2014年02月25日

『マグダラで眠れV』

支倉凍砂 先生のファンタジー小説。 第5巻は起死回生の一手でカザンの町を脱出し、
ニールベルクの港町へと落ち延びた“クースラ”たちが新たな難問を突きつけられます。
(イラスト/鍋島テツヒロ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866309-0/


鐘を造る。職人ですら長年の経験をもってしても音と強度のバランスを取るのが難しい
とされるその行為。英雄のような期待にも後押しされ、敗残兵の士気を上げるためとは
言え、一歩間違えれば死は免れない厄介な立場へと白羽の矢が立った“クースラ”たち。

同じ錬金術師だから、ということもあるのでしょうけど“ウェランド”が“クースラ”の
ことをよく見ていることが言動の端々から感じられます。だからこそ、変化を察知して
それを告げた決定的なあの言葉が彼の心を揺さぶるのに十分なワケで。

錬金術師として生きてきた“クースラ”を受け止め、立ち直らせたのは“フェネシス”
のマグダラ。欲しいものには手を伸ばすしたたかさを得た彼女とは対象的に胸の奥底
ではすっかり懐柔された感のある彼。北の地を目指す新たな旅が気になるところです。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル