2013年08月12日

『夜姫と亡国の六姫士【ろくきし】I』

「白兎騎士団(しろうさぎ)」シリーズ完結後に 舞阪洸 先生が贈る新作。奪われた祖国を
取り戻すべく時代の寵児と一騎当千の姫士たちが戦いに臨むハイ・ファンタジーを拝読です。
(イラスト:こ〜ちゃ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_01


昔から「英雄、色を好む」と言われますが、王都を失い、劣勢の中においてもなお復興軍の
主将として敵国に一目置かれる戦果を上げ続ける「エルゲン王国」第二王女にして戦女神の
“バイオレッタ”もまさにそれ。六姫士たちとの絡みはエロ要素増量の証に他ありません。

どれくらい劣勢か、“バイオレッタ”や「バイデリュンヘン大公国」の将たちがどんな陣形
をとったのか、といった説明を図示も入れて行ってくれるため戦場の雰囲気は掴みやすく
なっています。昨今、増えてきている戦記モノの中でも見られる利点の一つです。

先ほどのお色気成分の他に、場の状況を読み合う先に魅せる逆転劇もポイントの一つとなり
ますが、ふと思い出される女神“フェイタル”が示す残酷なまでの賽の目の結果が半端なく
容赦ないです。この結果を踏まえて次巻以降どう繋げていくのか興味深い所ではあります。

posted by 秋野ソラ at 03:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月11日

『メタリックガーディアンRPGリプレイ・インヴェイジョン 襲来、宇宙からの侵略者!』

藤田史人 先生/F.E.A.R. が贈る「MGR」リプレイ第2弾。ロボットものの王道とも言える
宇宙を舞台に、製作途中の「上級ルール」も取り入れた「MGR」の魅力を描いていきます。
(イラスト:林啓太 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=301304002882


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  GM:はいぃ──!?(←理解した)
  神田川:きたーっ!(一同爆笑)
  GM:その昔、自分用ハンドアウトを用意してきたプレイヤーさんの話は聞いたことが
     ありますが、自分用セッショントレーラーを用意してくるとは・・・・・・(笑)。
  ダーナ:すがのさんのセッションの入れ込み方が、並じゃない!?(笑)
  神田川:むしろこれこそ世界中のすがのたすくファンが期待している展開だ!(笑)
  サヤ:あわわっ!? それで、あのぅ・・・・・・小太刀さん、リプレイに掲載する時にはこれ
     富野調で書き直して!(一同爆笑)
  ダーナ:えっ、えええええっ!?
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・・・そして本当に 小太刀右京 先生の監修で載せられてるし。流石は すがのたすく 先生、
必ず何かしらやってくれると信じてました。小太刀 先生も成長報告の際にBGMを流すという
粋な演出で場の雰囲気を作り上げていてこちらも結構なお手前かと思いました。

地球人を邪悪視する「パルテア星間連合王国」の地球侵攻。それを目前にして国の様子が
おかしくなり始めたことを察知した“ダーナ”が出奔。地球人の“サヤ”たちとの出会い
を通じて少しずつ変わっていく認識とそれぞれを取り巻く状況が「らしい」展開です。

星間戦争という重い話の合間に見える穏やかな日常との対比がまた“サヤ”たちの成長に
繋がる話運びで良かったと思います。最後のアビスに関したやりとりは見せ場でした。
やはりロボットものは心を奮う何かがあるな、と改めて感じさせてくれた一冊です。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月10日

『ソード・ワールド2.0リプレイ 七剣刃クロニクル(3)』

秋田みやび 先生/グループSNE が贈るアンチ王道リプレイ、第3巻は息も合い始めた感の
あるパーティーが“リディウス”の思惑もあっていきなり分裂騒動。GMもPLも大混乱です。
(イラスト:戸部淑 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=301304000218


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  リディウス:今日からこの隊のリーダーはヴィートだ。じゃあな!
  ニノン:何でぇえ!? どゆこと?(汗)
  リディウス:兄貴と顔を合わせたくない。それに、個人的には下の兄貴のことは
        許せないから、ヤツの首根っこは押さえに行きたい。というわけで、
        俺は旅立つ。
  ニノン:えぇえええっ! こんないきなり!?(混乱)
  リディウス:だって、兄貴がこの村に来るんだろ?
  GM:(ああああ・・・・・・これがあるから、わざと駐屯地で神官戦士が軍の人たちを
     接待して、その間に一行に会わせたい人とか持っていきたい話があったんだけど。
     ま、もうしょうがない。野となれ山となれだ。一番窮屈ルート・・・・・・というか、
     その前にリディウス離脱!? どうすんの!?)
  ヴィート:うーん・・・・・・これは、強く引き止めるべきか、見送るべきか。
  GM:見送るんですか!
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実はコレ、パーティが3つに分裂するかの瀬戸際というシーン。GMの思惑とは違う結果を
PL側に導き出されたりするのはままあることかと思いますが、流石にここまでバラバラな
行動を取られると管理しきれない、というGMの焦りぶりがにじみ出ている場面でした。

分裂状態の中で“ネダ”と“セルヒオ”が腹黒ウサギこと“ギザレット”から受けた「軍」
からの指令。“カルネイラ”教官からの話と合わせるまでもなくきな臭い内容であることは
明白で、どうしたらそれを覆せるかと皆合流して知恵を絞ります。流石はアンチ社会系。

旅の途中で出会った“ダスダス”と共に「月硝国ユーシアニ」を訪れた一行。“ユル”を
追い詰めることに成功したものの、七つの神器の一つ《月硝》はどこでどうしているのか
気になる展開。“リリャン”との取引が事態を好転させる鍵となるか、注目したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月09日

『鳩子さんとラブコメ4』

鈴木大輔 先生の直球ラブコメ、急転直下を迎える最終巻は平和島財閥総帥“源一郎”より
後継者指名と“杏奈”との結婚指令を受ける“隼人”が“鳩子”へ最後の戦いを挑みます。
(イラスト:nauribon 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201208000051


例えて言うなら「99%のツンと1%のデレ」、といったところでしょうか。“鳩子”さん、
ちょっとその想いは読みきれないよ、ということで「してやられた」感がハンパないです。
昔はM気質だったという彼女をドSに変えた“源一郎”の影響力って一体?・・・みたいな。

その“源一郎”が突然現れて何をするかと思えば、“隼人”を後継者指名するにあたって
自分が直接鍛え上げるという意思表示。その手始めとして学園の解散、つまりは廃校を
目論むから何とかしてみせろ、というのですから実に豪放な傑物であります。

その課題に対して“杏奈”と力をあわせて答えを提示できるあたりはやはり良いコンビなの
だろうと思います。その成長ぶりも“鳩子”さんの思うつぼだと言うのだから空恐ろしい。
ともあれ、これからも賑やかに未来へと邁進するであろう3人に幸あれ、であります。

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2013年08月08日

『ヴァリアブル・アクセル』

『うちの居候が世界を掌握している!』の 七条剛 先生が贈る新シリーズは剣と異能力で
治安を維持する「剣警」の訓練校に現れた伝説のコンビの成長を描く学園バトルです。
(イラスト:四季童子 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797374698.html


剣の腕は立つ“和久”と器用貧乏な“咲良”。二人の出会いは逮捕劇から始まる何とも
居たたまれない場面から始まります。有能な“紅葉”と比べられ続けた“咲良”のやや
卑屈な言動が気になって、彼女が班長を務める特殊捜査隊へ“和久”が入隊します。

そこには彼の幼馴染である“小夜”と、多種族の言語を理解する能力を持つ犬“黒丸”
も一緒についてきます。彼女らの言葉のやり取りがコミカルで、“咲良”の周囲で発生
する事件のシリアスさと上手く対比する形になっております。

事件の真相として浮かび上がる犯人像も意外でしたが、後始末をつける人物も実に意外。
最初に提示していた情報との差異でその意外さを演出しているのが面白いと感じました。
四季童子 先生の挿絵の良さも堪能できますし、次巻も普通に手が伸ばせそうです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル