2013年07月06日

『覇剣の皇姫アルティーナIII』

むらさきゆきや 先生が贈る覇道戦記ファンタジー、第3巻は訪れた帝都に張り巡らされた
策謀の数々を前にして後手に回ってしまう“アルティーナ”たちの逆転劇を描きます。
(イラスト:himesuz 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_05


前巻でも申し上げましたが「前回のあらすじ」の効果たるや絶大なものがあります。たった
3ページ読み終えただけで前巻の情景が大体思い出せる親切設計。あらすじとしての
集約の仕方も秀逸だからなのだろうと思います。ぜひ続けていってほしいです。

さて、本編としては皇位継承を巡って水面下の動きに何とか追いついた“レジス”の知恵が
ものを言う展開。応手の数々が未来を見たかのように次々はまっていくラストは実に濃密で
見所満載です。その活躍のおかげで彼に惹きつけられた女性も増えたようですが。

彼の生兵法な部分で一歩及ばない事態には“アルティーナ”たちの身体能力がカバーして
くれるので読了後の印象も実に爽快です。“ラトレイユ”たちに一歩先んじた二人ですが
思いも寄らぬ事態が緩やかに、けれど着実に迫っているようで次巻の動きも気になります。

posted by 秋野ソラ at 07:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月05日

『ニーナとうさぎと魔法の戦車 8』

兎月竜之介 先生の「第9回SD小説新人賞・大賞」受賞作、第8巻は前巻から続くラビッツ
解散の危機に“ニーナ”たちがどう向き合い結果を導きだしたかを描く最終巻となります。
(イラスト/BUNBUN 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/_nina/#b08


「優良人種モデル」に対する“ハイディマリー”の執念が“ドロシー”に対する気持ちに
揺らぎを見せる“シルヴィア”にも牙を向け、クローン技術の利用にも歯止めが利かなく
なって・・・という展開が狂気と窮地の状況をこれでもかと演出してきます。

狂気と言えば“マドガルド”も戦闘狂と評してよい言動を見せました。“ドロシー”不在
の中であっても、“ニーナ”を含めたラビッツのメンバーは最大の苦境を乗り越える心の
強さを得たと感じられる振る舞いの数々は見どころの一つと言えるでしょう。

時間を巻き戻して真実を明らかにする、という描写が多かったのも印象に残るところです。
百合成分を積極的に吸収できる作品の一つとして重宝していた作品が無事完結を迎え
られたことは喜ばしくもあり、寂しくもありますが、まずは心よりお祝い申し上げます。

posted by 秋野ソラ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月04日

『パパのいうことを聞きなさい! 13』

松智洋 先生が贈るドタバタアットホームラブコメ、第13巻は帰国が近づく“サーシャ”
の衝撃的な発言あり、仁村家の騒動に巻き込まれたりと小鳥遊家の日々は大忙しです。
(イラスト/なかじまゆか 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/_papa/#b13


“サーシャ”が小鳥遊家に長居することで“祐太”たちの生活はだいぶ楽になる。けれど
何か分からないがそれがずっと続くことには違和感がある。突っかかるものに気付いた時
“祐太”たちがどんな結論を導き出すのか、温かく見守りたいところです。

第五章「入院」では、そこに至る経緯も踏まえて“ジュウベエ”がそうなるのかな、とも
思いましたが結局のところは・・・ということで。そういった時にこそその人の人柄も見えて
くるものですが、仁村家の騒動も丸く収めてますますモテモテな“祐太”であります。

その騒動の元となった“聡美”も、原因を辿ればコミュニケーション不足が問題でした。
同じとは言わないまでも、伝言ゲームの危険性を感じたことがあるだけに身につまされる
思いでした。そういった面でも読み甲斐のある内容であったと感じている次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月03日

『天翔虎の軍師2』

上総朋大 が贈るファンタジー戦記シリーズ、第2巻は「帝国」最強の将軍と超長距離武器、
その影にちらつく天竜姫の軍師“ユミカ”の策謀と“シエル”の危機的状況が続きます。
(イラスト:庄名泉石 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201212000226


「巨乳村」にも関わっていた 庄名 先生だからこそ、“ミオ”が“エナ”を攻める扇情的な
場面の挿絵指定にも十二分に応えてきます。流石の一言。“シエル”に対する“ミオ”の
好感度が高まっていく様子も上手く描けていると思います。

新たな窮地とそれを打破する演出を魅せるために描かれた“マギー”の失策と汚名返上の
契機。彼女自身の成長と共に「フレリカ王国」という組織としての結束を促すことにも
繋げることが出来た展開として素直に受け入れられるところであります。

「帝国」の“ユミカ”、「皇国」の“アレイア”、「王国」の“シエル”と軍師同士だけ
ではなく国の情勢としても三竦みの構図へともっていくために必要な国と国とがより一層
強くぶつかり合っていく予感がする流れに注目していきたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 01:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月02日

『不完全神性機関イリス4 勝率0.08パーセントの戦女神』

細音啓 先生が贈るもう一つの重層世界ファンタジー、完結一歩手前となる第4巻は人間と
人型機械体(アンドロイド)もしくは機神との関係を各々の立場から掘り下げていきます。
(イラスト:カスカベアキラ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201208000371


「プロジェクト・エデン」と向き合って何を思ったか。だからこその“剣帝”の言動であり
“凪”の意地であり、“ヨミ”の叫びであったかと思います。そんなシリアスな場面の裏
においても“イリス”は駄メイドぶりを発揮していたりするワケですが・・・(苦笑)。

腹に一物ある“紫苑”の意味深長な行動が“凪”に、あるいは人間に対して牙をむいた時
颯爽と対峙するのは“ミカエル”。彼女の感情豊かな振る舞いに何を思っていたのか、
“紫苑”の真意に触れることは叶わず最大最悪の局面を迎えることとなりました。

“ミカエル”が“凪”に抱く感情もあからさまになってきましたが、“イリス”も彼に
対して抱く感情も機械としてのそれを大きく逸脱する結果となりました。穢歌の庭を凍結
させる段となって“凪”はどういった行動に出るのか、最終巻に注目したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル