2014年03月31日

『軋む楽園(エデン)の葬花少女(グリムリーパー)』

『シュガーシスター1/2』の 鷹野新 先生が贈る新作はヒロイック・ダークアクション。
謎の生命体レギオンから世界を守る少女たちと守られる少年が紡ぐ恋物語を拝読です。
(イラスト/せんむ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866413-4/


巨大なドームによって外界、レギオンから身を守る街。それでも侵入してくる者たちには
葬花少女(グリムリーパー)と呼ばれる最終兵器、住人から賞賛される少女たちが対処
する街。そこで育った少年“葛見”がある違和感に気付いたとき、状況が変転します。

“葛見”が、葬花少女隊のリーダー“アイリス”から好意を寄せられていることの意味、
そして幼なじみの少女“春野”が示す言動の意味を理解したとき、本当の救いを求めて
街を覆う繭を破るべく最終兵器と呼ばれる少女たちと手を組んで敵と立ち向かいます。

一度は返り討ちに遭った“葛見”が再び抗う姿、共に戦う“スノウホワイト”が秘めた
想いを胸に戦う姿は悲哀を呼びます。そんなつらい現在を過去が吹き飛ばしてくれる
怒涛のラストは読み応えがあります。彼と彼女らに待ち受ける未来が気になる所です。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年03月30日

『デート・ア・ライブ10 鳶一エンジェル』

犬威赤彦 先生によるコミック第1巻も発売となり、TVアニメ第2期も4月より放映開始
となる 橘公司 先生の大人気シリーズ。第10巻は“折紙”に焦点が当たる衝撃の展開です。
(イラスト:つなこ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=201302000005


悲劇の「今」を決定づけるために「未来」の姿を渇望し、突き進んできた“折紙”という
少女の絶望が計り知れない。“十香”たちと馴れ合う自分が許せなくて、手に入れた力の
嫌悪感も拭えなくて、それでも覚悟を決めた直後に突きつけられただけに重い真実でした。

改めて相まみえることになった“折紙”によって傷を負う“十香”たち。その“折紙”を
抱えるDEMインダストリーからの「足止め」によって〈ラタトスク〉も損傷著しい状態に。
全ては“ウェストコット”の思惑通りとなるのか、壮絶な引きと共に気になる展開です。

あとはトリックスターである“狂三”が「するべきこと」の影響も目が離せないところ。
今巻の殺伐とした雰囲気の中で“七罪”と仲良くなろうとする“四糸乃”のいじらしさ
や愛情表現あふれる“美九”の明るさに救われた感もあります。“四糸乃”可愛いすぎ。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年03月29日

『ヘヴィーオブジェクト 七〇%の支配者』

鎌池和馬 先生が描く近未来アクション。第8巻は「資本企業」の『島国』、オブジェクト
始まりの地で海を舞台にかつてない強敵と大激戦を繰り広げることになります。
(イラスト/凪良 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866379-3/


ページ数が多くていろいろ盛りだくさんな上に、機転の利いた“ヘイヴィア”の発想も
幾度となくひっくり返されて土壇場まで決着がもつれ込むとか、そりゃあ読むのも時間が
掛かるってもので。毎回思いますが、よく生き残ってますね“ヘイヴィア”共々。

それにしても“マリアージュ”が仕様もなく空気読めてなくて自分勝手で、ここまで
好感度ダダ下がりな女性キャラクターを久しぶりに見ました。逆に魅せてくれたのが
“カレン”。今生の暇乞いとも取れる通信の場面とか挿絵も含めて印象に残ります。

その“カレン”が仕える身として“ヘイヴィア”の「貴族」らしさが浮き彫りになるなど
彼に焦点があたる展開にも注目。今回は地球規模の問題にまで発展する話でしたが
今後は彼の家の事情が絡むような物語も読んでみたいな、と思ったりする次第です。

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2014年03月28日

『魔王軍の軍師はじめました』

長野聖樹 先生が「講談社ラノベ文庫」より贈るのはファンタジー小説。ワケありな事情
でトラブル解決に忙しい少年が突如現れた異世界少女の厄介事まで背負う顛末を描きます。
(イラスト:れい亜 先生)

http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/90008?id=9818/30171#30614
http://lanove.kodansha.co.jp/9906/30110.html


ヤクザな家業の関係者、というだけで学校では誤解され浮きまくりな“頼光”。歩み寄る
姿勢も報われない彼の心を奇しくも救うことになるのが軍師を務めることになった魔王軍
の長“ルキフェル”。それに報いるべく弱体化した軍の再建に軍師として精を出します。

一方、魔王軍を率いる“ルキフェル”自身にもとある過去が契機となりリーダーとしての
資質に致命的な欠点があることが判明。変わりたい、けど変われない。そんな焦燥感を
抱くか弱き少女を叱咤激励する“頼光”によって彼女もまた救われる形となります。

“レジーナ”に代弁される“ルキフェル”の想いなど見ているとほんわかしたラブコメ
風味。次巻は学校に舞台を移してラブコメ時空を展開しそうな予感。義理の従妹“ツナ”
との恋愛要素がまるでなさそうなのが潔い。読みやすい作品だと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2014年03月27日

『僕と彼女のゲーム戦争 ゲーマーたちの日常』

有名ゲームが実名登場する 師走トオル 先生の人気シリーズ。「電撃文庫MAGAZINE」に
掲載された「現代遊戯部」の日常を描く小編と書き下ろし、計5本を収録した短編集です。
(イラスト/八宝備仁 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866436-3/


『シヴィライゼーション4』『風来のシレン5』の2作では「現代遊戯部」内の駆け引き
と共に、プレイ経験の少ない“岸嶺”が部員たちからの執拗なアタックを前に勝負強さと
運の良さを見せてくれます。勝負では殺伐としていても和気藹々になれる雰囲気がイイ。

『ARMORED CORE VERDICT DAY』『機動戦士ガンダムオンライン』ではライバルとも言える
駿河坂高校「電子遊戯研究部」の面々が表に裏にと登場。「現代遊戯部」の面々と団体戦
を繰り広げる中で各々の因縁と部員同士の絆、何よりもゲームの楽しさを伝えてくれます。

書き下ろしの『グラディエータービギンズ』は育成ゲームということで時間を掛け育てた
思い入れのあるキャラクターによる代理戦争の白熱ぶりが見所。負けず嫌いな“白滝”の
様子にゲーマーらしさを垣間見つつ、“岸嶺”との浅からぬ縁を築くことを期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル