2013年09月30日

『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件4』

野村美月 先生が贈るファンタジー家庭教師コメディ、第4巻は隣国「オーランド」から
“竜樹”王子に縁談がきたものの相手の姫の容姿に難があって・・・と波乱の幕開けです。
(イラスト:karory 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


“聖羅”に「女ったらし」と言われてしまう“シャール”ですが、“竜樹”や“ギルマー”
にも気を持たせるあたりは「男ったらし」とも言えるワケで。“ミンティア”姫がアレな
姿になっていた理由は「彼女」の思惑も踏まえると実に素直に受け止められるものでした。

“竜樹”が“ポーラローズ”に謝れない件、“イリー”が“ギルマー”に謝れない件、更に
派生した“シャール”との件。事情は異なるにしても根ざすものは同じ事案を解決に導く
冴えたやり方を見せた“シャール”が見事です。“聖羅”の嫉妬は買いましたけど。

相変わらず可愛くて仕方のない“聖羅”との新婚さんゴッコから始まる短編も話の繋がり
がある内容なので魅せ方が上手いと思うばかり。王妃の昔話も実に興味深いものですが、
“グリンダ”の思惑も窺える点が気になりますので是非最後まで書ききってほしいです。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月29日

『グランクレスト・アデプト 無色の聖女、蒼炎の剣士』

水野良 先生の『グランクレスト戦記』に続くシェアード戦記ファンタジー。筆を執るのは
夏希のたね 先生。混沌災害の代わりに現れた女子高生と邪紋使いの出会いで始まります。
(監修:水野良 先生 イラスト:春日歩 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=301306000186
http://grancrest.jp/

TRPGとしての世界観をベースとする物語ですので、それらしい単語が出てくるのはらしさ
を感じさせる所ですが、まさか「運」の要素を否定しに掛かるとは。この世界に存在しない
者だからこその発想を持てる“真璃”が見せた決意は賞賛に値するものがありました。

そんな彼女と触れ合う時間がなし崩し的に増えていく“ロイ”が自分の生き方を振り返り、
少しずつ抱えている真情が変化していく様子にまず注目なのと、「爵位制度」を盾にした
理不尽を跳ね除ける想いの繋がりとその強さが見どころと言えるかと思います。

春日歩 先生のコントラストが映える、作品の世界観を支えるイラストの数々がまた実に
素晴らしいです。それぞれに大きく背負うもののある“真璃”と“ロイ”、彼女の持ち前
の明るさに助けられた彼がこの先どんな未来を切り開いていくのか楽しみです。

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2013年09月28日

『デート・ア・ライブ8 七罪サーチ』

TVアニメ第二期を颯爽と決め、犬威赤彦 先生によるコミカライズも決めた 橘公司 先生の
大人気シリーズ第7巻。変身能力をもつ精霊に翻弄される“士道”たちの運命や如何に。
(イラスト:つなこ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201302000001


12人の中に“殿町”が入っちゃったのはアレですが、それぞれの精霊に対して改めて見せ場
を設けようとした試みは吉と出たか凶と出たか。割けるページ数がさほど無かったにしても
“耶倶矢”と“夕弦”の繋がりの深さが再確認できたところは良かったと思います。

「“七罪”の秘密」というものを意識しないまま彼女の逆鱗に触れ、誰かに化けた彼女を
見つけるというゲームに乗せられた“士道”。ゲームのルールが不明瞭という点から不安
が加速度的に膨らんでいく中で数少ない情報量の中から答えを導き出すのは至難の業。

いやが上にも狭められていく選択肢の中から選び出した答えとその理由は“士道”だから
こそ、という感じで納得の結論でした。彼女の秘密が改めて明らかとなった時点でまさかの
異常事態。・・・これ、どうやった回復させるんですかね、ということで次巻へ続きます。

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2013年09月27日

『マグダラで眠れIV』

有坂あこ 先生のコミックス第1巻と同月刊行となる 支倉凍砂 先生のファンタジー小説。
第4巻は新天地、異教徒の町「カザン」で騒動に見舞われる“クースラ”たちを描きます。
(イラスト/鍋島テツヒロ 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891944-9/


「教会」対「騎士団」という構図がここにきて真価を発揮する形となり、これまで異教徒
たちへの問答無用の侵略を行い、勝ちを収め続けた「騎士団」の慢心が“クースラ”たち
の未来をも脅かす窮地を呼ぶ結果となりました。

“フェネシス”に言い負かされる場面もあったり、と工房を持つことになった“クースラ”
としてはすっかり丸くなった感を見せております。今回の危機を乗り越えるために「竜」
を使うことを決める最後の一押しに躊躇いを示すくらいには。

そんな気持ちを汲んでか“フェネシス”もしたたかさを増して“クースラ”に喰らい付いて
いく姿勢を見せます。「呪い」についての解釈を嘯くあたりは心の中に一本芯が通った強さ
を目の当たりにするかのようでした。流浪の先に光はあるのか、次巻の展開に注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年09月26日

『僕と彼女のゲーム戦争6』

有名ゲームが実名登場する 師走トオル 先生の人気シリーズ第6巻。「Civilization V」
ほか2作を交えての合宿、そして学校対抗戦2日目に臨む現代遊戯部の面々を描きます。 
(イラスト/八宝備仁 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891907-4/


“権田原”がつぶやいた最後のセリフが沁みるッ・・・。あと「じゅじゅちゅなぎ」は実に
可愛いと思いました・・・はさておき。前巻で“岸嶺”との関係が改めて男と女のそれである
と認識させられた“天道”がゲームプレイに支障が出るほどの動揺と失態を見せます。

「写真」のことを突きとめた“杉鹿”が“岸嶺”を突き詰めるあたりはすでに鉄板の勢い
ですが、肝心の“天道”はというとどうもゲーム内で彼に罰ゲーム的なお仕置きを仕掛ける
ことで一時的に気持ちが昇華してしまってまだ結論は出ず、といったところでしょうか。

セコい勝ち方をみせた「甲斐ヶ原」ですが、その後の交流戦で“岸嶺”の活躍もあり勝ち
を譲ったところで“祇方院”が悔しがったあたりは「ゲームするからには勝ちたい!」
というゲーマーの魂を垣間見ました。次巻はどんな夏のドラマが生まれるか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 01:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル