2013年08月26日

『なれる!SE10 闘う?社員旅行』

夏海公司 先生が贈る「萌えるSE残酷物語」が二桁巻数の大台へ。第10巻は「社員旅行」に
「ASAP」に「超新人」に「職場訪問」と忙しい日々を切り取った短編集第二弾となります。
(イラスト/Ixy 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891859-6/


社員旅行、というものは指を折らずとも分かるくらいしか経験したことがありませんけど
イベントが多い職場というのも良し悪しというか、そう思う心情は分かると言うしかない。
ルーチンワークをやってる部署ならまだスケジューリングしやすいのでしょうけどね・・・。

それにしても“六本松”社長は“室見”さんに殺されてもしょうがないことを平気でやって
のけますな。“梢”の知恵も借りて窮地を凌いだ“工兵”の苦労は何だったのかと、自分も
読み終わった後に思わず殺意を抱いてしまうほどでした。

“次郎丸”は相変わらず凄すぎてどう言及したら良いか悩みますが、“工兵”の妹“誉”も
大概ぶっ飛んでますね。考え方が個性的すぎます。ただ、世に求められているのはこういう
実行力のある人たちなんだろうな、とか考えたりして少し切なくなりました。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月25日

『失恋探偵ももせ2』

岬鷺宮 先生の「第19回電撃小説大賞・電撃文庫MAGAZINE賞」受賞作にして学園青春
“失恋”ミステリ、第2巻は両思いになった“九十九”と“百瀬”のその後を描きます。
(イラスト/Nardack 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891869-5/


両思いになってからも続けることになった「失恋探偵」の活動。その依頼をこなしていく
中で積もり積もっていったお互いの疑念が再び亀裂を生んでしまう、というこれまた面倒な
展開に“志穂里”も気が気ではなかったのではないかと思います。

今回の失態、その原因は依頼人であり、相談相手でもある“荻野目”先輩が“九十九”
に指摘した内容に全て含まれていると言って差し支えないと思います。示すことへの不安と
示されないことへの不安。天秤に掛ければやはり・・・ということで。

だからこそ、その反動で見せた“百瀬”の言動が健気で、Nardack 先生の挿絵も相まって
実にいじらしいものがありました。“志穂里”も言っておりますが、もう安定飛行できる
二人になれたと思いますので心穏やかに見送らせていただきます。楽しませて貰いました。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月24日

『魔王なあの娘と村人A(6) 〜彼女の普通とあの娘の特別〜』

ゆうきりん 先生が贈る、常識が通じない《個性者》に対し気苦労の絶えない《村人》たちの
日常を描くシリーズ。第6巻は《メデューサ》が《個性者》をやめたいという話を描きます。
(イラスト/赤人 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891857-2/


人間と他のものの区別がつかない《個性者》の特性はそれぞれによって程度が異なります。
その度合いが極端に出てしまってほとんどの区別もつかず、色も匂いも味も無いような世界
に一人投げ出されたかのような生活を送るのが《メデューサ》の“鬼灯”です。

そんな状況下に居ることが耐え難いからこそ《個性者》であることをやめる決心は固く、
“デッカー”先生を恐慌させるまでに至り、期待の村人A“佐東”に打開策をの立案・実行
が求められる始末。更には自分以外の《個性者》は普通と豪語し反感を買われる事態に。

最終的には日々の生活から得られたヒントから打開の道を拓くことに成功するワケですが
その様子は村人であるにも関わらずまるで《個性者》そのもの。“翼”や“竜ヶ峰”から
示唆されている進路にも何かしら影響しそうな「普通」では無い雰囲気が気になる所です。

posted by 秋野ソラ at 01:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月23日

『花×華8』

岩田洋季 先生が贈る「だぶはなラブコメ」第8巻。ショートムービーを撮る過程で“花”
と“華”、そして“夕”の気持ちに一つの整理がつき、三角関係にも区切りが訪れます。
(イラスト/涼香 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891902-9/


“花”に向ける強い情熱を示す“葉奈子”、それに応える姿勢を少なからず示した“花”。
“夕”が選んだ結果に繋がる要素は“葉奈子”と出会ってからの“花”が少しずつ、何度と
なく見せてきましたし、カメラを通して感じ取ってきたものだと思います。

「あとがき」にもありますが、結末として“夕”にきちんと決断させたこと、それを“花”
と“華”に受け止めさせて「辛い結末にはならないように」エンディングを迎えさせた点は
評価に値すると思います。結末としても納得のいくものだと感じております。

“花”と“華”、二人が流した涙の意味はそれぞれ異なりますが、目指すべき未来に向けて
精進する“夕”の想いも今後どうなるか余談を許しません。新しい三角関係の門出を祝福
すべきかはアレですが幸あらんことを願いつつ、完結おめでとうございますということで。

posted by 秋野ソラ at 01:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年08月22日

『はたらく魔王さま!9』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー、第9巻は“恵美”と“芦屋”を
救うべく“真奥”と“アシエス”、そして“鈴乃”がエンテ・イスラへと身を投じます。
(イラスト/029 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-891854-1/


エンテ・イスラの地で勇者“エミリア”として再び担ぎ上げられた彼女の責任感の強さと
力の至らなさ、そして“真奥”への気持ちの変化が機微を示す中で顕著に見られた回です。
“真奥”の言を借りるならば「メンタルの強さ豆腐並み」ということでもありますが。

その“真奥”も“鈴乃”への告解という形で「魔王サタン」としての過ちを明かす羞恥の
事態に陥ります。エンテ・イスラへの侵攻の理由、エンテ・イスラで何をしていたのか、
といった魔王としての、“真奥”としての本音が見えたのは印象に残るものがありました。

“アルシエル”として表舞台に登壇させられた“芦屋”は“ガブリエル”とのやりとりに
含まれていたキーワードから事の裏に仕組まれた狙いに気付き歯噛みする一方、「聖剣」の
謎に着目した“鈴乃”は皆を震撼させる。神界の思惑とは何なのか、展開が気になります。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル