2013年09月10日

『"花散里" ヒカルが地球にいたころ・・・・・・(8)』

野村美月 先生が贈る大人気学園ロマンス、第8巻は文化祭を舞台にして実行委員に推挙
された“是光”の奮闘ぶりと、“帆夏”との関係が揺らぐ“みちる”の機微を描きます。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06


“帆夏”はホントえぇ娘ですわ。向き合おうとする“是光”の態度に素っ気ない態度で
返していたのはそんな理由があったとは。いろいろと考え抜いた末に一つの結論を出した
“葵”と譲れない姿勢を示す彼女に幸あらんことを願うほかありません。

とは言いつつも“ヒカル”が示唆したように“葵”の想いはより強いものになりましたし、
「誤算」で“朝衣”の感情も明らかになりましたし、強敵揃いで難易度の高い未来です。
・・・彼女たちの想いを受け止める“是光”の気持ちの整理が追いついてない現状ですけど。

背負っている背景もあって不穏当な言動を見せるまでに至った“みちる”の件はひとまず
決着がつきましたが、どうもきな臭い思惑を連れて“夕雨”が帰ってくる話や、意味深長
な次巻予告であったりと不安要素が多い雰囲気を払拭できるのか。注目したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月09日

『俺の教室にハルヒはいない』

谷川流 先生による「超公認」のお墨付きもいただいて始まる 新井輝 先生の新シリーズ。
いつの間にか物語に、そして業界に巻き込まれる少年の苦くて甘い青春の物語を拝読です。
(イラスト:こじこじ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=321208000036


新井輝 先生のテキストに触れるのは、たぶん『ROOM NO.1301』以来ということになるので
およそ4年以上。あとがきを読んだ限りでは苦心された時の間を垣間見ることもできますが
こうして作家として復帰されたことを、まずはお祝い申し上げたいと思います。

生き様に抑揚の少ない“ユウ”、“カスガ”と“アスカ”というダブルヒロインの態勢、
物珍しさ故か“ユウ”に興味と繋がりを持ち始める“マコト”を始めとする業界関係者。
新井輝 先生らしい作品と雰囲気の作り方が感じ取れて懐かしく思うことしきりでした。

「ハルヒ」という要素は本作ではとあるキャラクターを指し示す単語であったり、あるいは
アニメ業界のあれこれへと導くための牽引役と認識しております。運命のいたずらが招く
結果に“ユウ”がどう対処するのか。二人の淡い想いの行方は。続きが気になる展開です。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月08日

『六畳間の侵略者!? 14』

健速 先生が贈る人気シリーズ、通算16冊目は“静香”回の後半部分と言える挿話から
“エルファリア”と“孝太郎”との昔話へと続く「拠り所」を描く短編構成の物語です。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/488.html


親を失ったという同じ境遇にあるからこそ“静香”が抱える孤独に気がつける。その逆も
また然り、ということで互いの隙間を埋められる存在と認識してからの“静香”は年相応
の女の子になりました。“アルゥナイア”のせいで体重はその限りではありませんが。

そんな彼女が気にかける“藍華”も孤児という背景から“孝太郎”との繋がりを、呪いの
ような縛りでもいいから持ちたい意思表示。それを見て受け入れるだけではなく救いの手
を差し伸べる必要があると悟った“孝太郎”が他人の人生を背負う気概で応えます。

見る人から見れば恋人同士のように見える“クラン”と“孝太郎”との縁。若かりし日の
“エルファリア”の生きる道と「フォルトーゼ」の進む未来を後押ししたのが彼だった
というエピソードも素敵です。短編集のようで話は繋がっている構成の妙が光ります。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月07日

『僕は友達が少ない 9』

平坂読 先生が贈る大人気ラブコメシリーズ、10冊目となる第9巻は“理科”押せ押せの
雰囲気の中、ヘタレてしまった“夜空”が復活を遂げる一瞬の輝きを描いていきます。
(イラスト:ブリキ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/988


“星奈”からの想いを受け“小鷹”が出した結論。「隣人部」という環境下における奇蹟
とも呼べる人間関係の大切さがよく出た結果となりました。そのシチュエーションへと
導くアシストをしたのが“理科”。「友達」という立ち位置を堪能する日々が続きます。

いろいろとタイミングの悪かった“夜空”ですが、彼女が起こした失踪騒動も思わぬ人
との繋がりが“小鷹”たちとの関係を引き戻すきっかけになっているのも中々に面白い。
ただ、“夜空”は完全にヨゴレになってしまったので今後どうなるのか気がかりです。

「隣人部」活動再開という状況へこぎつけるまでに至る過程で「隣人部」という場を特別
に思うのは“小鷹”だけじゃない、ということが分かりました。生徒会と関わったことで
新たに見えてきたり、構築されたりしてきた相関図がどんな呼び水となるか注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月06日

『ソード・ワールド2.0イラストレーターリプレイ ガレリア×ダンジョンズ』

藤澤さなえ 先生と ベーテ・有理・黒崎 先生/グループSNE による共著となるお祭り騒ぎ
のイラストレーターセッションを描くリプレイ。TRPG好きの猛者が集まる注目の一冊です。
(イラスト:緒方剛志 先生、蔓木鋼音 先生、今野隼史 先生、so-bin 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=301304002881  】


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  GM:まあ、それはそれとして、紙面も豪華になるし、いいかなあって思って。
  ルークス:ん? それ、もしかしてここで描いた絵がリプレイに載るの?
  GM:YES。オフコース!
  一同:げえええええええええええ!!
  グッドバー:それ、正直ハードル高いっすよ!?
  イリュ:恐ろしい・・・・・・
  メルタ:え? あれ? あたしが描いたのも載るの?
  GM:やったね藤澤さん。イラストレーターデビューだよ!!(笑顔でサムズアップ)
  メルタ:えええええええええ!? ちょっ・・・・・・罠過ぎる・・・・・・
  一同:(爆笑)!!
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確かに「本文イラスト」に名前が加わっている(笑)。とある仕掛けを突破するために、
というお題目でスタートしたイラスト伝言ゲーム、イラストレーターセッションならでは
のギミックです。終わった後はラスボス扱いされるほどお疲れのようでしたが(苦笑)。

現場で絵を描かせようとする ベーテ GMに対し、セッション後にオイシイ絵を描いてもらう
ことを狙ったのが 藤澤 GM。こちらも場の雰囲気を盛り上げる意味でも効果抜群で面白さが
ひしひしと伝わってきます。プレイヤー諸氏もノリノリなのがよく分かります。

蔓木 先生のイラストを好ましく思う身としては、先生がTRPG関係のお仕事をされている
のをあまり見たことが無いため、プレイヤーとしての実力も示されたことですし、今後は
こちら側の業界でのご活躍を期待したいと感じた一冊でもありました。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 01:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル