2013年09月20日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンVI<下>』

川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー、6話下巻は北条、羽柴、毛利、最上、上杉、
滝川、伊達、そして武蔵の思惑が入り乱れる相対戦を経て小田原征伐に決着がつきます。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891624-0/


いやぁ、序盤から異種格闘技戦といいますか何でもアリな相対戦で妙な緊張感があふれる
戦いが目白押し。“人狼女王”をそう使ってくるか! という感じでしてやられました。
“大久保”が地味に活躍していた点も推しておきたいと思う次第です。

“浅間”の件、怪我の功名といいますか遂に踏ん切りがついたようで何より。“トーリ”
もちゃんと意思表示してくれましたし、もう大丈夫でしょう。“点蔵”と未来嫁はまだ
上のラブラブ時空を展開できるというのがまた爆発しろ! と言わざるを得ないというか。

思いを伝えること。それは会話であったり、技術であったり、人それぞれで手段も様々と
なりますが、小田原征伐という一つの時代のうねりを受けて舞台を下りる者、受け継いで
先へと進む者と明暗が分かれた話でもあったかと思います。次は関東開放を見届けます。

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2013年09月19日

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンIV』

宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記、第4巻は北域の激戦に対する後始末に始まり、
「カトヴァーナ帝国」内部の複雑なしがらみに“イクタ”たちが巻き込まれていきます。
(イラスト/さんば挿 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891906-7/


“サフィーダ”中将の軍事裁判は当然の結果に終わって嬉しいやら切ないやらという複雑
な思いを残しました。そして今回の戦争で生まれたシナーク難民問題について“イクタ”
の思う所に乗せられた“サザルーフ”少佐の中間管理職ぶりが同情を誘います。

難民問題の解決に向けて“マシュー”の実家に押しかけてみれば「グナ米の不作」そして
「人頭税の重課」というキーワードが「テトジリチ家」を縛る内政問題へと繋がり、断罪
するという謎解きと勧善懲悪の展開。これには爽快感を十二分に得る形となりました。

「キオカ共和国」への対抗策として海賊軍に同船した“イクタ”たちですが、不遇な扱い
を受けつつも機転と実力でもって対等な立場で肩を並べるまでに押し戻した所も魅せて
くれます。新たな戦火の予感と“トリスナイ”宰相の思惑を気にしつつ次巻を待ちます。

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2013年09月18日

『のうりん 7』

TVアニメ放映が2014年1月に控えている 白鳥士郎 先生の大人気農業高校ラブコメディー。
第7巻は丸ごと沖縄での修学旅行の様子を描く農業をしない回となるか否かに注目です。
(イラスト:切符 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797375213.html


「ベッキー」と聞いてそっちを思い浮かべる私がいますが、まさか取り込んでくるとは。
他にも他作品を匂わせる単語が目白押しで、いつにも増してパロディ色が濃い感触です。
あと挿絵差分でグイグイ攻めてきます。・・・あの文書を見開きって大丈夫なの?(苦笑)

“草壁ゆか”を敵視する“群雲りく”が“耕作”に迫る。そして“花園”も迫る。(苦笑)
“バイオ鈴木”も色々と捗る中、振興学園時代の“林檎”のことに触れられて動揺するも
自分が何なのかを思い出した“耕作”は強かった。あの挿絵は使い方が絶妙でした。

“ベッキー”の人外化が進む上に「女教師カルタ」とか作ってしまってR指定食らわないか
心配したりしつつ、本編ではちゃんと農業ネタを盛り込むことを忘れない 白鳥 先生の
抜け目の無さに感服するばかりです。次巻はその分量が多くなるとのことで注目です。

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2013年09月17日

『止まらないで自転車乙女(バイシクルガール)』

阿羅本景 先生が贈る新作はボーイミーツガール・ウィズ・サイクル。自転車に乗れる事が
当たり前の女学園で自転車に乗れない3人の少女がコーチ指導の下、特訓に挑みます。
(イラスト/みけおう 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/_bicyclegirl/index.html


幼少の頃に補助輪付きの自転車を買ってもらって、ゆくゆくはそれ無しでも乗れるように
練習し、今でも普通に乗ることができる。それが当たり前という感覚を持っているからこそ
どうやったら乗れるようになるのか、という過程が見えるのはなかなか興味深かったです。

その点、臨時のコーチ役を買って出た“陸”も教える上で一度は挫折を味わうことになる
という「現状」を描いた点もポイントかと思います。シャモアクリームを塗りあったり、
といった百合成分があるのも見どころと言えば見どころでしょう。

「白輪館女学院」の落ちこぼれである“千晶”“沙羅”“綾音”がそれを克服していく
ために費やす労力、精神力の大きさ。それを元にして苦手意識を克服したときの達成感が
実に爽快です・・・って、これシリーズものですね。となると恋の鞘当が気になる所です。

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2013年09月16日

『魔王殺しと偽りの勇者1』

田代裕彦 先生が『修羅場な俺と乙女禁猟区』の次に贈るのは、百年ごとに復活する魔王を
倒したと公言する4人の勇者の中から本物を突き止めるミステリアス・ファンタジーです。
(イラスト:ぎん太 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02


未来視を元に大魔王“タラニス”の討伐を依頼した占い師“グエンドレナ”。依頼された
のは4人。騎士“レデリック”、聖女“ジュセル”、魔術師“ガダフ”、傭兵“ダリオン”。
その内の1人が役割を果たす未来が現実となるも、それを成し遂げたのが誰か分からない。

真偽を確かめるべく白羽の矢が立ったのは頭でっかちな王宮戦士“エレイン”と、かつての
英雄王“アルフ”の末裔にして魔族に寝返った“ユーサー”。性別も違えば相性も最悪な
でこぼこコンビが、なんだかんだ言いながら勇者たちの嘘を暴いていく所が面白いです。

元々は単巻作品の予定だった、ということで次巻では「勇者」が誰なのか判明するとのこと
ですが、温和なウェインI世も何か曲者っぽい感じがしますし、“ユーサー”の過去も気に
なります。どんなどんでん返しを用意してくれるのか楽しみにしつつ刊行を待ちたいです。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル