“栞子”の心残りが古書を通じて明らかとなり、そして答えへと繋がる過程を綴ります。
(イラスト:越島はぐ 先生)
答える」にしろ、現状維持が続けられるのは“大輔”が待ち続けられる性格あってこそ。
好きという想いの為せる関係に思わず微笑ましい感情を覚えることもしばしば。
見届ける“智恵子”。彼女の口から告げられた互いの本性は知識欲もここに極まれり、
と言わんばかりの内容。“栞子”が回答に二の足を踏んだ理由も理解に至りました。
容易く打開の道を示す“大輔”の大物ぶりも光るものがありました。“智恵子”が言及
した忠告とはこのことか、という引きがあとがきにある終わりの近づきを予感させます。