2013年09月19日

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIV』

宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記、第4巻は北域の激戦に対する後始末に始まり、
「カトヴァーナ帝国」内部の複雑なしがらみに“イクタ”たちが巻き込まれていきます。
(イラスト/さんば挿 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891906-7/


“サフィーダ”中将の軍事裁判は当然の結果に終わって嬉しいやら切ないやらという複雑
な思いを残しました。そして今回の戦争で生まれたシナーク難民問題について“イクタ”
の思う所に乗せられた“サザルーフ”少佐の中間管理職ぶりが同情を誘います。

難民問題の解決に向けて“マシュー”の実家に押しかけてみれば「グナ米の不作」そして
「人頭税の重課」というキーワードが「テトジリチ家」を縛る内政問題へと繋がり、断罪
するという謎解きと勧善懲悪の展開。これには爽快感を十二分に得る形となりました。

「キオカ共和国」への対抗策として海賊軍に同船した“イクタ”たちですが、不遇な扱い
を受けつつも機転と実力でもって対等な立場で肩を並べるまでに押し戻した所も魅せて
くれます。新たな戦火の予感と“トリスナイ”宰相の思惑を気にしつつ次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 01:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル