2013年09月23日

『ロストウィッチ・ブライドマジカル』

「魔法の国」という異世界で起きた「女王のための統合戦争」に巻き込まれた少女たちが
魔女となって殺しあう。藤原祐 先生が贈る新作にして幻想夜話、読ませていただきました。
(原案協力・イラスト/椋本夏夜 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891943-2/


魔法少女とは何故こんなにも不遇なのか。何故に悲壮な運命を背負って臨まねばならない
のか。異世界の都合で代理戦争をする“水奈”たちの姿を見て、また昨今の魔法少女事情を
鑑みてつくづくそう思います。あんなほわほわした“水奈”が・・・と思うともうね。

魔女の中にも考え方は色々あって、また魔女になりかけの人にも考えはあって、互いの都合
と葛藤が演出の上で上手く盛り込まれているな、と感じられるのはこのコンビならでは、
という印象を受けました。コミカルな場面との対比がまた絶妙と言うしかありません。

人を殺めたか否か、という枠を飛び越える思いもよらぬ伏兵、“水奈”や“蓮”の因縁、
そして“人魚”という存在。「罪」と「奇跡」が織り成す物語とはよく言ったものです。
実に好調な滑り出しを見せる新シリーズの登場を喜ばしく思います。次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル