』

三田誠 先生が贈るシリーズ第7巻。「六家総会」に出席した“馳郎”を迎える白鳳六家の
重鎮。各々の思惑と駆け引き、そして〈おに〉と鬼仙の戦いに新たな流れが生まれます。
(イラスト:ゆーげん 先生)

http://www.sneakerbunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=321307000154


鬼仙との対峙を前に“ナタ”の扱いをどうするか問われた“馳郎”。その答えは実に明朗。
二人だけの世界を築けるほどに心の近付きを意識する“ナタ”の様子などを見るに順調な
展開を見せていながらも、その流れは“蓮花”が驚愕する所から綻び始めていきます。

行方不明となっていた“リコ”と“北斗”との突然の再会が奇しくも火蓋を切る合図に。
圧倒的な力を見せつけられた“ナタ”の決死の決断、そして“蓮花”が選んだ自分でも
驚きの選択肢が“馳郎”の心に痛みを残していきます。・・・あぁ、えぇ娘や、ホンマに。

彼に追い討ちをかけるように打ち明けられた“リコ”の真実が遂に“馳郎”の心を折る。
けれど「千円ボディーガード」としての彼の生き方が、そして“ナタ”の想いが彼の背を
再び押すことになります。思わぬ参戦要員と共に巻き返しなるか、次巻も注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル