2013年12月21日

『エロマンガ先生 妹と開かずの間』

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の 伏見つかさ 先生、かんざきひろ 先生が再び
コンビを組んで贈る新作もこれまた異色の兄妹ラブコメ、ということで拝読しました。
(イラスト/かんざきひろ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866081-5/


「エロマンガ先生が誰か?」というのは読む前からいきなりバレているワケですが、
焦点となるのはそこではなく、ライトノベル作家とイラストレーターが魂を削って
創作しあうこでラブコメとしての物語が生まれるところにあります。

なんでペンネームを「エロマンガ」にしちゃったかな、この子は、と言わざるを得ない
彼女の気質は難儀なものがあります。そんな彼女ととことん向き合って、とある契機
から一つの結論を生み出してしまった“マサムネ”も色々と問題ある感は拭えませんが。

彼の結論に対する答え、彼が彼女に提示した夢の行方が実に気になる所。同業にして
売れっ子作家の“エルフ”やお世話になっている本屋の書店員“智恵”といった人々も
“マサムネ”たちの関係にどう影響してくるのか、次巻の展開が見ものです。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年12月20日

『リーディング・ブラッドIII 鬼神の因果』

田尾典丈 先生が贈る血統アクションコメディ、第3巻は鬼神を倒す術を見いだして期待
が高まりつつある中、武士と鬼の間にある驚愕の過去が“凪紗”たちに襲いかかります。
(イラスト:梱枝りこ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_04


“魅花”や“奈巳”、“凛々”たちとの同居生活に“紗優”が前向きな対応をするもの
だから“凪紗”としては役得・・・というよりは困惑するばかり。・・・この幸せ者めが!
「抜け駆けをしたら同じことをする」とか言われて悩むあたりは爆発が必要なレベル。

そんな幸せな雰囲気の対極とも言えるのが兄“八嶋”から伝えられた真実。まぁ、彼には
何かしら裏があるよな、と思っていたら本当に来ちゃいました的な流れ。〈一子相伝〉の
オンパレードで最大の敵に挑む“凪紗”にも大きな秘密があることが判明しました。

力ある未来の子たちだけでも敵わぬ相手に、子どもたちと共に激戦を乗り切った“凪紗”
が呪いのくびきから外れ、“魅花”も自責の念から解き放たれて丸く収まったところで
売上げの話は違った意味でシビアな局面が窺えます。売れて続きが見たいものです。

posted by 秋野ソラ at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

『はたらく魔王さま!10』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー、第10巻は「エンテ・イスラ編」
の最後を締め括る物語。悪魔と勇者、人と天使の戦いにどう決着がつくのか注目です。
(イラスト/029 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866161-4/


悪魔と勇者の緊迫した関係下で“芦屋”が“恵美”に届けた言づては何とも緊張感が
ありませんでしたが弱っていた“恵美”には効果的なことこの上なく。猿芝居を演じる
様子も吹っ切れた感があって微笑ましかった。色々と救われて本当に良かったです。

最後まで後手に回った“真奥”ですが、ここぞという時にキメてくれるのは魔王たる
証か。人と天使の戦いに予想外の勢力が介入してきて、これはこれで波紋を呼ぶ展開
を見せてきました。何より統一蒼帝の思惑が怪しくて要注視な雰囲気を醸し出します。

エンテ・イスラの事情と関わってしまった“千穂”の洞察力が引き出した真実、或いは
“アシエス”がポロッとこぼした事実なども新たな局面への呼び水になりそうな予感
にあふれています。“梨香”もいい役回りを演じてくれましたし次巻にも期待です。

posted by 秋野ソラ at 01:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年12月18日

『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!』

築地俊彦 先生が贈る待望の公式ノベライズ。横須賀鎮守府に着任した艦娘“陽炎”を
軸に据え、“曙”を始めとする問題児だらけの「第十四駆逐隊」が頑張る姿を描きます。
(イラスト:NOCO 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


熱狂ぶりを遠めに見ながら「艦隊これくしょん」は未プレイな私ですが、それでも素直に
個性豊かな少女たちが、協調性を望むべくもない「第十四駆逐隊」という枠組みの中で
衝突しながらも仲間意識を醸成して団結していく成長モノとして楽しく拝読しました。

ノベライズ、特に「艦隊」がモチーフであることから専門用語が端々に見られますが
そういうものだ、と割り切って読んでしまえば苦になることもありません。艦娘が海上
を移動するイメージはマンガを読んでようやく掴んだ感はありますけれども。

ダメな感じを演出する提督の言動、戦艦“金剛”たちや今回見せ場の多かった重巡洋艦
“愛宕”の活躍、恐怖と脅威の権化とも言える深海棲艦との対峙、といった駆逐艦娘
以外にも目を惹く要素があってオススメするに足る公式ノベライズだと感じました。

posted by 秋野ソラ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年12月17日

『ソードアート・オンライン プログレッシブ2』

アインクラッドを第一層から攻略する過程を描く、川原礫 先生のもう一つの「SAO」。
森がテーマの第3層に一番乗りした“キリト”と“アスナ”が出合う物語を描きます。
(イラスト/abec 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-866163-8/


「プログレッシブ」を読んでいると、アインクラッドで切磋琢磨している“キリト”たち
の様子を見ているのが楽しい、というかしっくりくる感があります。もちろん本編も十分
面白いことは否定しません。自分の中で上手く割り切れていることが認識できました。

ベータ版で知った特殊なキャンペーンクエストに今回も挑む“キリト”。そこでベータ版
とは違った挙動を示すシステム、そしてNPC“キズメル”。更にはギルド同士の衝突を
けしかけ、デュエルを仕掛けるPCの登場と心揺れる彼の様子が見られるのが新鮮です。

ビーターとして憎まれ役に徹する“キリト”と共にいて彼の知識や力を身につけていく
“アスナ”が彼と上手く相互作用していく過程も見どころです。一触即発のギルド同士を
繋ぎ止めた場面など言うまでもありません。“キズメル”との再会を祈念する次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル