2013年09月15日

『アルシャードセイヴァーRPG リプレイ ミッドガルド モーニングムーン』

システムデザイナーである 遠藤卓司 先生/F.E.A.R. 自らが筆を取る初のリプレイ集。
スタンダードファンタジー世界「ミッドガルド」の冒険譚が満を持しての登場です。
(イラスト:中島鯛 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_09


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  GM:それでは、各キャラクターの自己紹介をしていただきましょう。
     まずはPC@を担当していただきます赤松さんからお願いします。
  赤松(以下、ナギ):名前は、ナギ・スプリングフィールドです。
  一同:えっ!
  GM:・・・・・・ちょっ、ちょっと待ってください。もう一度、お名前よろしいですか?
  ナギ:(いたずらっぽくニヤリと笑う)名前は、ナギ・スプリングフィールドだ。
  大竹:え〜〜。ナギって、『魔法先生ネギま!』に出てきた。ネギ君のお父さん
     ですよね。
  井上:す、すげ〜〜〜。その発想はスゴイ、むちゃくちゃ面白い。
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ということで、「天羅万象」で 井上純一 先生と縁を持った 赤松健 先生をゲストに迎え
鈴吹太郎 先生、大竹みゆ さんを迎えてのセッション。これは盛り上がらないワケがない。
遠藤 GMも専用のオリジナルサンプルキャラクターを用意するほどの力の入れ様です。

真帝国との和平を結ぶために決死の覚悟で臨む“明月姫”を助ける者として力を存分に
振るう“ナギ”の格好良さ、二人の恋物語にやはり注目しておきたいところ。赤松 先生
の出目の良さも光ります。中島鯛 先生のイラストも、あとがきを含めて華を添えます。

運命の出会いに恋心揺れるウィザード“ティア”、忠義に厚い老サムライの“平内”、
片っ端から大切なことを忘れていくアルフの“ライオン”、“明月姫”の志を支える
パーティーの面々も喜怒哀楽あふれる様々な活躍を見せてくれます。オススメです。

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2013年09月14日

『時渡りの〈紅女神騎士団〉(スカーレット・ナイツ)1』

諸星崇 先生が「オーバーラップ文庫」から世に送り出すのはファンタジー&タイムリープ
戦記、ということでイラスト買いをさせてもらいつつ最後まで読ませていただきました。
(イラスト:パセリ 先生)

http://over-lap.co.jp/%e6%99%82%e6%b8%a1%e3%82%8a%e3%81%ae%e3%80%88%e7%b4%85%e5%a5%b3%e7%a5%9e%e9%a8%8e%e5%a3%ab%e5%9b%a3%e3%80%89%ef%bc%88%e3%82%b9%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%8a%e3%82%a4%e3%83%84%ef%bc%89%ef%bc%91/product/0/9784906866295/?cat=BNK&swrd=


“ルーシア”たち「紅女神騎士団」が属する「ヴァンデール帝国」。その上層部の一枚岩
ではない思惑がひしめく現状にあてられた彼女たちが、歴史再現ではなく自分たちの信条
に則って行く道を選ぶ姿は何とも凛々しいものがあります。

過去に飛ばされても逞しく生き、「セイムローザ」の王女“セレネ”から示された救国の
願いに応えるべく準備を進める“ルーシア”たちの様子が、緊張感のある日々のはずでも
どこかほのぼのとした雰囲気があって微笑ましく感じるものがあります。

「セイムローザ」という国の実情、更には“セレネ”の不遇さに気づいてからの決意の
表れと結果を示す姿は雄雄しく、勧善懲悪のような展開もあってスカッとするものが
あります。過去の改変が未来にどう影響するのかが気になる話の導入かと思います。

posted by 秋野ソラ at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月13日

『聖剣の刀鍛冶16』

三浦勇雄 先生が贈るファンタジー叙事、ヴァルヴァニル戦後のそれからを描く番外編。
“ルーク”や“セシリー”、そして“リサ”の聖剣の刀鍛冶としての生き様に注目です。
(イラスト:屡那 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1035


“ルーク”や“セシリー”が如何に子を成すまでに至ったか、あるいは“ルーク”との別離
をどう迎えたのか、あるいは二人の子は刀鍛冶として生きる道を選ぶのか否か、あるいは
何代も後の聖剣の刀鍛冶は本当に“アリア”を救うことができるのか──。

等々、番外編ということでサイドストーリーも含めた様々な情景にも大変心に響くものが
ありましたが、それすらも300年という時の流れに取り残される“リサ”の物語を演出する
構成要素でしかなかったことに驚かされます。確かに番外編でなく本編ですね、コレ。

長い時の中で何度も心折れそうになる心情、何事にも無関心になっていく心の疲弊を描写
の痛々しさ、更には決定的なタイムリミットを前に出した結論と出された決心。雨上がり
の空のように晴れやかな“リサ”の幸せを心より願いつつ、真の完結を祝うばかりです。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月12日

『俺が生きる意味3 水迷宮のデモニアック』

赤月カケヤ 先生が贈る戦慄のパニックホラー。現実世界に戻ってきた“斗和”達の後日譚
は終わりではなく始まりの一歩に過ぎない。そんな絶望感を演出する第3巻の登場です。
(イラスト/しらび 先生)

http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solc_dtl?isbn=9784094514308


なぜ化け物、ソウルテイカーが跳梁跋扈する世界に取り込まれてしまうのか、という謎は
尽きませんが、現実世界で散々罵られてきた己の信条を胸に限られた人々だけでも何とか
生き残ろうとする“斗和”の奮闘ぶりが痛々しいです。

迫る危機を機知で乗り切ろうとするも、妹“一花”の存在や彼女を「鬼ごっこ」と称して
付け狙う「殺人鬼」という謎の人物の登場に前巻以上の苦戦を強いられる“斗和”。誰が
「殺人鬼」か、というのは早い時期に目星がつきますが・・・その結果がまた残酷です。

更にはなぜか助かり続ける“銀河”の心を抉る決定的な事実が衝撃的です。それに背負う
背景も居たたまれないものがあります。“ノマ”の立ち位置も気になりますが、まずは
圧倒的な暴力を前に起死回生の策はあるのか。次巻の展開に注目したいところです。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月11日

『オトメ3原則! 5』

松智洋 先生が贈るSF風学園ラブコメ、第5巻は“ラブ”の回復を喜ぶのも束の間に父失踪
に揺れる“元気”の周囲、その成り行きの中で判明する「0システム」の謎に迫ります。
(イラスト/ななろば華 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/_otome3/#b05


家族と共に暮らすべき、と“美鈴”たちとの生活を勧める“遙”。「ハルカちゃん三原則」
という大前提をも覆して“元気”を説得するその様子は、何よりも“元気”との関係を、
「家族」という繋がりをどうするか真剣に考えた証左として心動かすものがあります。

更には“ラブ”に対して「お姉ちゃん」と呼ばせるなど、他者に対して一歩も二歩も成長
している印象を見せています。自力で対応できる能力と他人に頼れる意思をあわせ持つ、
しなやかに強い女性として“元気”と並び立てる、そんな気にさせてくれるほどに。

“ラブ”も「0システム」とは何なのかを知るべく独自の行動をとるまでに成長を遂げて
きました。それこそ“カムイ”を驚かせるほどに。“カムイ”が示す、近づく「終わり」
とは何なのか、ラストの引きが匂わす異常事態に思わず続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル