2013年07月16日

『8番目のカフェテリアガール 東京なごやかプロジェクト』

石原宙 先生が「第10回スーパーダッシュ小説新人賞・大賞」受賞作品『くずばこに箒星』の
次に贈る新シリーズは地元の文化を元にした「名古屋系痛快学食バトルラブコメ」です。
(イラスト/029 先生 名古屋めしイラスト/ぐらしおん 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/new/1306.html#b04


味噌カツ、あんかけスパ、小倉トースト、モーニング・・・等々、挙げればキリがない独特の
食文化をもつ名古屋から来た妹“なごの”が東京の高校に逃避行した兄“シロ”を連れ帰る
と意気込む中で学食を舞台に理事長が仕掛けるゲームに巻き込まれる所から始まります。

1つの章が「小編→2ページずつ進む短編→名古屋めし紹介」という特殊な形式で物語を
進めていくのが特徴で、そこから更に“なごの”の名古屋的感覚に溢れた言動がコミカルさ
を演出してきます。確かにバトルもしますね、必殺技みたいなのも出てきますし(苦笑)。

この“なごの”が存外に曲者で、一見「出オチ」かと思わせる雰囲気の本作を実に味のある
読み応え十分なものにしてくれています。“なごの”の地元で何が起こっているのかも気に
なるところですし、続く展開に興味津々と言ってよいシリーズの幕開けであったと思います。

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2013年07月15日

『アニソンの神様 score.02』

大泉貴 先生が贈る、実在する「アニソン」を通じて友情を描く青春バンドストーリー。
10ヶ月の間を空けて刊行された第2巻ではドラムの“京子”に焦点を当てていきます。
(イラスト:のん 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=72054001


「アニソン溢れるこの国に生まれた俺たちは、世界一の幸せ者だゼ─────ット!」と
水木一郎 御大からの帯推薦にもありますが、この第2巻を読んで改めてそう思える自分が
います。アニソンからこれほどの良い物語が生まれて、読めて、共感できるのですから。

アニソン好きであることをひた隠しにしていた“京子”が気付いた想いのズレ、すれ違い。
それを引きずって「レーゲン・ボーゲン」での活動にも支障をきたすまでに至る展開には
実にハラハラさせられましたが、音楽を通じて分かりあえるというのは良いものですね。

その橋渡しとなった“エヴァ”の行動力には驚かされることしきりです。10ヶ月という期間を
掛けて丁寧に作り上げてきた感触が伝わってきて良作ぶりを魅せつけてくれたと思います。
“孝弘”に張られた伏線、“琴音”の内に秘める決意といった所が気になる次巻も期待です。

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2013年07月14日

『ソード・ワールド2.0リプレイ from USA(9) 闇塔閻舞−ダンスマカブル−』

ベーテ・有理・黒崎 先生/グループSNE が贈る日米異文化交流リプレイ、第9巻は終幕を
見据えて“ギュスターヴ”との因縁に決着をつけるべく「否死の塔」に挑みます。
(監修:北沢慶 先生 コミック:双葉ますみ 先生 イラスト:H2SO4 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201302000417


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  アンセルム:覚悟しな、兄貴──否、ギュスターヴ! 互いの顔を見んのも、今日が
        最後にしてやるぜ!
  GM:ギュスターヴの右目に憤怒の炎が映り、左目には嗜虐的な愉悦の光が浮かぶ。
  ミケ:うわあ・・・・・・めちゃくちゃになってるなあ・・・・・・
  クリフ:ほれほれ。ギュスターヴお兄ちゃん、他に何か言いたいことはありまちゅかー?
  GM/ギュスターヴ:「いや、てめえに言うことはなにもねえよ(真顔)」
  一同:(笑)!
  クリフ:今、一瞬左右の表情が統一されてましたね!
  アンセルム:流石だよなあ、クリフ。時々マジで尊敬するよ(笑)。
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“クリフ”さんマジ容赦ない(苦笑)。“ギュスターヴ”も一回あっさりとやられちゃって
いる、という背景もあるのですけど何か妙な優位感は最後まで拭えなかったですね。とどめ
もイイ形で刺せましたしまずは一安心、といったところでしょうか。

今回は途中「運命」に対する選択を迫られる場面が各PCに対してありましたが・・・思い出し
笑いが出てしまいますね、「エクスカリバー」の件は。あと“エリヤ”の「抜けてる感」も
面白かった。兎も角もキャラの違いがにじみ出た結果であったと思います。

20面体ダイスをひっぱり出してきたりと相変わらず油断のならないGMのマスタリングも次で
いよいよラスト。「デスリジェクター」による蛮族の陰謀、“ギュスターヴ”によってその
黒幕となる存在がいよいよ明らかとなって大激戦は必至。乞うご期待という所でしょう。

posted by 秋野ソラ at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月13日

『犬とハサミは使いよう7』

更伊俊介 先生の不条理コメディ、TVアニメの放映が開始となり勢いに乗る中で刊行される
第7巻は“夏野”と“紅葉”のサイン会対決が思わぬ事態を呼び、急展開へと繋がります。
(イラスト:鍋島テツヒロ 先生)

http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_02
http://inuhasa.jp/


アニメは第1話の先行上映を拝見しましたが、こう、改めて絵にして見ると突飛なお話で
あることを再認識させられる感じで。原作未読の方々がついていけるのかをやや心配しつつ
成功を心より祈らせてもらおうと思ったりなんかしちゃったりする次第です、ハイ。

さて、本編は“和人”を巡ってのせめぎ合い・・・というかサイン会でも実力行使で決着を
つけようとする武闘派な二人の姿がどこか滑稽に映ります。変則ラブコメのような流れも
終わってみれば個々人が「人」として成長を遂げた良いきっかけになったようです。

そんなラブコメ時空を展開したまま次へ進むのかと思いきや、突如あらわれた“紅葉”の
担当であり副編集長である“ナズナ”からの宣告に動揺を禁じえない“和人”たち。再び
バトル全開の流れで行くのか、それとも・・・? ということで次巻の動きに注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2013年07月12日

『灰と幻想のグリムガル level.1 ささやき、詠唱、祈り、目覚めよ』

「オーバーラップ文庫」にて 十文字青 先生が贈るのは「ゲーム」なのか「リアル」なのか
分からないまま「グリムガル」という世界に放り出された少年少女たちの冒険譚となります。
(イラスト:白井鋭利 先生)

http://over-lap.co.jp/%E7%81%B0%E3%81%A8%E5%B9%BB%E6%83%B3%E3%81%AE%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%80%80level.1%E3%80%80%E3%81%95%E3%81%95%E3%82%84%E3%81%8D%E3%80%81%E8%A9%A0%E5%94%B1%E3%80%81%E7%A5%88%E3%82%8A%E3%80%81%E7%9B%AE%E8%A6%9A%E3%82%81%E3%82%88/product/0/9784906866229/?cat=&swrd=


「ラノベ読み小会議」を経てようやく読み終えました。いわゆる「RPG」と称されるゲーム
においてあまり細かく描写されることの無い、時間のムダになりそうな泥臭い部分を掘り
下げて物語に落とし込んでいる印象を読了後にまず受けました。

いわゆる落ちこぼれ側の立場にある“ハルヒロ”たちが、「何でこんなことをしなくちゃ
ならないんだ」と困惑しながらも、それでも前を向かないと「死」が待っているという実に
シビアな状況が「グリムガル」という世界の過酷さを物語っています。あと、お金的にも。

MMORPGもの、というかゲームっぽいパラメータのような要素を見せていないので「ゲーム」
の世界なのか謎な点について、すでに先を行く“ソウマ”はそれを追い求める決意を固め
ました。そこに“ハルヒロ”たちがどう絡んでくるのか、注目したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル