2014年02月06日

『ビブリア古書堂の事件手帖5 〜栞子さんと繋がりの時〜』

三上延 先生が贈るビブリオミステリ、第5巻は“大輔”の想いに対し返事を留保し続ける
“栞子”の心残りが古書を通じて明らかとなり、そして答えへと繋がる過程を綴ります。
(イラスト:越島はぐ 先生)

http://mwbunko.com/product/2014/01_01_isbn.html


「話をごまかしたりしない」にしろ、「時間がかかっても、訊かれたことにはきちんと
答える」にしろ、現状維持が続けられるのは“大輔”が待ち続けられる性格あってこそ。
好きという想いの為せる関係に思わず微笑ましい感情を覚えることもしばしば。

マンガですら読み込んでいる、という本の虫が過ぎる片鱗を見せる“栞子”を間接的に
見届ける“智恵子”。彼女の口から告げられた互いの本性は知識欲もここに極まれり、
と言わんばかりの内容。“栞子”が回答に二の足を踏んだ理由も理解に至りました。

同じような2人が好きになった人が同じなわけがない。“栞子”の不安な気持ちにいとも
容易く打開の道を示す“大輔”の大物ぶりも光るものがありました。“智恵子”が言及
した忠告とはこのことか、という引きがあとがきにある終わりの近づきを予感させます。

posted by 秋野ソラ at 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル