2013年08月18日

『不死鬼譚きゅうこん 千年少女』

「第1回キネティックノベル大賞・審査員特別賞」を受賞した、一般文芸の前線でご活躍の
仁木英之 先生が贈る恋と怪異の物語。きゅうこんの謎に迫る少年が辿り着く結末や如何に。
(イラスト:丸新 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797374414.html
http://ocelot.product.co.jp/products/kyukon/index.htm


幼馴染の“基樹”と“茉樹”。互いの距離が近すぎて恋愛感情は抱けないと公言する中で
“基樹”には“楓”、“茉樹”には“林太郎”が告白し、そのまま恋人関係になるという
転機が訪れます。“基樹”と“茉樹”の微妙な距離感は残したまま。

もう一つの転機は“基樹”が趣味であるカヤックを楽しんでいる最中に出会った“美月”
という少女と「きゅうこん」というキーワード。それを契機に垣間見えてくる“茉樹”の
奇妙な言動、不思議な現象が“基樹”の頭を悩ませていきます。

その土地にある史実に絡めた話の誘導とそれを踏まえた結末のひっくり返し方が良かった
です。一線を超える描写があるのは昨今見てきたライトノベルの中でも珍しいほうか、と
感じたりもしました。一般文芸との差はさほどないのかも、と認識させられた作品です。

posted by 秋野ソラ at 09:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル