2013年09月13日

『聖剣の刀鍛冶16』

三浦勇雄 先生が贈るファンタジー叙事、ヴァルヴァニル戦後のそれからを描く番外編。
“ルーク”や“セシリー”、そして“リサ”の聖剣の刀鍛冶としての生き様に注目です。
(イラスト:屡那 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1035


“ルーク”や“セシリー”が如何に子を成すまでに至ったか、あるいは“ルーク”との別離
をどう迎えたのか、あるいは二人の子は刀鍛冶として生きる道を選ぶのか否か、あるいは
何代も後の聖剣の刀鍛冶は本当に“アリア”を救うことができるのか──。

等々、番外編ということでサイドストーリーも含めた様々な情景にも大変心に響くものが
ありましたが、それすらも300年という時の流れに取り残される“リサ”の物語を演出する
構成要素でしかなかったことに驚かされます。確かに番外編でなく本編ですね、コレ。

長い時の中で何度も心折れそうになる心情、何事にも無関心になっていく心の疲弊を描写
の痛々しさ、更には決定的なタイムリミットを前に出した結論と出された決心。雨上がり
の空のように晴れやかな“リサ”の幸せを心より願いつつ、真の完結を祝うばかりです。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル